店舗運営のコツ|店長がまず整えたい5つのこと

店舗運営で店長がまず整えたい5つのことを紹介する記事のアイキャッチ。開店前の整った売場とクリップボード

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店長を任されて、『店舗運営って、結局どこから手をつければいいの?』と迷っていませんか。シフトも売上も接客も気になって、毎日があっという間に過ぎてしまいますよね。

結論から言うと、店舗運営は店の状態を「人」「物」「お金」「情報」「お客様」の5つに分けて、一番困っている所から順に整えていくのがコツです。正解は業態や会社、店の規模で変わるので、会社のルールと店の状況に合わせて選んでいけば大丈夫ですよ。

この記事を読めば、自分の店の状態を見る診断表と、まず手をつける順番の決め方が分かります。

目次

店舗運営とは?店長が任されていること

先に結論

店舗運営は、お店が毎日きちんと開いて、お客様に商品やサービスを届けられる状態を保つことです。店長は、その全体に目を配る役目を任されています。

厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)では、スーパー店長の主な仕事として4つが挙げられています。販売促進、人員管理、事務管理、情報収集です。

ハンバーガーショップ店長のページでは、店長は企業の社員でありながら、担当する店の「経営者」でもあると説明されています。店舗運営を任されるというのは、まさにこの「店の経営者」の部分なんです。

jobtagに挙がる仕事中身の例この記事での分け方
販売促進仕入れや販売の計画、広告の企画物・お客様
人員管理従業員の編成、採用、勤務スケジュール人
事務管理金銭管理、経理事務、予算や会計お金
情報収集地域の動きの把握、本部への報告情報

店長の仕事の全体像は店長の仕事内容一覧で詳しく紹介しています。この記事では、その仕事を「店の状態」として見直す方法をお伝えします。

全部を一度に完璧にしなくていい

『全部やらなきゃ』と思うと、どれも中途半端になりがちですよね。そう感じるのは、店長の仕事の幅が広いからこそです。

実は、店舗運営がうまく回っている店でも、全部が整っているわけではありません。困っている所を見つけて、1つずつ手を打っているだけなんです。

店の状態を5つに分けて見る診断表

5つに分けると、手をつける所が見える

人・物・お金・情報・お客様の5つで、店の今の様子をチェックしてみてください。当てはまるサインが多い所から手をつけると、効き目が出やすくなります。

まずは、店の様子を5つの箱に分けて眺めてみましょう。どこに困りごとが集まっているかが分かれば、やることの順番も自然に決まります。

店の状態を人・物・お金・情報・お客様の5つに分けて見る診断表の図解
分け方こんなサインがあれば要注意まず打つ手の例
人急な欠勤で毎回店長が穴を埋めている、新人がすぐ辞めるシフトの組み方と教え方を見直す
物欠品や廃棄が多い、売場が散らかりやすい発注と品出しの決まりを作る
お金レジが合わない日が続く、売上の動きを説明できないレジ締めの手順と数字の見方を決める
情報同じことを何度も伝えている、引き継ぎで抜けが出る連絡ノートや報告の型を決める
お客様同じ指摘が続く、常連のお客様の足が遠のいた接客の基本とクレームの流れを決める

自分の店に当てはめてみるチェックリスト

店の状態チェック
  • 店長が休みの日も、店が問題なく回っている
  • 新人が、何を見て仕事を覚えればいいか分かっている
  • 欠品や廃棄の理由を、スタッフが説明できる
  • レジ締めの手順が、誰がやっても同じになっている
  • 本部からの連絡が、全員に伝わる仕組みがある
  • お客様からの指摘を、店で共有している

当てはまらない項目が多い所が、今いちばん手をかけたい所です。『全部当てはまらない…』という方も、落ち込まなくて大丈夫ですよ。そこが伸びしろなんです。

業態によって、重みが変わる所もある

5つの分け方はどの店でも使えますが、業態によって気をつけたい所の重みは少し変わります。自分の店に近い行を見てみてください。

業態特に気をつけたい所理由の例
飲食店人・物(衛生)ピークの人手と、食品の扱いが営業に直結する
スーパー・コンビニ物・お金品数が多く、発注やレジの回数も多い
アパレル・専門店お客様・人接客の質が売上につながりやすい

業態ごとの店長の仕事は飲食店の店長の仕事内容やスーパーの店長の仕事内容でも紹介しています。

手をつける順番の決め方

順番に迷った時は、「お客様やスタッフの安全に関わること」から始めるのがおすすめです。その次に、毎日の営業が止まりそうなこと、最後に売上を伸ばす工夫、と進めると無理がありません。

店舗運営で手をつける順番を、安全・毎日の営業・売上の工夫の順に示した図解
時期やること見る所
着任してすぐ店の決まりと、スタッフの名前と得意なことを知る人・情報
慣れてきたら診断表で一番困っている所を1つ選んで整える5つのうち1つ
その先整った所を続けながら、次の所に手をつける5つ全体

着任したばかりの方は、新任店長が最初の1か月でやることも合わせて読んでみてください。

まず整えたい1つ目:人(シフト・教育・声かけ)

先に結論

店舗運営の土台は人です。シフトが無理なく回り、新人が育つ形ができると、ほかの4つも整えやすくなります。

『人の問題が一番むずかしい』と感じる店長は多いですよね。ただ、人の困りごとの多くは、気持ちより仕組みで軽くできることがあります。

シフトは話し合って決める

厚生労働省の「シフト制」の留意事項では、使用者が一方的にシフトを決めるのは望ましくないとされています。例えば、シフト表を作る前にスタッフの意見を聞くことや、確定したシフトをいつ・どう知らせるかを話し合って決めておくことが挙げられています。

一度確定したシフトを変えるのは労働条件の変更に当たり、店とスタッフ双方の合意の上で行うとされています。細かい扱いは、会社の就業規則や労働基準監督署などに確かめておきましょう。

シフトを回しやすくする流れ
  1. 希望を出してもらう締め切りと方法を決めて伝える
  2. 希望を見ながら、忙しい時間に人が足りるように組む
  3. 確定したシフトを、決めた日までに全員に知らせる
  4. 変更が必要な時は、本人と話して合意を取る
  5. 回してみて困った所を、次のシフトづくりに活かす

シフトの組み方は店長のシフトの作り方でくわしく紹介しています。

新人が育つ形を作る

新人がすぐ辞めてしまう店では、「何を見て覚えればいいか分からない」という状態になっていることがあります。最初の数日に教えることを決めておくだけで、新人の不安はずいぶん軽くなりますよ。

新人の時期店長が用意すること声かけの例
初日店の案内と、最初に覚える仕事を1つだけ「今日はこれだけ覚えれば大丈夫です」
慣れてきたころ少し難しい仕事を、横について任せる「ここまでできたら、次はこれをお願いします」
ひとり立ちのころ任せる範囲と、困った時の聞き先「迷ったら、いつでも声をかけてください」

教え方の手順は店長の新人教育・人材育成にまとめています。

店長がいなくても回る形を目指す

店長がいないと決められないことが多いと、店長は休めなくなります。小さなことから、副店長やベテランのスタッフに任せてみてください。

任せる時の伝え方の例

「明日の朝の発注、今回は〇〇さんにお願いしたいです。迷ったら、この紙の順番で見てください。終わったら、どこで迷ったか教えてもらえると助かります」

スタッフとの会話を少しずつ増やす

忙しい店ほど、スタッフとの会話が業務連絡だけになりがちですよね。ただ、困りごとはふだんの会話の中から見えてくることも多いんです。

「最近、夕方のレジはどう?混んでる?」
「レジ袋の補充が間に合わない時があります」

こんなひと言から、物の困りごとが見つかることもあります。話しかけ方のコツは店長とスタッフのコミュニケーションも参考にしてみてください。

まず整えたい2つ目と3つ目:物とお金

先に結論

物とお金は、決まりを作って毎日同じように回すほど安定します。数字を「見る日」を決めて、変化に早く気づける形にしておきましょう。

物とお金は、店の調子が数字に表れやすい所です。『数字は苦手』という方も、見る所を絞れば怖くありませんよ。

物:在庫・売場・衛生

欠品や廃棄が続く時は、発注の決まりがあいまいになっていることがあります。誰が、いつ、何を見て発注するかを決めるだけでも、ばらつきが減ります。

開店前に売場を見て回り、物の状態をチェックする店長の手元の写真
物を整えるチェック
  • 発注する人と、発注する時間が決まっている
  • 売れ筋の商品が、欠品していないか毎日見ている
  • 売場の片づけと品出しの順番が決まっている
  • 食品を扱う店では、衛生管理の記録を毎日つけている

食品を扱うお店は、原則としてHACCPに沿った衛生管理に取り組むことになっています。毎日のチェックの作り方は店長の衛生管理で紹介しています。

売場は「見やすい・取りやすい・戻しやすい」で整える

売場が散らかりやすい時は、スタッフの頑張りが足りないのではなく、戻す場所が決まっていないことがあります。

整いやすい売場
  • 置き場所が決まっていて、誰でも戻せる
  • 在庫の置き場が決まっている
  • 案内を見直す日が決まっている
散らかりやすい売場
  • 商品の置き場所がその日の担当で変わる
  • 在庫が売場の下に押し込まれている
  • 値札や案内が古いまま残っている

お金:売上・人件費・現金

お金の面では、まず「売上」「人件費」「現金」の3つを押さえておくと安心です。どれも、毎日少しずつ見ておくと、大きなずれになる前に気づけます。

見るもの毎日見ること週に一度見ること
売上予算や前週の同じ曜日と比べてどうか曜日や時間帯ごとの動き
人件費予定より多く人が入っていないか忙しさとシフトが合っているか
現金レジ締めで過不足がないか過不足が出た日の共通点

売上の見方は店長の売上管理、人件費の考え方は店長の人件費管理、レジ締めの手順はレジ締めと現金管理で紹介しています。

数字を見るタイミングを決めておく

毎日見る数字は、レジ締めの後など時間を決めておくと続けやすくなります。週に一度の振り返りは、曜日を決めて副店長と一緒に見るのもおすすめです。

よくある失敗

売上が落ちた月に、まずシフトを大きく削ってしまう。人が足りなくなって接客や売場が乱れ、かえってお客様が離れることも。削る前に、どの時間帯に人が余っているかを確かめてみてください。

まず整えたい4つ目と5つ目:情報とお客様

先に結論

情報は「伝わる仕組み」、お客様は「同じ対応ができる決まり」を作ることが大事です。どちらも、店長ひとりの頑張りより、店全体で共有できる形にしておくと続きます。

『言ったはずなのに伝わっていない』という経験、ありますよね。それは、伝え方より伝わる仕組みが足りていないのかもしれません。

情報:連絡ノートと報告の型

本部からの連絡や、スタッフ同士の引き継ぎは、口頭だけだと抜けが出やすくなります。連絡ノートやチャットなど、店で見る場所を1つに決めておきましょう。

情報を整えるチェック
  • 本部からの連絡を、全員が見られる場所に残している
  • シフトの交代時に、伝えることが決まっている
  • 店長から本部への報告の型が決まっている
  • 店のルールが、マニュアルとしてまとまっている

本部への報告の書き方は店長の報告・日報の書き方、ルールのまとめ方は店舗マニュアルの作り方で紹介しています。

本部の方針を、店の言葉に置きかえる

本部からの方針は、そのまま伝えるとスタッフに届きにくいこともありますよね。『また上から何か来た』と受け取られてしまうと、もったいないです。

伝える時は、「自分たちの店では何をするか」に言いかえてみてください。

本部からの方針の例店の言葉に置きかえた例
接客の質を高める「入店時のあいさつは、顔を見て言うようにしましょう」
廃棄を減らす「夕方の品出しは、売場の残りを見てから量を決めましょう」
残業を減らす「閉店作業の順番を決めて、みんなで同じ流れでやりましょう」

お客様:接客の基本とクレームの流れ

お客様との関わりで大事なのは、誰が対応しても同じ気持ちよさを届けられることです。あいさつや声かけの基本を、店で言葉にしておきましょう。

場面店で決めておく言葉の例
入店した時「いらっしゃいませ、こんにちは」
お待たせした時「お待たせして申し訳ありません」
ご指摘を受けた時「ご不便をおかけして申し訳ありません。すぐに確認いたします」
帰る時「ありがとうございました、またお待ちしています」

ご指摘を受けた時の流れも決めておくと、スタッフが安心して対応できます。例えば、こんなやり取りです。

「注文したものがまだ来ないんですが」
「お待たせして申し訳ありません。すぐに確認してまいります」

対応に迷う時は、ひとりで抱えずに店長や責任者を呼ぶ決まりにしておくと安心ですよ。クレーム対応の流れは店長のクレーム対応で詳しく紹介しています。

お客様の声を店で共有する

お客様からのご指摘やうれしい言葉は、店をよくするヒントになります。聞いた人だけが知っている状態にせず、店全体で共有しておきましょう。

お客様の声を活かす流れ
  1. 聞いた声を、その日のうちに連絡ノートに書く
  2. 週に一度、店長が目を通して似た声をまとめる
  3. 直せることを1つ決めて、スタッフに伝える
  4. うれしい声は、対応したスタッフに直接伝える

うれしい声を伝える時は、「〇〇さんの案内が分かりやすかったって、お客様が言ってくれていましたよ」のように具体的に伝えると、スタッフの励みになりますよ。

店舗運営のよくある相談

ここでは、店舗運営と店長にまつわる相談でよく見かけるものを、3つ選んで答えます。

相談1:上長から「どんな店にしたいか考えなさい」と言われた

来月から店長を任される方の相談です。急に聞かれると、何から考えればいいか迷いますよね。

おすすめは、診断表の5つに沿って「今の店」と「こうなっていたらうれしい店」を並べて書いてみることです。例えば「人:新人が安心して働ける店」「お客様:また来たいと思ってもらえる店」のように、1つずつ言葉にしていくと、上長にも伝えやすくなります。

相談2:アルバイトの休み希望と、店の運営のどちらを優先すべき?

小売店の店長からの、よくある悩みです。どちらも大事なので、決めきれないですよね。

まずは、休み希望を出す締め切りとルールを決めて、全員に伝えておきましょう。そのうえで、忙しい日に人が足りない時は、ほかのスタッフに相談したり、本部に応援を頼んだりする方法もあります。どちらか一方を我慢させるより、早めに話し合える形を作る方が、長く続けられますよ。

相談3:新人を指導する責任は店長だけにあるの?

店長、社員、新人がいる店で、指導は店長だけの仕事なのかという相談です。

店の運営を任されているのは店長ですが、実際の指導は、社員やベテランのスタッフと分け合っている店もあります。誰が何を教えるかを決めておくと、新人も「この人に聞けばいい」と分かって安心できます。

店を整えた経験は、次の場所でも活きる

5つの視点で店を整えてきた経験は、店長として大きな力になります。その力を飲食業界の別の店で活かしてみたくなった時は、飲食業界に特化した人材紹介のRestLabに話を聞いてみるのも1つの方法です。

もちろん、今の会社で異動を相談したり、社内で次の役割を目指したりするのも立派な選択です。

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よくある質問

店舗運営で店長がまず意識することは何ですか?

店の状態を「人・物・お金・情報・お客様」の5つに分けて、一番困っている所から手をつけることです。全部を一度に整えようとせず、1つずつ進めると続けやすくなります。

店舗運営がうまくいかない時は、どこを見直せばいいですか?

まずは人の面、特にシフトと新人の教え方を見直してみてください。人が安定すると、売場や接客も整えやすくなります。

店長がいなくても回る店にするにはどうすればいいですか?

発注やレジ締めなど、毎日の仕事の手順を紙にまとめ、副店長やベテランのスタッフに少しずつ任せていくのがおすすめです。任せた後に、迷った所を聞いて手順を直していきましょう。

店舗運営スタッフの求人は、店長候補という意味ですか?

会社によって意味が違います。店長候補として募集している場合もあれば、売場やレジなどの運営を担うスタッフの場合もあるので、求人票の仕事内容や面接で確かめておくと安心です。

店舗運営のルールは店長が決めていいのですか?

会社の決まりの範囲で、店ごとに決めてよいこともあります。ただ、お金や労働時間、衛生に関わることは会社のルールが優先されるので、迷った時は本部に確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 店舗運営は、店が毎日きちんと開き、お客様に商品やサービスを届けられる状態を保つこと
  • 店の状態は人・物・お金・情報・お客様の5つに分けて見る
  • 手をつける順番は、安全、毎日の営業、売上の工夫の順が目安
  • 人はシフトの話し合いと新人の教え方から整える
  • 物とお金、情報とお客様は、決まりを作って店全体で共有する
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

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