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居酒屋の店長を任されて、『夜は忙しいし、締めは遅いし、毎日バタバタのまま終わってしまう…』と感じていませんか。お酒の席ならではの対応もあって、ほかの飲食店とは違う大変さがありますよね。
結論から言うと、居酒屋の店長の仕事は「仕込み」「開店」「ピーク」「締め」の4つに分けて段取りを決めておくと、夜の営業がぐっと回しやすくなります。
この記事を読むと、居酒屋の店長がいつ何をすればいいかと、夜の営業を無理なく続ける働き方のヒントが分かります。
居酒屋の店長の仕事とは?ほかの飲食店との違い
居酒屋の店長は、料理とお酒の両方を出しながら、夜の時間帯にお店をまとめる責任者です。仕事の柱はほかの飲食店と同じですが、「夜」「お酒」「団体」の3つがある分、段取りと声かけがより大事になるんです。
厚生労働省の職業分類では、居酒屋店長は「飲食店店長」の例として挙がっています。主に接客の仕事をする店長がここに入り、自分で調理をする店長は料理の種類ごとの調理の職業に分けられます。
つまり、居酒屋の店長にも「ホールに立つ店長」と「厨房に立つ店長」がいるということです。どちらの場合も、お店全体を見るのが店長の役目なのは変わりません。
『居酒屋の店長って、ほかの飲食店の店長と何が違うの?』と気になる方もいますよね。大きな違いは、営業の山が夜に集まることと、お酒を飲むお客様への対応があることです。
| 比べること | 居酒屋の店長 | 昼が中心の飲食店の店長 |
|---|---|---|
| 営業の山 | 夜のピークが長く続く | ランチの短い時間に集中する |
| よくある注文 | 少しずつ何度も追加される | 1回でまとめて注文されることが多い |
| 気を配る場面 | 団体や宴会、酔ったお客様 | 回転の速さ、待ち時間 |
| 仕事の終わり | 閉店後の締めと片付けで遅くなりやすい | 夕方以降に事務作業ができることが多い |
| スタッフ | 学生アルバイトが多く、深夜のルールに注意 | 主婦・主夫のパートなど昼の人が中心のことも |
飲食店の店長に共通する仕事は飲食店の店長の仕事内容で紹介しています。この記事では、居酒屋ならではの部分に絞って見ていきますね。
居酒屋の店長の1日を4つに分けよう:仕込み・開店・ピーク・締め
居酒屋の店長の1日は、仕込み、開店、ピーク、締めの4つに分けられます。それぞれで「店長がやること」と「任せること」を決めておくと、店長が全部を抱え込まずに済みますよ。
居酒屋は営業時間が長いので、なんとなく動いていると1日があっという間に過ぎてしまいます。だからこそ、区切りごとにやることを決めておくのが大切なんです。

4つの時間帯の段取り表
| 時間帯 | 店長がやること | スタッフに任せやすいこと | 見落としがちなこと |
|---|---|---|---|
| 仕込み | 予約と団体の確認、仕込み量の判断、食材の状態チェック | 野菜の下ごしらえ、おしぼりやグラスの準備 | 宴会コースの品数と人数の突き合わせ |
| 開店 | 開店前ミーティング、ポジションの割り振り、おすすめの共有 | 席のセット、トイレや入口の清掃 | 休憩の順番を先に決めておくこと |
| ピーク | 全体の目配り、提供の順番の調整、お客様の様子を見る | ドリンク作り、料理の提供、片付け | 学生アルバイトの退勤時間 |
| 締め | レジ締め、売上と人件費の確認、翌日の発注と申し送り | 洗い場、厨房と客席の清掃 | 火の元と戸締まりの最終確認 |
表で見ると、店長がやることは「判断」と「確認」が中心だと分かりますよね。手を動かす作業は、できるだけスタッフに任せられる形にしておくのがコツです。
仕込みの時間にやっておきたいこと
仕込みの時間は、その日の営業の出来を大きく左右します。特に宴会の予約がある日は、仕込みの段階で段取りが決まると言ってもいいくらいなんです。
- 今日の予約の人数と時間、宴会コースの内容を確認する
- 仕込み量が予約と天気、曜日に合っているかを見る
- 冷蔵庫の温度と食材の状態を確かめる
- 衛生管理の記録をつける
- 今日のおすすめと品切れを決めておく
衛生管理の記録は、飲食店では「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」として求められています。毎日の流れに組み込んでおけば、忙しい日でも抜けにくくなりますよ。
開店前のミーティングで伝えること
開店前の短いミーティングは、夜の営業をそろえるための大事な時間です。長く話す必要はなく、3つくらいに絞って伝えると頭に残ります。
「今日は〇時から団体の宴会が入っています。始まる前にドリンクの準備をそろえておこう」
「今日のおすすめは刺身の盛り合わせです。最初のドリンクの時にひと言すすめてね」
「〇〇さんは〇時で上がりなので、その少し前に洗い場を△△さんに代わってもらいます」
最後の「上がりの時間」を全員の前で言っておくのが、実はとても大事なんです。理由は、次の「働き方のルール」の章で詳しくお伝えします。
締めの時間を短くする工夫
『締めが終わるのがいつも遅くて、帰るのが深夜になる…』という店長さんも多いはずです。締めの作業は、ピークが落ち着いた時から少しずつ始めるのがポイントです。
- ラストオーダーの前から、使わない調理器具の洗い物を始める
- 客席が空いた順に、テーブルと床の清掃を進めておく
- レジ締めと売上の確認は、毎日同じ順番でやる
- 翌日の発注と申し送りは、メモの型を決めて短く書く

締めの段取りを決めておくと、店長がいない日でもスタッフだけで同じように片付けられるようになります。仕組みに残すことが、店長自身の時間を守ることにもつながりますよ。
夜の営業を回すコツ:お酒の席ならではの場面
居酒屋では、団体の宴会や、お酒が進んだお客様への対応など、昼のお店にはない場面があります。困った時にスタッフが一人で抱えないよう、店長が呼べる仕組みを作っておくことが大切です。
お酒を楽しみに来たお客様に気持ちよく過ごしてもらうのが、居酒屋の一番の役目ですよね。ただ、お酒が入ると声が大きくなったり、注文が重なったりと、工夫が要る場面も増えます。
よくある場面と、店長のひと言
例えばこんな場面です。宴会の途中でドリンクの注文が一度に重なり、アルバイトが「ちょっとお待ちください」とだけ答えて走り回っている。
こういう時は、店長が状況を言葉にして、スタッフとお客様の両方に伝えるのが効果的です。
| 場面 | お客様へのひと言 | スタッフへのひと言 |
|---|---|---|
| 宴会のドリンクが重なった | 「ただいま順番にお作りしています。先に人数分のお水をお持ちしますね」 | 「ドリンクは私が作るから、運ぶのをお願い」 |
| 声が大きくなってきた | 「ほかのお客様もいらっしゃるので、少しだけお声を落としていただけると助かります」 | 「次から声をかける時は私に言ってね。一緒に行くよ」 |
| 料理の提供が遅れている | 「お待たせしてすみません。あと少しでお持ちします」 | 「〇番テーブルを先に出せるかな」 |
| ラストオーダーの案内 | 「そろそろラストオーダーのお時間です。追加はいかがですか」 | 「ラストオーダーの後は、空いた席から片付けを進めよう」 |
ポイントは、お客様を責める言い方をしないことです。「お願い」の形で伝えると、多くのお客様は気持ちよく応じてくれます。
スタッフを守るために決めておくこと
ほとんどのお客様はお酒を楽しく飲んでくださいます。それでも、まれに言動が行き過ぎてしまう場面があるのも事実です。
労働施策総合推進法の改正で、令和8年10月1日から、カスタマーハラスメントについて事業主が雇用管理上必要な措置を取ることが義務になりました。厚生労働省のマニュアルでは、対処の例として「管理監督者に指示を仰ぐ」「可能な限り一人で対応させない」「犯罪に該当し得る言動は警察へ通報」「本社・本部へ情報共有」などが挙げられています。
一方で、同じマニュアルでは、お客様からの意見や苦情は本来、商品やサービスの改善につながる大事な情報で、一律に問題視すべきものではない、ともされています。まずは丁寧に聞き、それでも行き過ぎた時に店長が前に出る、という順番で考えておくと安心です。
困った場面で、アルバイトに「うまくやっておいて」と任せきりにしてしまうこと。スタッフが一人で抱えると、お店を辞めるきっかけにもなりかねません。「困ったらすぐ店長を呼ぶ」と最初に伝えておきましょう。
具体的な対応の流れはカスハラから店とスタッフを守るにはで紹介しています。
居酒屋の店長の働き方と、スタッフの時間のルール
居酒屋は営業が夜遅くまで続くので、スタッフの退勤時間や休憩、店長自身の働く時間が長くなりがちです。法律のルールを知っておくと、シフトを組む時に迷いにくくなりますよ。
『夜のお店だから、多少遅くなるのは仕方ない』と思っていませんか。実は、夜の時間帯には、昼にはないルールがいくつもあるんです。
18歳未満のスタッフは午後10時までに
労働基準法では、満18歳に満たない人を午後10時から午前5時までの間に働かせてはいけないとされています。高校生のアルバイトがいる居酒屋では、ここが一番気をつけたいポイントです。
開店前のミーティングで上がりの時間を全員の前で言っておくと、ピーク中でも「〇〇さん、そろそろ時間だよ」と周りが声をかけやすくなります。高校生を雇う時の注意点は高校生アルバイトを雇う時の注意点で紹介しています。
休憩と深夜の割増
労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えることになっています。休憩中に電話や来客の対応を頼んでいる場合は、休憩ではなく労働時間と扱われます。
また、午後10時から午前5時の深夜の時間帯に働いた分には、深夜の割増賃金が必要です。割増賃金は、パートやアルバイトを含むすべての働く人に当てはまります。
- 18歳未満のスタッフが午後10時を過ぎて働く予定になっていないか
- 6時間を超える人に休憩の時間が入っているか
- 休憩中に電話番などを頼んでいないか
- 締めの作業の時間も働いた時間として記録しているか
- 店長自身の働く時間も記録に残っているか

アルバイトの時間と休憩のルールはアルバイトの労働時間と休憩のルールで詳しく紹介しています。
店長自身の働く時間も記録に残す
店長が管理監督者に当たる場合、労働時間や休日の決まりの一部は当てはまりません。それでも、深夜の割増や年次有給休暇は当てはまり、働いた時間の状況を会社が把握することも求められています。
管理監督者に当たるかどうかは、肩書きだけで決まるものではありません。最終的な判断は、会社の就業規則や労働基準監督署に確認してみてください。考え方は店長は管理職?で紹介しています。
| 店長が気になること | 確かめる先 |
|---|---|
| 自分に残業代がつくか | 就業規則、雇用契約書、人事の担当者 |
| 休みが取れない | 上司や本部、エリアの担当者 |
| ルールが分からない | 労働基準監督署、総合労働相談コーナー |
働き方を見直したくなった時は
居酒屋の店長を続けるうちに、『夜の働き方を少し変えたい』『昼の営業が中心のお店も気になる』と思う時もありますよね。そう感じるのは、自分の働き方を大切に考えている証拠です。
まずは今の会社で、ほかのお店への異動や働き方の変更を相談してみるのも1つの方法です。そのうえで外の話も聞いてみたい時は、飲食店に特化した人材紹介のRestLabのような相談先もあります。飲食業界にくわしいキャリアアドバイザーが間に入り、面接日時の調整や条件の交渉などを行うと案内されています。
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居酒屋の店長によくある相談
Yahoo!知恵袋にも、居酒屋の店長についての相談が寄せられています。閲覧の多いものから3つを選び、要点をまとめてお答えしますね。
結婚して家族が増えた時に、居酒屋の店長の収入で生活していけるか心配、という相談です。
気になるところですが、国の賃金構造基本統計調査には、店長だけを取り出した値がありません。居酒屋の店長も、主にしている仕事によって接客や調理、管理の職業に分かれて集計されています。
そのため、居酒屋の店長の平均年収を統計から言い切ることはできないんです。気になる会社があるなら、求人票で基本給と手当の内訳、賞与や昇給の決まり方を確かめてみてください。収入の考え方は店長の年収・給料はどう決まる?で紹介しています。
アルバイトとして働いていたところ、思いがけず店長を任されることになり、何から始めればいいか不安、という相談です。
急に任されると、驚きと不安が一度に来ますよね。ただ、任されたということは、これまでの働きぶりが信頼されている証拠でもあります。
まずは、店長になった場合の働く時間、給料、責任の範囲を、オーナーや上司に聞いておきましょう。そのうえで、この記事の4つの時間帯の表を参考に、自分が担う仕事と任せる仕事を分けてみてください。アルバイトのまま店長を任される時に確かめることはバイト店長・アルバイト店長とは?で紹介しています。
知り合いが都内の居酒屋で店長をしていて、チェーン店の店長は出世コースなのかを知りたい、という相談です。
居酒屋チェーンの店長が、そのまま「エリートコース」と言えるかどうかは、会社の制度によって違います。ただ、店長はお店1つを任される立場なので、その経験は次の役割につながりやすいものです。
飲食業界の求人には、店長の次の段階として、スーパーバイザー(SV)やエリアマネージャー、本部職といった職種の区分があります。どの道に進めるかは会社によって違うので、社内の評価や異動の仕組みを確かめてみるといいですよ。
居酒屋の店長に向いている人と、その先のキャリア
居酒屋の店長に必要な力は、働きながら少しずつ身についていくものです。向いているかどうかで悩むより、自分がどの場面で力を出せるかに目を向けてみてください。
『自分は居酒屋の店長に向いているのかな』と迷う方もいますよね。居酒屋の店長に求められやすい力を、場面ごとに並べてみました。
- にぎやかな場の空気を読める
- 一度にいくつものことに目を配れる
- 学生アルバイトと気軽に話せる
- 夜の営業の生活リズムに合わせられる
- 静かな環境で1つの作業に集中したい
- 夜遅い時間の働き方が合わない
- 何でも自分でやらないと気が済まない
- 予定どおりに仕事を終えたい
右側に当てはまっても、居酒屋の店長が務まらないわけではありません。例えば「何でも自分でやりたい」タイプなら、仕事を任せる練習をするだけで、働き方がぐっと楽になることもあります。
居酒屋の店長の経験が活きる道
居酒屋で身につけた、にぎやかな現場をまとめる力や、宴会の段取りを組む力は、ほかの飲食店でも活きるものです。夜の営業から昼のお店に移る人もいれば、同じ居酒屋業界で複数の店を見る立場を目指す人もいます。
店長の経験をどう伝えるかは、ほかの店でも働く時の大事な準備です。飲食業界で働き続ける選択肢は飲食店長の転職でまとめています。
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お酒の知識をもっと活かしたい方は、バーの店長の仕事も読んでみてください。
よくある質問
居酒屋の店長の仕事で、一番大変なのはどこですか?
お店によりますが、夜のピークが長く続くことと、締めの作業で帰りが遅くなりやすいことは、居酒屋ならではの大変さです。締めの段取りをピークの後半から始めておくと、負担を減らしやすくなります。
居酒屋の店長になるには、お酒の資格が要りますか?
店長になるための資格はありません。飲食店では食品衛生責任者を定めることになっているので、店長がその役を担うことはよくあります。お酒の知識は、働きながら身につけていく人がほとんどです。
高校生のアルバイトは何時まで働けますか?
労働基準法では、満18歳に満たない人を午後10時から午前5時までの間に働かせてはいけないとされています。シフトを組む時は、締めの作業も含めて午後10時までに上がれるようにしておきましょう。
酔ったお客様への対応で困った時はどうすればいいですか?
まずは丁寧に、お願いの形で伝えます。それでも言動が行き過ぎている時は、スタッフを一人で対応させず、店長が前に出て対応しましょう。会社の方針や本部への報告の流れも事前に確かめておくと安心です。
居酒屋の店長は休みが取れますか?
お店の人手や会社の制度によって違います。法律では、少なくとも毎週1日か4週間で4日以上の休日を与えることになっています。休みが取りにくい時は、仕事の任せ方とシフトを見直し、上司や本部に相談してみてください。
まとめ
- 居酒屋の店長の1日は「仕込み」「開店」「ピーク」「締め」の4つに分けると段取りが見える
- 店長は判断と確認に集中し、手を動かす作業はスタッフに任せられる形にする
- お酒の席では先回りの声かけと、困った時にスタッフを一人にしない仕組みが大切
- 18歳未満のスタッフは午後10時までに上がる、休憩と深夜の割増のルールを守る
- 年収は国の統計に店長だけの値が無いので、求人票と会社の制度で確かめる
- 働き方に迷った時は、社内の相談と外の相談先の両方を選択肢に入れる





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