高校生アルバイトを雇う店長の注意点|時間・仕事・保護者への配慮

高校生アルバイトを雇う時に店長が気をつけることを紹介する記事のアイキャッチ。夕方のバックヤードの時計とシフト表

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高校生アルバイトの面接が決まって、『夜は何時まで入ってもらえるんだっけ』と手が止まっていませんか。大人のスタッフと同じ感覚でシフトを組むと、思わぬところでルールを越えてしまうことがあります。

結論から言うと、高校生アルバイトを迎える店長がまず押さえたいのは「残業・休日出勤・夜10時以降はさせない」「年齢を証明する書面をそろえる」の2つです。

この記事を読めば、18歳未満のスタッフについて店長が確かめることを、時間・仕事・書類の3つに分けて確認できます。

目次

高校生アルバイトを雇う前に店長が知っておきたい基本

先に結論

労働基準法では、18歳未満の人を「年少者」として特別なルールで守っています。時間外労働や休日労働、午後10時から午前5時の深夜業は、原則としてさせられません。

『高校生も大人も、同じアルバイトでしょ?』と思うかもしれませんね。実は、18歳未満かどうかで、使えるシフトの形がかなり変わるんです。

ルール18歳以上のスタッフ18歳未満のスタッフ
残業(時間外労働)36協定があればできる原則できない
法定休日の出勤36協定があればできる原則できない
午後10時から午前5時割増賃金を払えばできる原則できない
年齢の証明特になし戸籍証明書等を店に備え付ける
重い物を扱う仕事など通常どおり制限がある

なお、労働基準法では、15歳になった日以後の最初の3月31日が終わるまでは原則として働かせられないとされています。高校生なら、この点はすでにクリアしていることがほとんどです。

ここで1つ大事なことがあります。厚生労働省の点検表では、高校生への調査の結果が紹介されています。労働条件がきちんと示されていない、休憩が取れていない、禁止されている深夜や休日の仕事をさせられている、といった声が見られたそうです。

悪気がなくても起きやすいからこそ、店長が先に仕組みで防いでおきたいところです。

「時間」「仕事の内容」「書類」の3つで確かめるチェックリスト

3つに分けると抜けが減る

年少者のルールは数が多く見えますが、「何時まで・何時間働くか」「どんな仕事を任せるか」「どんな書類をそろえるか」の3つに分けると分かりやすくなります。

『結局、何をチェックすればいいの?』という方のために、店長が確かめることを3つのまとまりにしました。採用の前後に、このリストを順に見てみてください。

高校生アルバイトを雇う時に店長が確かめることを、時間・仕事の内容・書類の3つに分けたチェックリストの図解
時間で確かめること
  • 1日8時間・週40時間を超えるシフトになっていない
  • 残業や法定休日の出勤を頼んでいない
  • 午後10時より前に上がれるシフトになっている
  • 6時間を超える日は45分以上の休憩を入れている
  • 準備や片付けの時間も労働時間として数えている
仕事の内容で確かめること
  • 重い物を運ぶ仕事を任せきりにしていない
  • 危ない機械や刃物の扱いは、会社の決まりと照らして確かめている
  • 1人で店を任せる時間帯がない
書類で確かめること
  • 年齢を証明する書面(戸籍証明書等)を店に備え付けた
  • 労働条件を書面で渡した
  • 保護者の連絡先と、会社の決まりにある書類をそろえた

働ける時間:残業・休日出勤・夜10時以降に気をつける

「夜10時まで」ではなく「夜10時より前に上がる」

午後10時から午前5時は深夜業として原則禁止です。片付けや着替えで10時を過ぎないよう、上がりの時間には余裕を持たせておきましょう。

一番うっかりしやすいのが、閉店作業です。ピークが長引いた日に『あと10分だけ手伝って』と頼みたくなること、ありますよね。

ただ、その10分が午後10時を越えたり、その日の8時間を超えたりすると、ルールを越えてしまいます。高校生には延長を頼まない、と店のルールにしておくと迷いません。

シフトを組む時に気をつけたいこと

場面起きやすいこと店長の工夫
夜のピーク閉店作業で上がりが遅れる上がる時間を早めに決め、片付けは大人のスタッフに引き継ぐ
休みの日の朝開店準備の時間を数えていない準備の時間からタイムカードを押してもらう
長期休み長い時間のシフトが続く1日8時間・週40時間に収まっているかを週ごとに確かめる
人手が足りない日急に残業を頼みたくなる高校生以外のスタッフに先に相談する

ちなみに、従業員が10人未満の商業・サービス業などで認められている週44時間の特例は、18歳未満には当てはまらないとされています。小さな店でも、高校生は週40時間で考えておきましょう。

休憩の取り方も確かめておく

休憩は、働く時間が6時間を超える日は45分以上、8時間を超える日は1時間以上を、勤務の途中に入れる決まりです。高校生も大人と同じです。

『休憩中だけど、レジに呼ばれたら出てもらう』という使い方をしていませんか。休憩中に電話や来客の対応を指示している場合は、休憩ではなく労働時間とみなされます。

休憩に入る時は「この時間は呼ばないから、ゆっくり休んでね」と声をかけ、ほかのスタッフで回せる時間帯に入れてあげましょう。

時間の決まりの例外

15歳になった後の最初の3月31日を過ぎた18歳未満の人は、週40時間の範囲で、ある日を4時間以内に短くすれば、ほかの日を10時間まで延ばせるという例外があります。使う場合は、会社の労務担当に確かめてから組むようにしましょう。

労働時間と休憩の基本はアルバイトの労働時間と休憩のルール、シフトの組み方は店長のシフトの作り方でも紹介しています。

任せる仕事と、採用の時に確かめること

仕事は「1人で抱えない」「重い・危ないは大人と一緒に」

18歳未満の人には、重い物を扱う業務や、福祉に有害な業務などに就かせられない決まりがあります。細かい範囲は年少者労働基準規則で決まっているので、迷う仕事は本部や労働基準監督署に確かめましょう。

店の仕事で気をつけたいのは、重い荷物の運搬や、刃物・熱い機器を使う作業です。どこまで任せてよいかは仕事ごとに違うので、店長だけで決めず会社の決まりを確かめておくと安心です。

例えばこんな分け方なら、高校生も安心して働けます。

任せやすい仕事大人と一緒に、または会社の決まりを確かめる仕事
レジ・接客・品出しの軽いもの重い荷物の運搬・納品の積み下ろし
席への案内・ドリンク作り刃物や熱い機器を使う調理
清掃・備品の補充閉店後の締め作業・1人での店番

面接から初日までに確かめること

高校生アルバイトの面接から初日までに、店長が確かめることを順番に示した図解
採用の流れで確かめること
  1. 面接で、学年と生年月日、入れる曜日と時間を聞く
  2. 採用が決まったら、年齢を証明する書面(戸籍証明書等)を出してもらう
  3. 時給・勤務時間・休日などを書いた労働条件の書面を渡す
  4. 保護者の連絡先と、会社で決まっている書類をそろえる
  5. 初日に、上がりの時間と休憩の取り方を一緒に確かめる

労働条件は、始業・終業の時刻や休日などを書面で示すことになっています。高校生は初めてのアルバイトということも多いので、書面を渡す時に口でもひと通り説明してあげましょう。

採用全体の進め方は店長のアルバイト採用、面接で聞いてよいことはアルバイト面接で店長が聞く質問例も参考にしてみてください。

学業や保護者への配慮:テスト期間と連絡の取り方

学業との両立を応援する店は、長く続けてもらえる

厚生労働省の点検表には、試験の準備期間や試験期間に、本人の希望に反してシフトを入れていないかという項目があります。テスト期間の希望は、早めに聞いておきましょう。

『テスト前に一気に抜けられると困る』というのも、店長の正直な気持ちですよね。でも、先に分かっていれば、ほかのスタッフで埋める準備ができます。

高校生スタッフへの声かけの例

場面声かけの例
シフト希望を聞く時「テストの日程が分かったら、早めに教えてね。その期間は無理に入らなくて大丈夫」
上がりの時間が近い時「〇〇さん、そろそろ上がりの時間だよ。片付けはこっちでやっておくね」
初めての仕事を頼む時「分からないところは、そのままにしないで聞いてね」
忙しい日が終わった時「今日はピークが長かったね。最後まで手伝ってくれてありがとう」

保護者とのつながり方

未成年のアルバイトでも、労働契約は本人が結ぶもので、親が代わりに結ぶことはできないとされています。また、賃金も本人が受け取ることができます。

そのうえで、保護者の連絡先を聞いておくと、急いで連絡を取りたい時や災害の時に安心です。保護者の同意書などの書類をどうするかは、会社の決まりに合わせましょう。

よくある失敗

一度確定したシフトを、店の都合で一方的に変えてしまうことがあります。シフトの変更は本人の同意が前提です。高校生は言い出しにくいことも多いので、店長から「大丈夫?」と聞いてあげてください。

高校生が多い店では、店長が教えることも気を配ることも増えますよね。

若いスタッフを育てた経験は、どの店でも活きる力です。飲食業界で次の働き方を考えたくなった時は、相談先を知っておくのも1つの方法です。

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よくある相談:高校生アルバイトと店長

相談の多くは「伝え方」で防げる

高校生アルバイトにまつわる相談は、シフトの入り方と辞める時の話が中心です。ルールを知ったうえで、言い方を少し工夫するだけで、ぐっと話しやすくなります。

高校生アルバイトについて、よく見かける相談を店長の側から考えてみます。

「シフトをもっと入れてほしい」と言われた

始めたばかりの高校生から、シフトが少ないと相談されることがあります。店長としては、まず慣れてもらおうと少なめにしていることも多いですよね。

そんな時は、「最初は覚えることが多いから少なめにしているよ。慣れてきたら増やしていこうね」と理由を伝えるだけで、不安はかなり減ります。

テスト期間に休みたいと言われて、返事を後回しにしてしまった

LINEで休みの相談を受けたのに、忙しくて返事が遅れることもあります。本人は『怒っているのかな』と気にしているかもしれません。

すぐに決められない時でも、「見ました。明日までに返事しますね」と一言だけ返しておきましょう。

それだけで、本人は安心して待てます。

引っ越しで辞めたいと言われた

高校生でも、家庭の事情で辞めることになる場面はあります。人手が足りないと、つい引き止めたくなりますよね。

ただ、厚生労働省の点検表には、アルバイトが退職を申し出ているのに人手不足などを理由に働き続けることを強いていないか、という項目があります。最終日と引き継ぎを一緒に決める流れは、スタッフに辞めると言われた時の店長の対応で紹介しています。

よくある質問

高校生アルバイトは何時まで働けますか?

18歳未満の人は、午後10時から午前5時までの深夜業が原則として禁止されています。片付けや着替えも含めて、午後10時より前に上がれるシフトにしておきましょう。

高校生に残業をお願いしてもいいですか?

18歳未満の人には、時間外労働や休日労働は原則させられません。1日8時間・週40時間の中に収まるようにシフトを組みます。

高校生を雇う時に必要な書類は何ですか?

年齢を証明する書面(戸籍証明書等)を店に備え付けることになっています。あわせて、始業・終業の時刻や休日などを書いた労働条件の書面を渡します。

保護者の同意書は必要ですか?

労働契約は本人が結ぶもので、親が代わりに結ぶことはできないとされています。同意書をもらうかどうかは会社の決まりがあることが多いので、本部に確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 18歳未満は残業・法定休日の出勤・午後10時から午前5時の仕事が原則できない
  • 1日8時間・週40時間に収め、準備や片付けの時間も労働時間に数える
  • 重い物や危ない作業は大人と一緒に、迷う時は会社の決まりを確かめる
  • 年齢を証明する書面を備え付け、労働条件は書面で渡す
  • テスト期間の希望は早めに聞き、シフトの変更は本人の同意を取る
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

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