店長のキャリアパス|店長の次に目指せる道と準備

店長のキャリアパスと次に目指せる道を紹介する記事のアイキャッチ。バックヤードの事務机とノート

当サイトの記事は編集部が公的機関の情報や辞書、公表されている統計などの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に転職支援サービスへの案内(広告)を含みます。

店長として毎日お店を回していると、ふと『この先、自分はどうなっていくんだろう』と考えることがありますよね。店長の次に何があるのか、はっきり見えないまま働いている方も多いはずです。

結論から言うと、店長のキャリアは「社内で上へ」「社内で横へ」「社外へ」「独立」の4つの方向に分けて考えると見通しが立ちます。どれが正解ということはなく、自分の暮らしとやりたいことに合う道を選べばいいんです。

この記事を読めば、店長の次に目指せる道と、それぞれに必要な経験、今からできる準備が分かります。

目次

店長のキャリアパスは4つの方向に分けられる

先に結論

店長の次の道は、同じ会社で役職を上げる「上へ」、同じ会社で別の仕事に移る「横へ」、別の会社で働く「社外へ」、自分の店を持つ「独立」の4つです。方向ごとに求められる経験が違うので、今の仕事の中で何を積むかが変わります。

店長の仕事は、売上・人・お店全体をまとめる幅の広い仕事です。だからこそ、次の道もいろいろな方向に開けているんですね。

4つの方向と、それぞれで役に立ちやすい経験を表にしてみました。

店長のキャリアを、社内で上へ・社内で横へ・社外へ・独立の4つの方向に分けて、必要な経験を比べた図解
方向主な道の例役に立ちやすい経験向いている人
社内で上へ統括店長、エリアマネージャー、スーパーバイザー(SV)複数の店の数字を比べる力、店長を育てる経験店づくりの仕組みを広げたい人
社内で横へ本部の人事・教育、業態やメニューの開発、営業管理採用や新人教育、売場や商品の工夫現場の知恵を会社全体に活かしたい人
社外へ同じ業界の別の会社の店長、別の業界の仕事人をまとめた経験、数字の管理、お客様対応働き方や環境を変えたい人
独立自分の店を開く店の運営全体、お金の管理、届出の知識自分の考えで店をつくりたい人

国の職業情報サイトのjob tagでは、スーパー店長の仕事として、販売促進や従業員の編成、金銭管理、本部への報告などが挙げられています。どの方向に進むにしても、店長の仕事で身につけたこうした力が土台になります。

店長という仕事の全体像は店長とは?意味と役割、店長の仕事の全体像で紹介しています。

方向を決める前に考えておきたいこと

『どの道がいいのか、自分では決められない…』と迷う方もいますよね。そんな時は、次の3つを紙に書き出してみてください。

キャリアを考える時に書き出したいこと
  • 店長の仕事で、楽しいと感じる場面はどこか
  • 反対に、できれば手放したい仕事はどれか
  • 働く時間や場所で、譲れない条件は何か

例えば「スタッフが育つのがうれしい」なら、人の育成に関わる道が合いやすいかもしれません。「数字を見て作戦を立てるのが好き」なら、複数の店を見る役割も向いていそうです。

社内で目指せる道:上へ進む・横へ移る

社内の道は「今の経験をそのまま活かせる」のが強み

同じ会社の中なら、店のやり方や商品をよく知っていることがそのまま強みになります。上へ進むか横へ移るかは、会社にどんな役割があるかで変わるので、まずは社内の制度を確かめてみましょう。

同じ会社で働き続ける場合、店長の次の道は「上へ進む」か「横へ移る」かに分かれます。会社によって役職の名前や順番は違うので、ここではよくある形を紹介しますね。

上へ進む:統括店長・エリアマネージャー・SV

店長の次の段階としてよくあるのが、複数の店をまとめる役割です。統括店長、エリアマネージャー、スーパーバイザー(SV)などと呼ばれます。

国の職業分類では「フランチャイズチェーン・スーパーバイザー」という職業名があり、飲食店店長とは別の分類に置かれています。飲食業界の求人サイトにも「SV・エリアマネージャー(候補)」という職種区分があります。

役割よくある仕事店長時代に積んでおきたい経験
統括店長自分の店を持ちながら、近くの店もまとめる副店長や店長候補を育てた経験
エリアマネージャー地域の複数の店の数字と人をまとめる売上や人件費の数字を読み、改善した経験
スーパーバイザー複数の店を回り、店長に助言する店のルールやマニュアルを整えた経験

複数の店を見る役割では、自分で現場を動かすより、店長に動いてもらう場面が増えます。店長のうちから「自分がいなくても回る店」を目指しておくと、次の役割にもつながりますよ。

統括店長やエリアマネージャーの違いは統括店長・エリアマネージャーとは?で、SVの仕事はスーパーバイザー(SV)とは?店長からなるには・仕事内容で詳しく紹介しています。

横へ移る:本部職や別の業態へ

現場の経験を、会社全体の仕組みづくりに活かす道もあります。飲食業界の求人サイトには「本部職(人事、業態・メニュー開発等)」や「営業管理職、経営幹部」という区分もあります。

横への道の例店長の経験が活きる場面
人事・採用アルバイトの面接や、長く続く人の見分け方
教育・研修新人教育やマニュアルづくり
業態・メニューの開発お客様の反応を見て商品を工夫した経験
別の業態の店長店を立ち上げたり、立て直したりした経験

『現場から離れるのは少しさみしい』と感じる方もいるかもしれません。ただ、本部の仕事は現場の店長を支える仕事でもあります。現場を知っている人の声は、本部でとても頼りにされるんです。

上司に希望を伝える時の言い方の例

「今の店で新人教育の仕組みを整えてきたので、いずれは教育や研修の仕事にも関わってみたいと考えています。そのために今のうちから経験しておくとよいことはありますか」

社外へ進む:店長経験を活かして転職する

店長の経験は「人・数字・お客様」の3つで伝える

別の会社へ移る時は、店長として何を任され、どう工夫し、どうなったかを具体的に話せることが大切です。同じ業界の店長として移る道も、別の業界に移る道もあります。

働き方や環境を変えたい時は、社外へ進む道があります。同じ業界の別の会社で店長を続ける形もあれば、まったく違う仕事に移る形もありますね。

国の職業情報(job tag)では、スキルや知識を職業横断で数値化しています。その中には「傾聴力」「説明力」「他者との調整」「指導」などの項目があり、傾聴力は全ての職業群で平均値が最も高いとされています。

店長の仕事で毎日使っている、話を聞く・説明する・調整する・教えるといった力は、多くの職業に共通する力なんです。

店長の経験転職の面接での伝え方の例
スタッフの育成「新人が独り立ちするまでの教え方を手順にまとめ、店のスタッフ全員で使えるようにしました」
数字の管理「売上とシフトを見比べて、忙しい時間に人が足りるように組み直しました」
お客様対応「お客様のご意見を店の改善につなげる仕組みを作りました」

経験を活かせる仕事は店長経験を活かせる仕事で、転職の進め方は店長の転職|経験を活かせる仕事と転職を成功させる進め方で詳しく紹介しています。

同じ業界に残るか、別の業界に移るか

社外へ進む時に迷いやすいのが、同じ業界で店長を続けるか、別の業界へ移るかです。それぞれのよいところと気をつけたいところを並べてみました。

比べる点同じ業界で店長を続ける別の業界へ移る
経験の活かし方これまでの経験をそのまま活かしやすい店長の経験を、相手に伝わる言葉に置き換える工夫が要る
慣れるまで仕事の流れが分かっているので早い新しい知識を一から覚える時期がある
変えられること店の規模や働き方を変えて、条件を見直せる働く時間や休みの形を大きく変えられることがある

どちらを選ぶにしても、『何を変えたくて転職するのか』をはっきりさせておくと、求人を比べる時の軸がぶれません。

相談しながら進める方法

転職は、一人で求人を探すだけでなく、相談しながら進めることもできます。ハローワークは、仕事を探す人に国が無償でサービスを提供する機関です。

希望する仕事に必要なスキルを身につけたい時は、ハロートレーニング(公的職業訓練)もあります。受講料は無料で、テキスト代などは自己負担です。相談や申し込みはハローワークで受け付けています。

飲食業界の中で働き方を見直したい時は、業界に詳しい人に相談する方法もあります。RestLab(レストラボ)は飲食店に特化した人材紹介サービスで、飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーがマッチングを担当しています。

RestLab(PR)

飲食業界で次の職場を探すなら、業界特化の人材紹介に相談

RestLab(レストラボ)は、飲食店を運営する会社が手がける飲食店特化の人材紹介サービスです。飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーが、店長候補を含む幅広い職種の求人とのマッチングや、面接日時・条件の調整をサポートします。

無料RestLabの公式サイトを見る

サービスの内容・利用条件は公式サイトでご確認ください。

よくある失敗

今の仕事がつらい勢いだけで、次の仕事の中身を確かめずに決めてしまうケースです。働く時間や休み、任される仕事を比べてから決めると、次の職場でのギャップが小さくなります。

独立する:自分の店を持つ道

独立は「お店の運営」に「経営と手続き」が加わる

店長の経験は、店の運営そのものに直結します。ただ、独立するとお金の準備や届出など、雇われている時には会社が担っていたことも自分で行うことになります。

『いつか自分の店を持ちたい』と思って店長を続けている方もいますよね。店長として店を回した経験は、独立した時の大きな支えになります。

雇われている店長と、独立した店主の違い

独立すると、立場が「雇われている店長」から「店の持ち主」に変わります。店の利益も損失も自分のものになり、スタッフを雇う側にもなるんです。

比べる点雇われている店長独立した店主
店の持ち主会社やオーナー自分
お金の責任会社の方針の中で売上や経費を管理する開業資金から日々の支払いまで自分で担う
決められること会社のルールの範囲で店づくりをするメニューや営業時間まで自分で決められる

店長と店主・オーナーの違いは店長と店主・オーナーの違いで詳しく紹介しています。

独立する時に必要になる手続きの例

飲食店を開く場合は、主に次のような手続きがあります。地域によって窓口や様式が違うので、所轄の役所で確かめながら進めてください。

飲食店を開く時の主な手続きの流れ
  1. 開業資金の計画を立て、必要なら融資を相談する
  2. 保健所に事前に相談し、食品営業許可を申請する
  3. 食品衛生責任者を定める(講習会の受講など)
  4. 消防署に、防火対象物使用開始届出書などを出す
  5. 税務署に、個人事業の開業届出を出す
店長が独立して飲食店を開く時の、資金計画から保健所・消防署・税務署への手続きまでの流れを示した図解

食品衛生法では、飲食店営業を営もうとする人は都道府県知事の許可を受けなければならないとされています。窓口は保健所です。

防火管理者は、飲食店など不特定多数の人が出入りする建物で、収容人員が30人以上の場合に選任が必要です。東京消防庁の例では、店舗の使用を始める日の7日前までに防火対象物使用開始届出書を出すことになっています。

個人事業の開業届出は、国税庁の案内では、事業を始めた年分の確定申告期限までに提出するとされています。

開業資金の相談先

日本政策金融公庫には「新規開業・スタートアップ支援資金」という制度があります。新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方が対象で、融資限度額は7,200万円です。

審査があるので、事業計画を立てて相談することが大切です。独立の準備は店長経験を活かして独立・開業するにはで詳しく紹介しています。

店長のうちに始めておきたい準備

どの道に進んでも役立つ準備から始める

キャリアの方向が決まっていなくても、店長の仕事を記録し、人を育て、数字を読む力をつけておけば、どの道にもつながります。

『準備と言っても、毎日忙しくて時間がない』という方も多いですよね。ここで紹介するのは、ふだんの仕事の中でできることばかりです。

準備日々の仕事でできること役立つ方向
実績の記録任された仕事、工夫したこと、その結果をメモする全ての方向
人を育てる副店長や店長候補に仕事を任せてみる社内で上へ・横へ
数字を読む売上やシフトの数字を見て、変化の理由を考える社内で上へ・独立
仕組みを残すマニュアルや引き継ぎのメモを整える社内で横へ・社外へ
資格を取る食品衛生責任者、防火管理者、販売士など独立・社外へ

全部を一度に始める必要はありません。まずは実績のメモから始めて、月に一度見返すだけでも、自分の強みが少しずつ見えてきますよ。

店長に役立つ資格は店長に役立つ資格一覧で紹介しています。

実績メモの書き方の例

「〇月:新人の教え方を手順書にまとめた。新人が一人でレジに入れるまでの期間が短くなった」

「〇月:ピークの時間のシフトを見直し、お客様を待たせる時間が減った」

飲食業界の中で次の道を探したい時は、求人を見ながら考えるのも一つの方法です。クックビズは飲食店の求人・転職サイトで、「店長・マネージャー(候補)」や「SV・エリアマネージャー(候補)」の区分から求人を探せます。キャリアアドバイザーが面談から入社後まで無料でサポートしています。

もちろん、今の会社で上司に希望を伝えることも立派な一歩です。社内と社外の両方を見ながら、自分に合う道を選んでくださいね。

クックビズ(PR)

飲食の仕事を探すなら、求人サイトとアドバイザーの両方を使える相談先も

クックビズは、飲食店の求人・転職サイトです。店長・マネージャー(候補)などの職種から求人を探せるほか、キャリアアドバイザーが面談から入社後まで無料でお仕事探しをサポートします。

無料クックビズの公式サイトを見る

サービスの内容は公式サイトでご確認ください。

店長のキャリアでよくある相談

迷った時は「今の経験で何ができるか」から考える

店長の次の道についての悩みは、「どのくらいかかるのか」「大変ではないか」「ほかの経験がない」の3つに集まりがちです。今の経験を棚卸しすると、答えが見えやすくなります。

Yahoo!知恵袋に寄せられた、店長の次の道に関わる相談のうち、閲覧の多いものを3つ選び、要点をまとめてお答えします。

相談1:飲食店の店長からスーパーバイザーになるには、何年くらいかかる?

飲食店の店長の仕事にやりがいはあるのか、店長からSVになるには何年くらいかかるのか、という相談です。

店長からSVになるまでの年数は、会社の規模や制度、本人の経験によって違うので、一律の目安はありません。ただ、複数の店を見る役割なので、店長として店を安定させた経験や、店長を育てた経験が求められやすいです。

気になる時は、今の会社の上司に「SVになった方は、店長時代にどんな経験をされていましたか」と聞いてみてください。社内の実例がいちばんの目安になります。

相談2:スーパーバイザーの仕事は相当大変?

小売店で店長をしている人が、スーパーバイザーの仕事は大変なのか、と迷っている相談です。

SVは、自分の店を持たない代わりに、複数の店の店長と関わる仕事です。大変さの中身が、店長の時とは変わると考えると分かりやすいですよ。

例えば、急な欠勤の穴埋めで現場に立つ場面は減る一方、複数の店長と話し合い、数字の改善を一緒に考える場面が増えます。『人を動かす仕事が好き』という方には、やりがいを感じやすい役割です。

相談3:コンビニ店長の経験しかないけれど、土日休みの仕事に転職できる?

コンビニの店長をしていて転職したいが、コンビニの経験しかなく、できれば土日祝が休みで営業以外の仕事がよい、という相談です。

『一つの業界の経験しかない』と不安になりますよね。でも、店長として人をまとめ、発注や数字を管理し、お客様に対応してきた経験は、ほかの仕事にも通じる力です。

土日休みという条件を優先するなら、求人票の休日の欄と、仕事の中身を一緒に見てみてください。ハローワークで条件を伝えて相談するのも、確実な進め方です。

よくある質問

店長の次のキャリアには、どんな道がありますか?

同じ会社で役職を上げる道、本部などの別の仕事に移る道、別の会社に転職する道、独立して自分の店を持つ道の4つに分けて考えると分かりやすいです。

店長から本部の仕事に移ることはできますか?

会社によっては、人事や教育、業態やメニューの開発などの本部職へ移る道があります。今の会社にどんな役割があるかを、上司に聞いてみてください。

店長の経験は転職で活かせますか?

人の育成、数字の管理、お客様対応の経験は、多くの仕事に通じる力です。何を任され、どう工夫し、どうなったかを具体的に話せるように準備しておくと伝わりやすくなります。

店長から独立する時に必要な手続きは何ですか?

飲食店なら、保健所での営業許可、食品衛生責任者の設置、消防署への届出、税務署への開業届出などがあります。地域で窓口や様式が違うので、所轄の役所で確かめながら進めてください。

キャリアに迷った時、まず何をすればいいですか?

店長の仕事で楽しいこと、手放したいこと、譲れない条件を書き出してみてください。あわせて実績をメモしておくと、どの道を選んでも役立ちます。

まとめ

この記事の要点
  • 店長のキャリアは「社内で上へ」「社内で横へ」「社外へ」「独立」の4つの方向で考える
  • 上へは統括店長・エリアマネージャー・SV、横へは本部の人事・教育・開発などの道がある
  • 社外へ進む時は、人・数字・お客様の経験を具体的に伝える
  • 独立には、資金の準備と保健所・消防署・税務署などの手続きが必要
  • どの道でも、実績の記録・人の育成・数字を読む力が役に立つ
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

店長の仕事と役割、売上・シフト・人材育成などの店舗運営、店長に関わる労働のルールや資格、業態別の店長の働き方、店長からの転職までを、現場で使える形に整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次