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店長を任されることになって、『店長って、何か資格が要るの?』と気になっていませんか。講習に行くよう言われたり、検定をすすめられたりして、どれが本当に必要なのか分かりにくいですよね。
結論から言うと、店長という肩書きのための決まった資格はなく、求められるのは「店に置くことが決まっている役」の資格です。 そこに仕事やキャリアに役立つ資格を、会社の方針と自分の目標に合わせて足していけば大丈夫です。
この記事を読めば、店長に関わる資格を3つに分けた一覧と、業態ごとに必要になりやすい資格、取る順番の考え方が分かります。
店長に資格は必要?まず押さえたい結論
店長になるための試験があるわけではありません。ただ、食品を扱う店や人が多く集まる建物、お酒や医薬品を売る店では、法律で店に置く役が決まっていて、その役を店長が任されることが多いんです。
『資格がないと店長になれないの?』と心配する方もいますよね。実は、店長に関わる資格の多くは、店長本人の肩書きではなく「お店」に対して決められているものなんです。
例えば、食品衛生責任者は食品の営業をするお店ごとに、防火管理者は一定の建物ごとに置くことになっています。その役を誰が務めるかは会社やオーナーが決めますが、店の責任者である店長に任されることが多いんですね。
| よくある疑問 | 答え |
|---|---|
| 店長になるための資格試験はある? | 店長という肩書きのための決まった資格はない |
| では何が求められる? | 店に置くことが決まっている役(食品衛生責任者・防火管理者など)の資格 |
| 誰が取る? | 会社やオーナーが決める。店長が任されることが多い |
| 検定は取った方がいい? | 必須ではないが、仕事の学び直しや昇進の条件に使われることもある |
この記事では、店長に関わる資格を3つのグループに分けて紹介していきます。
店長の資格を3つに分けた一覧
店長の資格は、店に置くことが決まっている物、仕事で役立つ物、キャリアに効く物の3つに分けると分かりやすくなります。まずは1つ目から押さえて、残りは自分の目標で選びましょう。
ここがこの記事の中心です。店長に関わる資格を、目的ごとに3つのグループに分けてみました。

| グループ | 資格・役 | どんな店で関わるか | 取り方の目安 |
|---|---|---|---|
| 店に置くことが決まっている物 | 食品衛生責任者 | 食品の営業をする店(飲食店・スーパー・コンビニなど) | 講習会を受ける(調理師などの資格があれば講習なし) |
| 店に置くことが決まっている物 | 防火管理者 | 人が多く出入りする建物に入る店 | 甲種は2日間、乙種は1日の講習 |
| 店に置くことが決まっている物 | 酒類販売管理者 | お酒を売る店(販売場ごと) | 過去3年以内に酒類販売管理研修を受けた人から選ぶ |
| 店に置くことが決まっている物 | 店舗管理者 | 医薬品を売るドラッグストアなど | 薬剤師または登録販売者で、一定の従事期間などの要件 |
| 仕事で役立つ物 | 販売士(リテールマーケティング検定) | 小売業全般 | ネット試験で随時受験 |
| 仕事で役立つ物 | 衛生管理者・衛生推進者 | 働く人が多い事業場 | 事業場の人数で選ぶ役が変わる |
| キャリアに効く物 | 販売士2級、会社の店長資格など | 昇進の条件にしている会社 | 会社の決まりを確かめる |
『こんなにあるの?』と驚いたかもしれません。ただ、自分の店で関わるのは、このうちいくつかだけです。
- 自分の店が食品を扱うかを確かめる
- お酒や医薬品を売っているかを確かめる
- 店が入っている建物で防火管理者が要るかを本部に聞く
- 会社の昇進の条件に指定された資格や検定があるかを確かめる
店に置くことが決まっている資格
ここで紹介する役は、法律で店に置くことが決まっているものです。着任した時に「今は誰の名前で届け出ているか」を確かめておくと、引き継ぎで慌てずに済みます。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、許可や届出が必要な食品の営業をする店で、営業者が定めることになっている役です。お店の衛生管理の中心になって、スタッフに注意をしたり、営業者に意見を伝えたりします。
調理師、製菓衛生師、栄養士などの資格がある人は、講習を受けずになれます。資格がない人は、都道府県知事等が行う講習会などを受けてなります。
東京都食品衛生協会の養成講習会の例では、講習は6時間で、受講料は12,000円です。受講料や日程は地域で違うので、くわしくは食品衛生責任者とは?で紹介しています。
防火管理者
防火管理者は、消防法で決められた建物ごとに選ぶ、火災予防の責任者です。飲食店や店舗のように不特定多数の人が出入りする建物では、建物全体の収容人員が30人以上で必要になります。
防火管理者は「管理的又は監督的な地位にあるもの」とされているので、店長が選ばれることが多い役です。甲種は2日間、乙種は1日の講習で取れます。
甲種と乙種の違いや受講料の例は、防火管理者とは?でまとめています。
酒類販売管理者
お酒を売る店では、販売場ごとに酒類販売管理者を選ぶことになっています。根拠になっている法律は、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律です。
選ぶのは、過去3年以内に酒類販売管理研修を受けた人からです。選んだ時や外した時は、2週間以内に販売場の所在地を所轄する税務署へ届け出ます。
| 決まり | 内容 |
|---|---|
| 選ぶ単位 | 販売場ごと |
| 選べる人 | 過去3年以内に酒類販売管理研修を受けた人 |
| 届け出 | 選任・解任から2週間以内に所轄の税務署へ |
| その後の研修 | 3年を超えない期間ごとに研修を受けさせる |
| 店での掲示 | 管理者の氏名や研修の受講の記録などを書いた標識を掲示する |
国税庁の説明では、研修を受けていない人を届け出た場合は50万円以下の罰金、届け出を怠った場合は10万円以下の過料とされています。店長が任される時は、研修の受講日を本部と確かめておきましょう。
研修を受けた人が、社内の異動や転職で別の店の酒類販売管理者になる場合、過去3年以内に研修を受けていれば改めて受ける必要はありません。研修を受けた日が分かる物を手元に残しておくと安心です。
なお、店内で飲んでもらうためにお酒を出すだけの飲食店が対象になるかは、この記事では確かめられていません。気になる時は、所轄の税務署や本部に確かめてください。
ドラッグストアの店舗管理者
医薬品を売る店では、店舗管理者を置くことになっています。第2類・第3類の医薬品を売る店では薬剤師または登録販売者、第1類の医薬品を売る店では薬剤師が店舗管理者になれます。
登録販売者が店舗管理者になるには、過去5年間のうち従事期間が通算2年以上あることなどの要件があります。ドラッグストアの店長の働き方は、ドラッグストアの店長の仕事でくわしく紹介しています。
衛生管理者・衛生推進者
働く人の多い事業場では、労働安全衛生法にもとづく役を置くことになっています。常時50人以上の労働者がいる事業場では衛生管理者、常時10人以上50人未満の事業場では衛生推進者です。
大きな店では、こうした役を店長が任されることもあります。ただ、どこを1つの事業場として数えるかは会社の判断もあるので、本部の総務や人事に確かめておきましょう。
着任してしばらくしてから、届け出の名前が前の店長のままだったと気づくことがあります。食品衛生責任者・防火管理者・酒類販売管理者は、着任したらすぐに誰の名前になっているかを確かめておきましょう。
仕事とキャリアに効く資格、業態別の早見表
仕事やキャリアに役立つ資格は、取らなくても店長の仕事はできます。ただ、学んだことを店で活かせたり、昇進の条件になっていたりするので、目標に合わせて選ぶと力になります。
販売士(リテールマーケティング検定)
販売士は、日本商工会議所が行う検定で、小売業の仕事を5つの科目で学びます。2級は「店舗・売場を包括的にマネジメントできる人材」を目指す級とされていて、店長の仕事に一番近い内容です。
受験料(税込・2024年4月1日以降)は、1級8,800円、2級6,600円、3級4,400円で、別途事務手数料550円がかかります。級ごとの違いや勉強の進め方は、販売士は店長に役立つ?で紹介しています。

会社の店長資格や社内の検定
会社によっては、社内で独自の「店長資格」や昇格の試験を設けていることがあります。これは法律の資格ではなく、会社の人事の仕組みです。
手当がつくか、いつから支給されるかなども会社の決まりしだいです。就業規則や人事の案内を確かめておきましょう。
業態別に関わりやすい資格の早見表
自分の店の業態から、関わりやすい資格を見てみてください。あくまで目安なので、最後は本部や管轄の窓口で確かめるのが確実です。

| 業態 | 関わりやすい資格・役 |
|---|---|
| 飲食店(居酒屋・カフェ・ラーメン店など) | 食品衛生責任者、防火管理者 |
| スーパー | 食品衛生責任者、防火管理者、酒類販売管理者(お酒を売る場合) |
| コンビニ | 食品衛生責任者、防火管理者、酒類販売管理者(お酒を売る場合) |
| ドラッグストア | 店舗管理者(薬剤師または登録販売者)、防火管理者、酒類販売管理者(お酒を売る場合) |
| アパレル・雑貨店 | 防火管理者、販売士 |
どの業態でも、販売士は売場や数字の考え方を学ぶのに使えます。小売業なら特に、仕事と重なるところが多いですよ。
取る順番はどう考える?
『全部取らないといけないの?』と焦る必要はありません。店長になったばかりの時期は、順番を決めて1つずつ進めれば十分です。
- 着任したら、店に置く役が今誰の名前になっているかを確かめる
- 自分が引き継ぐ役があれば、講習や研修の日を本部と決める
- 講習の日はシフトに入れ、副店長や社員に店を任せる段取りをする
- 店の仕事に慣れてきたら、販売士など仕事に役立つ検定を考える
- 次に目指す仕事が決まったら、会社の昇進の条件や転職先で求められる物を確かめる
本部に確かめる時は、例えばこんな聞き方ができます。
「着任した店の食品衛生責任者と防火管理者が、今どなたの名前になっているか教えていただけますか」
「私が引き継ぐ場合、講習の日は出勤扱いで受けてよいでしょうか」
講習の日に店を空ける時は、スタッフにも先に伝えておきましょう。「来週の火曜は講習で1日いないので、〇〇さんに締めをお願いしたいです」と一言あるだけで、店の空気が落ち着きます。
店長に必要な力は資格だけではありません。現場・数字・人の3つの力は、店長に必要なスキルで紹介しています。
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資格と経験を転職に活かすには
食品衛生責任者や防火管理者を務めてきたことは、店全体を任されてきた証でもあります。転職の時は、資格の名前だけでなく、その役で何をしてきたかを言葉にしておきましょう。
『店長の経験って、ほかで通用するのかな』と不安になる方もいますよね。資格そのものより、その役で店をどう回してきたかが伝わると、経験の価値が見えやすくなります。
「食品衛生責任者として、開店前と閉店後の衛生チェックの手順を作り、スタッフ〇名で毎日回していました」
「防火管理者として、通路の整理と消火器の場所の確認を、新人教育の項目に入れました」
面接で資格について聞かれた時は、例えばこんな答え方ができます。
「前の店では食品衛生責任者を務め、衛生のチェック表を作ってスタッフと毎日確かめていました。新しい店でも、まず決まりを確かめてから同じように進めたいと考えています」
酒類販売管理研修は、異動や転職でも活かせる
酒類販売管理者の研修は、過去3年以内に受けていれば、転職先の店で改めて受ける必要はありません。研修を受けた時期は、転職の面接で聞かれた時にすぐ答えられるようにしておくと安心です。
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店長の資格についてよくある相談
店長の資格の相談は、法律で決まっていることと、会社が決めていることがまざりがちです。どちらの話かを分けると、何を確かめればいいかが見えてきます。
店長と資格について、知恵袋でよく見かける相談を3つ選んで、要約して答えてみます。
相談1 コンビニの店長には、どんな資格が要る?
コンビニの店長を目指していて、防火管理者・食品衛生責任者・酒類販売管理者のほかに何が要るのか、という相談です。
この3つは、店の建物や扱う商品で置くことが決まっている役です。それ以外に何が要るかは、会社やオーナーの決まりで変わるので、採用の時に確かめてみてください。
コンビニはお弁当やお酒を扱い、人の出入りも多いので、店に置く役がまとまって関わりやすい業態なんです。どれを自分が引き継ぐのか、着任前に一覧にしておくと準備しやすくなりますよ。
相談2 会社で資格を期限までに取らないと降格と言われた
店長として働いていて、会社から民間の資格を期限までに取るよう言われ、取れなければ降格と伝えられた、という相談です。
まずは、その条件が就業規則や評価の決まりでどう書かれているかを、上司や人事に確かめてみてください。受験日を勤務として扱うか、受験料を会社が出すかもあわせて聞いておくと安心です。
納得できない時は、社内の相談窓口のほか、総合労働相談コーナーのような公的な窓口に相談する方法もあります。最終的な判断は、会社の就業規則や専門家に確かめてくださいね。
相談3 会社の店長資格を取ったのに、手当がまだつかない
家族が会社の店長資格を取ったけれど、手当がまだ反映されていない、という相談です。
会社の店長資格や手当は、会社ごとの人事の仕組みです。いつから支給されるかは就業規則や賃金の決まりで違うので、まずは人事や総務の担当に聞いてみてください。
- 資格を取った日と、会社に報告した日
- 就業規則や賃金の決まりで、手当がどう書かれているか
- 給与明細のどの項目に反映される予定か
よくある質問
店長になるのに資格は必要ですか?
店長という肩書きのための決まった資格はありません。ただ、食品衛生責任者や防火管理者など、店に置くことが決まっている役を店長が任されることが多いです。
店長が最初に取るべき資格はどれですか?
自分の店で置くことが決まっている役から確かめましょう。食品を扱う店なら食品衛生責任者、人が多く集まる建物なら防火管理者が関わりやすい資格です。
資格の受講料は会社が出してくれますか?
会社の決まりによって違います。受講料の負担や、講習の日を出勤扱いにするかは、受ける前に本部や人事に確かめておくと安心です。
小売業の店長におすすめの検定はありますか?
販売士(リテールマーケティング検定)は、小売業の仕事を5つの科目で学べる検定です。2級は店舗・売場のマネジメントを目指す級で、店長の仕事に近い内容です。
お酒を売る店では何が必要ですか?
販売場ごとに酒類販売管理者を選ぶことになっています。過去3年以内に酒類販売管理研修を受けた人から選び、2週間以内に所轄の税務署に届け出ます。
まとめ
- 店長という肩書きのための決まった資格はない
- 店長に関わる資格は「店に置く決まり」「仕事」「キャリア」の3つに分けて考える
- 食品衛生責任者・防火管理者・酒類販売管理者は、店に置くことが決まっている役
- ドラッグストアでは薬剤師または登録販売者が店舗管理者になる
- 販売士は小売業の店長の仕事と重なり、昇進の条件に使う会社もある
- 資格はその役で何をしてきたかと合わせて伝えると、転職でも活きる





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