店長に必要なスキル|現場・数字・人の3つの力と身につけ方

店長に必要なスキルを紹介する記事のアイキャッチ。バックヤードの事務机とシフト表

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店長を任されたものの、『自分に足りないスキルって何だろう』と気になっていませんか。これから店長を目指していて、何から身につければいいか知りたい方もいるはずです。

結論から言うと、店長のスキルは「現場を回す力」「数字を読む力」「人を育てる力」の3つに分けて考えると分かりやすいです。全部を最初からそろえる必要はなく、自分の店で今いちばん求められている力から伸ばせば大丈夫なんです。

この記事を読めば、3つの力で今の自分を確かめる自己診断表と、それぞれの力の身につけ方が分かります。

目次

店長に必要なスキルとは?まず全体をつかもう

先に結論

店長に必要なスキルは、お店をその日その日で回す力、売上や人件費の数字から次の手を考える力、スタッフを育ててチームで動く力の3つです。どの力がより求められるかは、会社や業態、店の規模で変わります。

辞書では、店長は「その店の最高責任者」とされています。お店のことが最後は店長に集まってくるので、求められる力も幅広くなるんですね。

国の職業情報サイトのjob tagでは、スーパー店長に求められる力として次の4つが挙げられています。

job tagで挙げられている力この記事での分け方
対人関係を築く力人を育てる力
商品の目利き現場を回す力
従業員をまとめるリーダーシップ人を育てる力
売上数値等のデータ分析力数字を読む力

ハンバーガーショップ店長のページでは、店長は企業の社員でありながら担当店舗の「経営者」でもある、と紹介されています。営業データの分析や食材の発注などのデスクワークにも責任を持つ立場なんです。

3つの力は、それぞれどんな場面で使う?

『スキルと言われても、ぼんやりしていてピンとこない…』という方も多いですよね。そこで、3つの力を店での場面に置きかえてみました。

3つの力使う場面の例身につくと変わること
現場を回す力ピークの配置、急な欠勤、クレームの一次対応忙しい日も店が止まらなくなる
数字を読む力売上・客数の確認、発注、シフトの人数決め「なんとなく」の判断が減る
人を育てる力新人教育、声かけ、仕事を任せる店長がいない時間も店が回る

店長の仕事の全体像は店長とは?意味と役割、店長の仕事の全体像で紹介しています。

業態で重みが変わることも知っておこう

3つの力はどの店でも使いますが、業態によって重みは少しずつ違います。例えば飲食店ならホールとキッチンをまとめる段取り、スーパーやコンビニなら発注と在庫の判断が大きくなりやすいです。

迷った時の考え方

自分の会社が店長に何を求めているかは、評価シートや上司の言葉に表れます。「今の店で、店長として一番期待されていることは何ですか」と上司に一度聞いてみるのも近道です。

3つの力で今の自分を確かめる自己診断表

まず「自分の強み」を1つ見つける

ここでは店長に必要なスキルを、日々の行動に置きかえた自己診断表にしました。弱いところ探しより、まず自分の強みを1つ見つけることを大事にしてみてください。

当てはまる項目に印をつけながら読んでみてください。どれも、毎日の仕事の中で確かめられることばかりです。

店長に必要なスキルを現場を回す力・数字を読む力・人を育てる力の3つに分けた自己診断表の図解
現場を回す力
  • その日の予約や繁忙時間を、開店前に把握している
  • 急な欠勤が出た時、誰をどこに動かすかすぐに決められる
  • 開店前と閉店後の作業を、決まった順番で回している
  • お客様から呼ばれた時、慌てずにまず話を聞ける
  • 売場や厨房の困りごとに、自分から気づいて手を打てる
数字を読む力
  • 昨日の売上と客数を、毎日一度は見ている
  • 先週の同じ曜日と比べて、増えたか減ったかを説明できる
  • シフトの人数と売上の関係を意識して組んでいる
  • 発注の量を、過去の数字と天気や行事から決めている
  • 数字がよくない日に、理由を1つ考えて次の手を決めている
人を育てる力
  • 新人に教える順番を、自分の中で決めている
  • できたことを見つけたら、その場で言葉にして伝えている
  • 注意する時は、人ではなく行動について話している
  • 仕事を任せる時、目的と相談先を一緒に伝えている
  • スタッフの話を、途中でさえぎらずに最後まで聞ける

診断の結果の読み方

当てはまった数今の状態次にやること
3つとも4つ以上店長として安定して回せている一番少ない力をさらに伸ばす
1つか2つが4つ以上強みがはっきりしている少ない力から、明日できる行動を1つ選ぶ
どれも3つ以下これから伸びていく段階まず現場を回す力の行動から始める

『ほとんど当てはまらなかった…』と落ち込む必要はありません。どれも行動なので、明日から1つずつ増やしていけるんです!

今の立場で先に伸ばしたい力

同じ診断表でも、今の立場によって先に伸ばしたい力が変わります。自分に近い行を見てみてください。

今の立場先に伸ばしたい力明日からできることの例
アルバイト・パート現場を回す力ピーク前に自分の持ち場の準備を終えておく
店長候補・副店長人を育てる力新人の質問に、手を止めて答える時間をつくる
店長になったばかり数字を読む力毎日の売上と客数を見て、気づきをメモする
店長として数年たった一番少なかった力スタッフに店の困りごとを聞いてみる

現場を回す力を身につけるには

段取りは「決めておく」ことで身につく

現場を回す力は、その場のひらめきより、事前に決めておくことの多さで差がつきます。開店前・ピーク・閉店後の流れを決めておくと、急な出来事にも落ち着いて対応できるようになります。

『現場を回すのは経験がものを言うんでしょ?』と思う方もいますよね。たしかに経験も大切ですが、段取りを言葉にして残しておくと、経験の浅いうちからぐっと回しやすくなります。

現場を回す力をつける進め方
  1. 開店前・ピーク・閉店後にやることを書き出す
  2. 書き出した作業に、順番と担当を決める
  3. 急な欠勤が出た時の動き方を、あらかじめ決めておく
  4. 1日の終わりに、うまくいかなかった場面を1つメモする
  5. 翌週、メモした場面の段取りを見直す

急な欠勤が出た時の動き方の例

例えば、ランチのピーク前に急な欠勤の連絡が入った場面を考えてみましょう。慌てて自分が全部を引き受けるより、店全体の動きを組み直すほうがうまく回ります。

順番やること声かけの例
1抜けた持ち場を確認する「今日はホールが1人少ないので、配置を少し変えます」
2優先する作業を決める「仕込みは後回しにして、まずお客様の案内を優先しよう」
3手が空く人に応援を頼む「〇〇さん、ピークの間だけレジをお願いできる?」
4ピーク後にお礼を伝える「今日は助かりました。ありがとう」

人が少ない時の工夫は人手不足の店を回す店長の工夫でも紹介しています。

お客様に呼ばれた時の一次対応

現場を回す力には、お客様に呼ばれた時の一次対応も含まれます。ここで大切なのは、まず話を聞くことなんです。

一次対応の言い方の例

「お待たせして申し訳ございません。店長の〇〇です。お話を伺ってもよろしいでしょうか」

話を最後まで聞いてから、できることとできないことを伝えると、落ち着いたやり取りになりやすいです。呼ばれた時の流れは店長のクレーム対応で詳しく紹介しています。

よくある失敗

店長が全部の持ち場を自分で埋めようとして、店全体を見る人がいなくなることがあります。忙しい時ほど、店長は少し引いた位置から全体を見る時間をつくっておきましょう。

1日の流れで見る「現場を回す力」

現場を回す力は、1日の中のどの時間にも出てきます。時間帯ごとに、店長が意識したいことを並べてみました。

時間帯意識したいこと確かめることの例
開店前その日の見通しを立てる予約・届く荷物・シフトの人数
ピーク前持ち場と優先順位を伝える誰がどこに入るか、困った時の連絡先
ピーク中全体を見て、手薄な所に入る待っているお客様、止まっている作業
ピーク後起きたことを短く振り返るうまくいかなかった場面を1つ
閉店後翌日に引き継ぐレジ締め・戸締まり・引き継ぎノート

『毎日同じことの繰り返しで、スキルになっている気がしない』と感じる方もいるかもしれません。でも、この流れを毎日崩さずに回せること自体が、店長の大きな力なんです。

数字を読む力を身につけるには

数字は「毎日同じものを見る」ことから

数字を読む力は、難しい分析より、毎日同じ数字を見て昨日との違いに気づく習慣から育ちます。見る数字を2つか3つに絞ると、続けやすくなります。

『数字は苦手で…』という店長さんは実は少なくありません。ただ、店長に求められるのは、まず数字の変化に気づいて次の手を1つ決めることです。

まず押さえたい数字と見方

店でよく使う数字を、意味と見方の例でまとめました。計算の式は言葉で覚えておけば十分です。

数字意味・計算のしかた見る時のポイント
売上その日にお店に入ったお金の合計先週の同じ曜日と比べる
客数来てくれたお客様の数(会計の回数)天気や行事との関係を見る
客単価売上を客数で割ったものすすめ方や品ぞろえの変化を見る
人件費スタッフに支払う給与の合計売上とのバランスを見る
人時売上売上を、働いた人の合計時間で割ったものシフトの組み方が合っているかを見る

売上の見方は店長の売上管理で、人件費とシフトの関係は店長の人件費管理で詳しく紹介しています。

数字を読む習慣のつけ方
  1. 毎日見る数字を、売上と客数など2つか3つに絞る
  2. 先週の同じ曜日と比べて、増えたか減ったかを見る
  3. 変化があった日は、天気・行事・シフトの人数から理由を考える
  4. 次の営業で試すことを1つ決める
  5. 次の週の同じ曜日に、試したことの結果を振り返る
店長が数字を読む力をつけるために、毎日の数字の見方を5つの手順で示した図解

例えば雨の日に客数が減ったなら、「雨の日は品出しを前倒しして、レジに人を厚くしよう」のように次の手につなげます。こうした小さな判断の積み重ねが、数字を読む力そのものなんです!

本部や上司に数字を伝える時

数字を読む力は、数字を伝える力とセットです。報告の時は、数字と理由と次の手をそろえると伝わりやすくなります。

報告の言い方の例

「今週は先週より客数が少なめでした。雨の日が続いたためと考えています。来週は雨の日の品出しを早めて、レジの人数を厚くしてみます」

人を育てる力を身につけるには

店長がいない時間も回る店を目指す

人を育てる力は、スタッフが自分で判断して動ける場面を増やす力です。教える順番を決め、できたことを言葉にし、仕事を少しずつ任せていくことで育っていきます。

国の職業情報を分析した資料では、スキルの項目のうち「傾聴力」が全ての職業群で平均値が最も高いとされています。また「指導」は全体で第5位です。

どんな仕事でも、話を聞く力と教える力は大切にされているということですね。

声かけの例文

『褒めたり注意したりするのが照れくさい』と感じる方もいますよね。場面ごとの言い方を決めておくと、自然に言葉が出やすくなります。

場面声かけの例
新人が初めて一人で作業を終えた「〇〇さん、今日の品出し、丁寧で早かったね」
同じミスが続いている「最近、慌ただしい時間が多いよね。どこでつまずきやすいか一緒に見てみよう」
仕事を任せたい「明日の発注、〇〇さんにお願いしてもいいかな。迷ったら△△さんか私に連絡してね」
忙しい日を乗り切った「今日はみんなのおかげで回せました。ありがとう」
伝わりやすい教え方
  • 目的を先に伝えてから、やり方を見せる
  • 一度に教えることを2つか3つに絞る
  • やってもらった後に、良かった点を一言返す
伝わりにくい教え方
  • 「見て覚えて」で終わらせる
  • 一度にたくさんのことを詰め込む
  • できていない所だけを伝える

仕事を任せる時の進め方

人を育てる力が一番伸びるのは、仕事を任せる場面です。店長が全部を抱えたままだと、スタッフは指示を待つだけになりがちですよね。

仕事を任せる時の進め方
  1. 任せる仕事と、その仕事の目的を一緒に伝える
  2. どこまで自分で決めてよいかの範囲を決めておく
  3. 困った時に誰へ相談すればいいかを伝える
  4. 終わったら、結果について一言返す

任された経験は、スタッフにとって「この店で頼りにされている」という実感になります。それが、店長がいない時間も店を回してくれる力につながっていくんです。

新人教育の手順は店長の新人教育・人材育成で、人を動かす考え方は店長のリーダーシップで紹介しています。

スキルを伸ばす学び方も組み合わせよう

3つの力は現場で伸びるものですが、本や研修、資格の勉強で知識を足すこともできます。小売業なら販売士(リテールマーケティング検定)があり、日本商工会議所によると2級は店舗・売場を包括的にマネジメントできる人材を想定した級です。

学び方の選び方は店長の勉強法で詳しく紹介しています。

身につけた力を、別の場所で活かしたくなった時は

店長として3つの力を磨いていくと、「この経験を別の店や会社でも試してみたい」と思うこともありますよね。今の会社で新しい店を任されるよう相談するのも、もちろん一つの道です。

飲食業界で働き方を見直したくなった時は、業界に詳しい人に話を聞いてみる方法もあります。RestLab(レストラボ)は飲食店に特化した人材紹介サービスで、飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーがマッチングを担当しています。

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どんな仕事で店長経験が活きるかは店長経験を活かせる仕事で紹介しています。

店長のスキルについてよくある相談

Yahoo!知恵袋にも、店長のスキルについての相談が寄せられています。閲覧の多いものから3つ選び、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:店長としてのスキルアップと、売上やスタッフのやる気を上げる方法が知りたい

店長としての役割や自分のスキルアップの方法、スタッフの向上心を高める方法、売上を上げる方法など、何でもいいから知りたいという相談です。

やりたいことがたくさんある時ほど、一度に全部を変えようとすると続きません。まずはこの記事の自己診断表で、一番少なかった力を1つ選んでみてください。

例えば人を育てる力が少なかったなら、「できたことをその場で伝える」から始めます。スタッフのやる気が上がると、売上を伸ばす取り組みにも協力してもらいやすくなりますよ。

相談2:アパレルの店長に必要な能力やスキルを具体的に知りたい

アパレルの店長に必要な能力やスキルを、具体的に教えてほしいという相談です。

アパレルでは、売場づくりと販売目標への向き合い方が求められやすいです。3つの力に当てはめると、売場を整える段取りが現場を回す力、目標と実績を毎日見るのが数字を読む力、接客の教え方が人を育てる力になります。

業態ごとの詳しい仕事はアパレルの店長の仕事内容で紹介しています。

相談3:学生だけれど、小型スーパーの店長になりたい。必要なスキルは?

大学生で、将来は小型スーパーの店長になろうと考えている。必要なスキルはあるのか、という相談です。

job tagのスーパー店長のページでは、企業に入社後、経験を積んで昇進するのが一般的と紹介されています。学生のうちにできるのは、アルバイトで現場を回す力の土台をつくることです。

例えば「ピーク前に準備を終えておく」「新人に声をかける」「売れ筋を気にかける」のように、3つの力の入り口になる行動を意識してみてください。店長になるまでの道のりは店長になるには?で紹介しています。

よくある質問

店長に必要なスキルは何ですか?

現場を回す力、数字を読む力、人を育てる力の3つに分けると分かりやすいです。job tagでも、スーパー店長に求められる力として、対人関係を築く力、商品の目利き、従業員をまとめるリーダーシップ、売上数値等のデータ分析力が挙げられています。

3つの力のうち、どれから身につければいいですか?

自己診断表で一番少なかった力から、明日できる行動を1つ選ぶのがおすすめです。どれも少ない時は、まず現場を回す力の行動から始めると、ほかの2つにも手が回りやすくなります。

数字が苦手でも店長は務まりますか?

務まります。最初から難しい分析ができる必要はなく、毎日同じ数字を見て、昨日との違いに気づくことから始めれば大丈夫です。見る数字を2つか3つに絞ると続けやすくなります。

店長のスキルは資格で証明できますか?

店長のスキル全体を証明する資格はありませんが、小売業なら販売士(リテールマーケティング検定)のように、店舗運営の知識を学べる検定があります。資格は知識の土台になり、現場で使うことで力になっていきます。

店長のスキルは転職でも役に立ちますか?

話を聞く力や教える力、数字から判断する力は、多くの仕事で使う力です。どの仕事で活かせるかは、店長経験を活かせる仕事の記事で紹介しています。

まとめ

この記事の要点
  • 店長のスキルは、現場を回す力・数字を読む力・人を育てる力の3つに分けると分かりやすい
  • job tagでは、対人関係を築く力や従業員をまとめるリーダーシップ、データ分析力が店長に求められる力として挙げられている
  • 自己診断表で、まず自分の強みを1つ見つけ、少ない力から明日できる行動を選ぶ
  • 現場は段取りを決めておくこと、数字は毎日同じものを見ること、人は教える順番と声かけで伸びる
  • 全部を最初からそろえなくても、店長になってから伸ばしていける
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

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