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シフト表の空きが埋まらず、結局また自分が入る。人手不足の店長は、毎週そんなやりくりをしている方も多いはずです。
結論から言うと、人手不足の店は「今週しのぐ」「今月整える」「半年で変える」の3つに分けて手を打つと、少しずつ楽になります。目の前の穴埋めだけを続けていると、店長の時間がどんどん削られてしまうんです。
この記事を読めば、人手不足の店長が今すぐできる工夫と、ワンオペを減らすシフトと仕組みの作り方が分かります。
人手不足の店長がまず知っておきたいこと
人手不足は店長一人の力不足ではありません。店長がやれることと、会社に頼むことを分けて考えると、打つ手が見えてきます。
『人が足りないのは、自分の店づくりが下手だからかな』と自分を責めていませんか。人手が足りない状態は、地域や業態、会社の採用の進め方にも左右されるものです。
厚生労働省の雇用動向調査でも、宿泊業・飲食サービス業は人の出入りが多い産業とされています。人が入れ替わりやすい前提で仕組みを作っておくと、店長の負担は軽くなります。
店長がやれること・会社に頼むこと
人手不足の対策には、店長の裁量で動かせることと、会社の判断が要ることがあります。
| 区分 | 主な対策 | 動かす人 |
|---|---|---|
| 店長がやれること | シフトの組み方、仕事の手順の見直し、スタッフへの声かけ | 店長 |
| 相談して進めること | 求人の出し方、応援の手配、営業時間の見直し | 店長と上司・本部 |
| 会社が決めること | 採用の予算、時給、人員の配置 | 本部 |
自分の手の届く範囲から始めて、届かないところは早めに上司へ相談する。この順番で考えると、気持ちも少し軽くなりますよ。
人手不足の対策を3つの時間軸で分ける
人手不足の対策は、効くまでの時間で3つに分けられます。今週しのぐ手で目の前の穴を埋めながら、今月整える手と半年で変える手を少しずつ進めていきましょう。
人が足りない時は、どうしても目の前のシフトを埋めることで頭がいっぱいになりますよね。でも実は、そこだけに時間を使うと、来月もまた同じ穴が空くんです。
そこで、対策を3つの時間軸に分けて並べてみました。
| 時間軸 | ねらい | 主な手 | 店長の動き方 |
|---|---|---|---|
| 今週しのぐ | 目の前の穴を埋める | 応援を頼む、作業を減らす、ピークに人を寄せる | 優先順位を決めて、やらないことを決める |
| 今月整える | 来月の穴を減らす | シフトの希望の出し方を決める、手順をメモにする、1人で回せる仕事を増やす | スタッフと話して仕組みを作る |
| 半年で変える | 人が辞めにくく入りやすい店にする | 採用の見直し、教え方の型づくり、営業の形の相談 | 上司や本部と計画を立てる |

ここからは、時間軸ごとに具体的な工夫を見ていきます。
今週しのぐ:目の前の穴を埋める工夫
今週しのぐ時は、全部をいつも通りにやろうとしないことが大事です。お客様に関わる仕事を優先して、後回しにできる作業は思い切って減らしましょう。
急に人が足りなくなった週は、『とにかく自分が入れば何とかなる』と考えがちですよね。ただ、店長が全部の穴に入ると、店長の仕事が止まってしまいます。
やることを減らす優先順位
人が少ない日は、仕事を3つに分けて考えると判断が早くなります。
- お客様に直接関わる仕事(接客・提供・レジ)は優先する
- 衛生と安全に関わる仕事(清掃・温度の確認・防犯)は省かない
- 後でまとめてできる仕事(細かい品出し・掲示物の作り直し)は翌日に回す
- 今週やらなくても困らない仕事は、上司に確認して止める

応援を頼む時の伝え方
近くの店や本部に応援を頼む時は、いつ・何時から何時まで・何の仕事か、をはっきり伝えると調整がしやすくなります。
お疲れさまです。今週の土曜、ランチの時間帯にホールが1人足りない見込みです。11時から14時まで、ホールに入っていただける方がいないか相談させてください。
スタッフに追加のシフトをお願いする時
スタッフに追加で入ってもらう時は、断ってもいいことが伝わる言い方にしておくと、関係を崩さずに済みます。
| 場面 | 声かけの例 |
|---|---|
| 追加で入れるか聞く | 「急なお願いで申し訳ないんですが、土曜の夕方に入れる時間はありますか。難しければ遠慮なく言ってください」 |
| 入ってくれた時 | 「急なところ、本当にありがとうございます。とても助かりました」 |
| 断られた時 | 「教えてくれてありがとうございます。ほかの方にも聞いてみますね」 |
例えば、こんなやり取りになります。
「土曜の夕方、2時間だけでも入れそうですか」
「その日は予定があって…。日曜なら入れます」
厚生労働省のシフト制についての留意事項では、一度確定したシフトの変更は労働条件の変更に当たり、双方の合意の上で行うものとされています。お願いはあくまでお願いとして伝えましょう。
営業の形を変える相談もしてみる
どうしても人が埋まらない日は、営業の形そのものを変えることも考えられます。ただ、営業時間や席の使い方は、会社が決めていることが多い部分です。
『勝手に変えるわけにもいかないし…』と迷いますよね。だからこそ、店長は「こういう案がある」と上司に出す役目を担うのがいいんです。
| 案 | 例 | 相談する時の一言 |
|---|---|---|
| 席や売場を絞る | 人が少ない時間帯だけ、使う席の数を減らす | 「人が少ない日だけ、奥の席を閉めてもいいか相談させてください」 |
| 提供の手間を減らす | 手間のかかるメニューやサービスを一時的に止める | 「この時間帯だけ、提供に時間がかかる品を止められないでしょうか」 |
| 作業の時間をずらす | 品出しや仕込みを、人がいる時間帯に寄せる | 「品出しを午前の人が多い時間に移したいです」 |
今月整える:ワンオペを減らすシフトの組み方
ワンオペを減らすには、忙しい時間帯と危ない時間帯に人を寄せることと、希望の出し方をスタッフと決めておくことが効きます。シフトを組む前の準備で、穴の数はかなり変わります。
人手不足の店では、ワンオペの時間帯がどうしても生まれやすいですよね。ただ、一人で店に立つ時間は、お客様対応や防犯の面でも気を配りたいところです。
一人にしたくない時間帯を先に決める
大阪府警の警察署が出した防犯速報では、コンビニ向けに「深夜帯は複数勤務をお願いします」と呼びかけています。また、厚生労働省のカスタマーハラスメント対策では、事業主の対処の例として「可能な限り一人で対応させない」ことが挙げられています。
シフトを組む時は、まず「この時間帯は一人にしない」という枠を決めておくと、ほかの時間帯の調整がしやすくなります。
- 一人にしたくない時間帯(夜遅く・ピーク・開店直後など)を決める
- その時間帯に先に2人の枠を入れる
- スタッフの希望を集めて、残りの枠を埋める
- 埋まらない枠は、営業の形を変えるか応援を相談する
- 確定したシフトは決めた期限までに全員に知らせる

希望の出し方をスタッフと決めておく
厚生労働省の留意事項では、使用者が一方的にシフトを決めることは望ましくないとされています。シフト表を作る前にスタッフの意見を聞くことや、確定したシフトを知らせる期限や方法をあらかじめ話し合って決めておくことが挙げられています。
『希望を全部聞いていたら、シフトが組めない』と思いますよね。だからこそ、希望の締切や出し方を先に決めておくと、店長の調整の手間が減るんです。
| 決めておくこと | 例 |
|---|---|
| 希望の締切 | 「翌月の希望は、毎月〇日までに出してください」 |
| 希望の出し方 | 「入れる日と時間を、店のノートに書いてください」 |
| 確定の連絡 | 「確定したシフトは〇日までに掲示します」 |
| 変更の相談 | 「確定後の変更は、早めに店長に相談してください」 |
シフトの組み方は店長のシフトの作り方で、もっと詳しく紹介しています。
1人で回せる仕事を増やす
ワンオペを減らすのと同時に、一人ひとりができる仕事を増やしておくと、シフトの組み方に幅が出ます。キッチンの人がレジもできる、レジの人が品出しもできる、という形です。
例えば、ホールしかできない人が3人いるより、ホールとキッチンの両方ができる人が2人いる方が、急な欠勤に強くなります。
- スタッフごとに「今できる仕事」を表にして掲示する
- 2つ目の仕事を覚えたい人に、希望を聞いてから教える
- 教える時間を、比較的空いている時間帯に入れておく
- 覚えたら表に印をつけて、本人にも伝える
「〇〇さん、レジも覚えてみませんか。覚えてくれると、シフトの希望も通しやすくなるんです」
守っておきたい働き方のルール
人が足りない時ほど、働き方のルールを外さないように気をつけたいところです。
- 18歳未満のスタッフは、午後10時から午前5時までの深夜に働かせることが原則としてできません
- 6時間を超えて働く日は少なくとも45分、8時間を超える日は少なくとも1時間の休憩が要ります
- 休憩中に電話や来客の対応を頼むと、休憩ではなく労働時間とみなされます
高校生のスタッフがいる店では、試験の時期にも配慮が要ります。厚生労働省の自主点検表には、試験の準備期間や試験期間中に本人の希望に反してシフトを入れていないか、という項目があります。
半年で変える:人が辞めにくく入りやすい店にする
人手不足を根っこから変えるには、辞める人を減らすことと、新しく入った人が早く戦力になることの2つが効きます。どちらも時間がかかるので、半年くらいの計画で進めましょう。
採用をがんばっても、入った人がすぐ辞めてしまうと、店長の負担はなかなか減りませんよね。実は、人手不足の店ほど「辞めにくさ」を整えることが近道なんです。
新しい人が早くなじむ仕組み
新しく入った人が最初に困るのは、誰に何を聞けばいいか分からないことです。教える人と教える順番を決めておくだけで、なじむまでの時間は変わります。
- 最初の1週間に覚える仕事を3つに絞っておく
- 質問していい相手を1人決めておく
- 手順をメモやマニュアルにしておく
- 最初の勤務の終わりに「困ったことはありましたか」と聞く
教え方の型は店長の新人教育・人材育成で、辞めにくい店の作り方はスタッフが辞めない店の作り方で紹介しています。
今いるスタッフの声を聞く
辞める人を減らすには、今いるスタッフが何に困っているかを知るのが近道です。忙しい店ほど、ゆっくり話す時間が取れていないことも多いですよね。
月に一度、5分だけでも一人ずつ話す時間を作ってみてください。聞くことを決めておくと、短い時間でも話が進みます。
| 聞くこと | 聞き方の例 |
|---|---|
| シフトの困りごと | 「今のシフトで、入りにくい曜日や時間はありますか」 |
| 仕事の困りごと | 「最近、やりにくいと感じている作業はありますか」 |
| これからの希望 | 「覚えてみたい仕事や、増やしたい時間はありますか」 |
聞いた話は、すぐに変えられなくても「考えてみます」と返して、変えられたら伝えましょう。それだけで、話してよかったと思ってもらえます。
採用と人件費のバランスを上司と相談する
求人の出し方や時給は、会社が決めることが多い部分です。店長は「どの時間帯に何人足りないか」を数字にして、上司に伝える役目を担えます。
求人の出し方や面接の進め方は店長のアルバイト採用で、人件費の考え方は店長の人件費管理で詳しく紹介しています。
| 上司に伝えること | 伝え方の例 |
|---|---|
| 足りない時間帯 | 「平日の夜、閉店までの時間帯に毎週〇人足りません」 |
| 今やっている手 | 「希望の出し方を決めて、手順をメモにしました」 |
| お願いしたいこと | 「夜に入れる人の求人を出せないか相談させてください」 |
店長が穴を埋め続けない形にする
厚生労働省の通達には、管理監督者かどうかを判断する要素がいくつか挙げられています。その一つが、人が足りない時に店長が自ら現場に入らなければならず、長時間労働を余儀なくされている状態です。
店長がいつも穴を埋めている状態は、店長の働き方そのものにも関わる問題です。自分の時間の使い方は店長の長時間労働・残業を減らすにはも参考にしてみてください。
人が足りない店をどうにか回してきた経験は、店長として大きな力です。
その力を別の店や会社で活かしたくなった時は、飲食業界に詳しい人に相談してみる方法もあります。RestLab(レストラボ)は飲食店に特化した人材紹介サービスで、飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーがマッチングを担当しています。
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知恵袋でよくある相談:人手不足の店で迷うこと
Yahoo!知恵袋には、人手不足の店の店長やスタッフからの相談が寄せられています。閲覧の多いものから3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。
スタッフが休むたびに急に出勤し、残業やシフトの作り直しが続いている。人はいないのに営業時間も短くできず、定休日も作れない、という相談です。
毎回自分が穴を埋めていると、気持ちが休まりませんよね。ここまで一人で支えてきたこと自体、本当にすごいことです。
まずは「今週しのぐ」手として、人が少ない日にやらない作業を決めてみてください。そのうえで、営業時間や定休日は会社が決めることが多いので、足りない時間帯を数字にして上司に相談しましょう。
「平日の夜は、毎週〇時間分の人が足りていません。営業の形を含めて相談させてください」
店長自身がつらい時は、店長がつらい・きつい時の向き合い方も読んでみてください。
小売店の店長として、アルバイトの休み希望と、店の運営に支障が出ないことのどちらを優先すべきか迷っている、という相談です。
どちらか一方だけを選ぶ話ではありません。希望の締切と出し方をあらかじめ決めておけば、その範囲で出た希望は受け止めやすくなります。
厚生労働省の留意事項でも、シフトを作る前にスタッフの意見を聞くことが挙げられています。希望をもとに組んだうえで、どうしても埋まらない枠だけを個別に相談しましょう。
「〇日のこの時間だけ、どうしても1人足りません。入れる方がいたら教えてください」
人手不足の店で、アルバイトから辞めたいと言われた時、店長は引き止めなければいけないのか、という相談です。
結論から言うと、無理に引き止めることはしないでおきましょう。厚生労働省の自主点検表には、アルバイトが退職を申し入れているのに、人手不足などを理由に働き続けることを強いていないか、という項目があります。
できるのは、辞める理由を聞いて、店で変えられることがあれば伝えることです。それでも気持ちが変わらなければ、気持ちよく送り出しましょう。
「話してくれてありがとう。もし時間やシフトの事情なら、変えられることがあるか一緒に考えさせてください」
辞めると言われた時の対応はスタッフに辞めると言われた時の店長の対応で詳しく紹介しています。
よくある質問
人手不足の店長がまずやるべきことは何ですか?
足りない時間帯と人数を書き出すことです。そのうえで、今週しのぐ手、今月整える手、半年で変える手に分け、店長がやれることと上司に相談することを仕分けていきましょう。
ワンオペを減らすにはどうすればいいですか?
シフトを組む前に、一人にしたくない時間帯を決めて、そこに先に2人の枠を入れます。埋まらない時は、営業の形や応援について上司に相談しましょう。
スタッフに追加でシフトに入ってもらうのは問題ありませんか?
お願いすること自体はできますが、確定したシフトの変更は双方の合意の上で行うものとされています。断ってもいいことが伝わる言い方でお願いしましょう。
人が足りない時、高校生に夜遅くまで入ってもらえますか?
18歳未満のスタッフは、午後10時から午前5時までの深夜に働かせることが原則としてできません。時間外労働や休日労働も原則として禁止されています。
人手不足が続いて店長の負担が減りません。
店長が穴を埋め続ける状態は、店長の働き方そのものにも関わります。足りない時間帯を数字にして上司に伝え、社内で変わらない時は社外の相談窓口も使ってみてください。
まとめ
- 人手不足は店長一人の力不足ではない。店長がやれることと会社に頼むことを分ける
- 対策は「今週しのぐ」「今月整える」「半年で変える」の3つの時間軸で考える
- 今週は、お客様と安全に関わる仕事を優先し、後回しにできる作業を減らす
- 今月は、一人にしたくない時間帯を先に決め、希望の出し方をスタッフと決める
- 半年かけて、辞めにくく新人がなじみやすい店にしていく
- 辞めたいと言うスタッフを無理に引き止めない





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