店長の売上管理|見るべき数字と売上を伸ばす考え方

店長の売上管理を紹介する記事のアイキャッチ。事務机に置かれた売上のグラフと電卓

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店長になって売上の数字を任されると『どこを見て、何から手を付ければいいの?』と迷いますよね。

結論から言うと、店長の売上は客数と客単価の2つに分けて見るのが出発点です。さらに細かく分けると、自分のお店で打てる手がはっきりしてきます。

この記事を読めば、店長が毎日見ておきたい数字と、売上を伸ばす打ち手の選び方が分かります。

目次

店長が見るべき売上の数字は「客数」と「客単価」

先に結論

売上は「客数×客単価」で表せます。売上が下がった時は、お客様の数が減ったのか、1人あたりの買い物が減ったのかを先に確かめると、打つ手を間違えにくくなります。

『売上が落ちたから、とにかく何かしなきゃ』と焦る気持ち、よく分かります。ただ、売上という1つの数字だけを見ていると、原因が見えないんです。

例えば同じように売上が下がっていても、来店する人が減っているのか、1人が買う量が減っているのかで、打つ手はまったく違ってきます。

数字何を表すか下がった時に考えること
売上お店に入ったお金の合計客数と客単価のどちらが動いたか
客数買い物や食事をしたお客様の数(レジを通った回数で数えることが多い)来店のきっかけが減っていないか、時間帯ごとに偏りがないか
客単価お客様1人(1回の会計)あたりの金額買う点数が減ったか、選ぶ商品が変わったか

国の職業情報サイト(jobtag)では、スーパー店長に求められる力の1つに、売上数値などのデータを分析する力が挙げられています。数字を分けて見る習慣は、店長の基本の仕事なんです。

客数と客単価は、レジのデータから見られる

多くのお店では、レジや本部のシステムで、日ごとの売上・客数・客単価が見られるようになっています。どこで見られるか分からない時は、まず上司や本部の担当者に聞いてみてください。

数字の名前や数え方は、会社ごとに少しずつ違います。自分の会社の言い方に合わせて読み替えて大丈夫ですよ。

売上を4つに分けると、打てる手が見えてくる

『客数と客単価に分けても、まだ何をすればいいか分からない…』という方もいるはずです。そこで、もう一段だけ細かく分けてみます。

先に結論

客数は「新規のお客様」と「再来店のお客様」に、客単価は「買い上げ点数」と「1点あたりの単価」に分けられます。売上を4つの数字に分けると、それぞれに合った打ち手を選べます。

売上を客数と客単価に分け、客数を新規と再来店、客単価を点数と単価に分けた分解図

この分け方は、売上を木の枝のように広げていくイメージです。一番下の4つの枝のどこが弱っているかを見つけるのが、店長の売上管理の第一歩になります。

4つの数字と打ち手の対応表

分けた数字増えると何が起きるか店長が打てる手の例
新規のお客様初めて来る人が増える店頭の看板や入口の見せ方を整える、近所にチラシを配る、SNSで発信する
再来店のお客様一度来た人がまた来てくれる接客の質をそろえる、次に来たくなる声かけをする、品切れを減らす
買い上げ点数1回で買う数が増える一緒に買いたくなる商品を近くに並べる、セットや追加の一品をすすめる
1点あたりの単価選ばれる商品の値段が上がる品質の良い商品の良さを伝える、売場で目に入る位置を見直す

どの打ち手が使えるかは、業態と会社のルールで変わります。チェーン店では、値段や品ぞろえは本部が決めていて、店長が動かせるのは売場や接客の部分ということも多いんです。

打ち手を選ぶ時のコツ

4つ全部を同時に動かそうとすると、何が効いたのか分からなくなります。一番弱っている枝を1つ選んで、そこに合う打ち手から試してみてください。

飲食店と小売店で分け方は少し変わる

飲食店では「点数」を「1人あたりの注文品数」、「単価」を「頼まれるメニューの価格帯」と読み替えると分かりやすいです。グループで来るお店なら、1組あたりの人数も見ておくと役に立ちます。

小売店では、カゴに入る点数がそのまま点数になります。どちらの場合も、考え方の骨組みは同じですよ。

新規と再来店は、どうやって見分ける?

『レジの数字には、新規か再来店かなんて出てこない』と思いますよね。実際、2つをきっちり分けて数えられるお店は多くありません。

それでも、手がかりはいくつかあります。完ぺきな数字でなくても、増えたか減ったかの向きが分かれば十分なんです。

手がかり分かること使う時の注意
ポイントカードや会員の利用会員の来店が増えたか減ったか会員にならないお客様もいる
予約の台帳や名前入りの注文何度も来てくださる方の来店の間隔個人情報として大切に扱う
スタッフの「見覚えのある方」の感覚常連の方が来ているかどうか感覚なので、ほかの数字と合わせて見る
初めての方からの質問の多さ初めて来る人が増えているか質問の内容もメモしておく

お客様の情報を扱う時は、会社のルールに沿って、決まった場所で決まった人だけが見るようにしておきましょう。

店長の売上管理は「日・週・月」で見る数字を分ける

『毎日数字を見ているけど、見るだけで終わっている』という声もよく聞きます。売上管理は、見る間隔ごとに目的を変えると、ぐっと使いやすくなるんです。

先に結論

毎日は「いつもとの違い」に気づくため、毎週は「曜日や天気の影響」を見るため、毎月は「目標との差と次の手」を決めるために数字を見ます。間隔ごとに見る数字を決めておくと、確認が短くすみます。

見る間隔見る数字目的
毎日前日の売上・客数・客単価、時間帯ごとの売上いつもと違う動きに早く気づく
毎週曜日ごとの売上、前の週や前の年の同じ週との比べ曜日・天気・行事の影響をつかむ
毎月月の売上と目標との差、4つの数字の動き次の月に何を試すかを決める

例えば、ある日だけ客数が大きく下がっていたら、天気や近くの行事のせいかもしれません。毎週の見直しで同じ曜日が続けて弱いと分かったら、そこで初めて打ち手を考えます。

毎日の売上確認で見ておきたいこと
  • 前日の売上を、前の週の同じ曜日と比べる
  • 客数と客単価のどちらが動いたかを見る
  • 時間帯ごとに、売上が弱かった時間をメモする
  • 天気やお店の近くの行事など、思い当たる理由を書き添える
  • 気になったことを朝礼や引き継ぎで共有する

売上が急に変わった時に確かめる順番

ある日いきなり売上が動くと、ドキッとしますよね。慌てて手を打つ前に、次の順番で確かめてみてください。

確かめること見るポイント考えられる理由の例
外の出来事天気、近くの行事、道路工事一時的なものなら様子を見る
時間帯どの時間帯の売上が動いたかその時間の人の配置や品切れ
客数と客単価どちらが動いたか来店のきっかけか、買い方の変化か
商品やメニューよく売れる商品が動いたか品切れ、売場の場所の変化
お店の中接客や売場で変わったこと新しいスタッフ、並べ方の変更

上から順に見ていくと、たいていはどこかで理由に行き当たります。それでも分からない時は、数日様子を見てから考えても遅くありません。

数字の目標の立て方は店長の目標設定とKPIで詳しく紹介しています。

売上と一緒に見ておきたい数字

売上だけが伸びても、人件費や廃棄が増えていたら、お店に残るものは増えないことがあります。売上管理と一緒に、人件費と在庫も見ておくと安心です。

人件費の考え方は店長の人件費管理、仕事全体の中での位置づけは店長の仕事内容一覧でまとめています。

店長の売上責任はどこまで?

『売上が悪いと、全部店長のせいになるの?』と不安になる方も多いですよね。店長の売上責任の範囲は、会社によって決め方が違います。

先に結論

多くの会社で、店長は担当するお店の売上に責任を持つ立場です。ただ、値段や品ぞろえ、広告などを本部が決めている場合は、店長が動かせることと動かせないことがあります。

国の職業情報サイトでは、ハンバーガーショップ店長について、企業の社員でありながら担当店舗の「経営者」でもあるとされています。スーパー店長については、来店客数や売上を伸ばすための仕入れ・販売計画の立案や広告の企画が、主な仕事として挙げられています。

つまり、売上を伸ばすための計画を立てて動かすことは、店長の大事な役目なんです。一方で、会社の方針で決まることまで一人で背負う必要はありません。

店長が動かしやすいこと
  • 売場の並べ方や見せ方
  • 接客や声かけの質をそろえること
  • 時間帯ごとの人の配置
  • 品切れや廃棄を減らす発注の工夫
本部が決めていることが多いこと
  • 商品の値段やメニュー
  • チェーン全体のキャンペーンや広告
  • 取り扱う商品の種類
  • お店の立地や営業時間

動かせないことは、数字をつけて本部に伝える

本部が決めていることでも、お店の数字から気づいたことは伝えて大丈夫です。例えば、こんな伝え方があります。

「この商品は、雨の日に客数が減っても売れ方が変わりません。売場を広げてみたいのですが、相談させてください」

数字と理由をセットで伝えると、本部も検討しやすくなります。報告のまとめ方は店長の報告・日報の書き方も参考にしてみてください。

売上責任を一人で抱え込まないために

売上が伸び悩む時期が続くと『自分の力が足りないのかな』と落ち込んでしまうこともありますよね。そう感じるのは、真剣にお店と向き合っている証拠です。

ただ、売上はお店のみんなで作るものです。副店長やリーダーに、時間帯や売場ごとに数字を一緒に見てもらうと、気づける視点が増えます。

「夕方の売場は△△さんに見てもらえると助かります。気づいたことがあれば、日報に一言書いてください」

こんなふうに見る範囲を分けて頼むと、相手も動きやすくなります。上司との面談では、数字だけでなく、試したことと分かったことも伝えておきましょう。

よくある失敗

売上が下がった理由を、天気や近くのお店のせいだけにしてしまうことです。外の理由があっても、店内で動かせることは何かを1つは考えておきましょう。

売上を伸ばす打ち手を決める流れ

『やることが多すぎて、何から手を付けるか決められない』という時もありますよね。そんな時は、次の順番で進めてみてください。

売上の打ち手を決める流れ
  1. 先月と比べて、4つの数字のうちどれが一番弱いかを見る
  2. 弱い数字について、思い当たる理由をスタッフと出し合う
  3. 打ち手を1つだけ選び、いつからいつまで試すかを決める
  4. 試している間は、毎日その数字だけを記録する
  5. 期間が終わったら、続けるか、やめるか、変えるかを決める
売上の打ち手を決めるために、弱い数字を見つけて1つだけ試し、結果を見て続けるか決める流れの図解

ここが大事なところです。打ち手を1つずつ試すと、何が効いたのかが分かります。効いた打ち手は、次の月にも使えるお店の財産になるんです。

客数を増やしたい時の打ち手

新規のお客様を増やすには、お店の存在を知ってもらう工夫が要ります。店頭の見え方、チラシ、SNSなど、販促の手段は店長の販促・集客で紹介しています。

再来店を増やすには、また来たいと思ってもらう体験が大事です。帰り際の一言や、前に来た時のことを覚えておく接客が、再来店のきっかけになります。

例えば、こんなやり取りです。

「いつもありがとうございます。この前の新しい商品、いかがでしたか」
「おいしかったです。また買いに来ますね」

こうした一言は、マニュアルにするより、スタッフ同士で「こんな声をかけたら喜ばれた」と共有するほうが広がりやすいです。朝礼や引き継ぎで、うまくいった声かけを紹介してみてください。

再来店が減っている時は、品切れや待ち時間など、がっかりさせた場面がなかったかも振り返っておくと安心です。

客単価を上げたい時の打ち手

点数を増やすなら、一緒に買いたくなる商品を近くに並べるのが基本です。例えば、パンの売場の近くに飲み物を置くような並べ方ですね。

単価を上げるなら、良い商品の良さが伝わるように売場の手書きの案内を添えたり、スタッフがおすすめできるように試食や説明の場を作ったりします。無理にすすめるのではなく、選ぶ理由を伝える気持ちで十分です。

客単価を上げる打ち手として、レジ横の売場の並べ方を見直している様子
よくある失敗

値引きやおまけだけで売上を作ろうとすることです。一時的に客数は増えても、客単価が下がって売上が伸びないことがあります。値引きを決める時は、会社のルールを確かめてからにしましょう。

スタッフに売上の話をする時の伝え方

売上はお店のみんなで作るものです。ただ、数字だけを伝えると、スタッフには重く聞こえてしまうことも。

場面伝え方の例
朝礼で目標を共有する「今日は雨なので、来てくださったお客様に一品多く楽しんでもらえるよう、声かけをお願いします」
良い結果が出た時「昨日は客単価が上がっていました。〇〇さんのおすすめの声かけが効いていたと思います。ありがとう」
数字が伸び悩んでいる時「最近、夕方の客数が少し減っています。気づいたことがあれば教えてもらえると助かります」
新しい打ち手を試す時「今週はレジ横の並べ方を変えてみます。お客様の反応で気づいたことがあれば教えてください」

数字の話をする時は「責める」より「一緒に考える」形にすると、スタッフも意見を出しやすくなります。

知恵袋でよくある相談:店長の売上について

Yahoo!知恵袋にも、店長と売上についての相談が寄せられています。閲覧の多いものから3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:今月から店長になり、来月の売上目標を出すよう言われた

店長になったばかりで、来月の売上目標を提出しなければならないが、どう出せばいいか分からない、という相談です。

まずは、前の年の同じ月と、ここ数か月の売上を並べてみてください。そこに、曜日の並びや行事など、来月ならではの事情を足し引きして考えます。

目標は、客数と客単価に分けて「客数はこのくらい、客単価はこのくらい」と組み立てると、根拠を説明しやすくなります。会社に目標の出し方の型があれば、それに合わせるのが一番の近道ですよ。

相談2:ファストフード店の店長にも売上責任はあるの?

チェーンのファストフード店の店長にも、売上の責任があるのか知りたい、という相談です。

結論から言うと、多くの会社で店長は担当するお店の売上に責任を持つ立場です。国の職業情報サイトでも、ハンバーガーショップ店長は担当店舗の「経営者」でもあるとされています。

ただ、メニューや値段、全体の広告は本部が決めていることも多いです。店長の売上責任は、売場や人の配置、接客など、お店で動かせる部分で数字を作ることだと考えると分かりやすいです。

相談3:バイトでレジ横の声かけを頼まれた。売上は上がるの?

コンビニのアルバイトで、レジ横の商品の声かけをするように言われたが、本当に売上につながるのか気になる、という相談です。

レジ横の声かけは、客単価のうち「点数」を増やすための打ち手です。お客様が気づいていなかった商品を知ってもらえると、ついでに買ってもらえることがあります。

店長側にも、売上の目標を店全体で追っているという事情があります。押し付けにならないよう「よろしければ、こちらもどうぞ」くらいの軽い一言で十分ですよ。

売上を作る経験は、ほかの職場でも活かせる

数字を分けて考え、打ち手を試して振り返る力は、店長として身についた大きな強みです。この力を、別のお店や会社で活かしたくなることもありますよね。

飲食業界で働き方を見直したくなった時は、飲食店に特化した人材紹介サービスに話を聞いてみるのも1つの方法です。今の会社での異動の相談と並べて、選択肢を広げておくと安心です。

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よくある質問

店長は売上のどの数字を一番見ればいいですか?

まずは売上を客数と客単価に分けて見るのがおすすめです。どちらが動いたかが分かると、次に打つ手を選びやすくなります。

店長の売上管理は毎日やるべきですか?

前日の売上・客数・客単価を毎日ざっと見ておくと、いつもと違う動きに早く気づけます。打ち手を考えるのは、週や月の見直しのタイミングで十分です。

売上が目標に届かないと、店長の責任になりますか?

多くの会社で店長は担当店舗の売上に責任を持つ立場ですが、評価の仕方は会社ごとに違います。本部が決めていることもあるので、店で動かせることを実行し、その結果を報告しておくと安心です。

アルバイトにも売上の数字を伝えたほうがいいですか?

伝え方しだいで、スタッフのやる気につながります。責める形ではなく、一緒に考える形で、目標と良かった結果を共有してみてください。

売上を上げるために、まず何から始めればいいですか?

客数の新規・再来店、客単価の点数・単価の4つのうち、一番弱いものを1つ選んでください。そこに合う打ち手を1つだけ試すのが始めやすい方法です。

まとめ

この記事の要点
  • 店長の売上は、客数と客単価に分けて見るのが出発点
  • 客数は新規と再来店、客単価は点数と単価に分けると、打ち手が選びやすい
  • 売上管理は、毎日・毎週・毎月で見る数字と目的を分ける
  • 店長の売上責任は、お店で動かせる部分で数字を作ること。本部が決めることは数字をつけて相談する
  • 打ち手は1つずつ試し、結果を見て続けるか決める
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

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