女性店長の働き方|長く続けるための工夫と職場の選び方

女性店長の働き方を紹介する記事のアイキャッチ。開店前の売場とレジカウンターのシフト表

当サイトの記事は編集部が公的機関の情報や辞書、公表されている統計などの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に転職支援サービスへの案内(広告)を含みます。

店長を任されてうれしい気持ちと、『この働き方を何年も続けられるかな』という不安。女性店長として、両方を抱えている方も多いはずです。

結論から言うと、不安は「時間」「負担の配分」「ライフイベント」の3つに分けると、今の職場でできる工夫と、職場選びで確かめることが見えてきます。

この記事を読めば、女性店長が長く働くための工夫と、相談する時の言い方、職場を選ぶ時に確かめたい制度が分かります。

目次

女性店長の働き方、まず知っておきたいこと

先に結論

店長の仕事の中身は、性別で変わるものではありません。不安になりやすいのは、働く時間や役割の分け方、暮らしの変化との両立です。そこを会社のルールと店の状況に合わせて整えれば、長く続けやすくなります。

店長の仕事は、売場や厨房、スタッフのシフト、数字の管理、本部への報告まで幅広いですよね。店長の役割の全体像は店長とは?意味と役割で紹介しています。

『女性だから大変』と言われることもあるかもしれません。でも実は、悩みの多くは働く時間や人の配置の問題で、仕組みで軽くできることが多いんです。

女性店長が感じやすい不安の例

例えば、こんな声に心当たりはありませんか。

  • 閉店まで残る日が続いて、自分の時間が取れない
  • 重い荷物の搬入や夜の戸締まりを、つい1人で抱えてしまう
  • 結婚や子育て、家族の介護が始まったら続けられるか分からない
  • 店長の働き方について、相談できる人が社内にいない

どれも、店長本人の頑張りだけで解決しようとすると苦しくなることばかりです。ここから1つずつ、分けて考えていきましょう。

働き方の不安は「時間」「負担の配分」「ライフイベント」に分ける

3つに分けると、打つ手が見えてくる

不安をひとまとめにすると、「続けるか辞めるか」の二択になりがちです。3つに分けると、今の職場で変えられることと、職場選びで確かめることがはっきりします。

『何から手をつければいいか分からない』という時ほど、分けて考えるのがおすすめです。

女性店長の働き方の不安を時間・負担の配分・ライフイベントの3つに分けた図解
不安の種類起きやすい場面今の職場でできる工夫職場選びで確かめること
時間開店から閉店まで店にいる日が続く閉店や開店を任せられるリーダーを育てる休日の取り方、店長の勤務時間の決め方
負担の配分搬入・閉店作業・夜の戸締まりを1人で担う2人で行う作業を決め、シフトに組み込む夜の時間帯の人員、防犯の仕組み
ライフイベント結婚・出産・子育て・介護・引っ越し早めに上司と働き方を話し合う休業や短い時間で働く制度、異動の範囲

時間:店長も休みや有給休暇のルールがある

店長になると、休みを取りにくいと感じますよね。ただ、店長が労働基準法の管理監督者に当たる場合でも、年次有給休暇は一般の労働者と同じように与える必要があると厚生労働省は説明しています。

年10日以上の有給休暇がある人には、会社が年5日を取得させる義務もあり、対象には管理監督者も含まれます。休みの取り方の工夫は店長は休めない?休日の決まりと休みを取るための工夫でくわしく紹介しています。

管理職として扱われている店長も確かめたいこと

管理監督者であっても、深夜(22時から翌日5時まで)の割増賃金や年次有給休暇の決まりは適用されます。自分の扱いが気になる時は、会社の就業規則を確認し、最終的には労働基準監督署などの相談窓口に確かめると安心です。

負担の配分:1人で抱えない作業を決めておく

重い荷物の搬入や、閉店後の戸締まり、売上金の扱いは、1人で担うと負担が大きくなりやすい仕事です。店長だからといって、全部を自分でやる必要はありません。

例えば「閉店のシフトには2人入れる」と決めて、シフト表に最初から組み込んでおくと、毎回お願いしなくて済みます。

「今週の閉店、〇〇さんと2人で入ってもらえますか。戸締まりを一緒に確認したいので」

こんなふうに、理由を添えて頼むと受けてもらいやすいですよ。

閉店作業を2人で確認する場面のイメージ写真
1人で担わないと決めておきたい作業の例
  • 閉店後の戸締まりと、火の元・電気の確認
  • 売上金の数え直しと、金庫への保管
  • 重い荷物の搬入や、高い棚への品出し
  • 困ったお客様への対応

どれを2人で行うかは、お店の広さや営業時間で変わります。スタッフと話し合って決めると、「店長に言われたから」ではなく、みんなのルールとして続きやすくなります。

ライフイベント:早めに話せば選択肢が増える

結婚や出産、子育て、家族の介護、引っ越しなど、暮らしの変化は誰にでも起こります。急に働き方を変えたくなった時に慌てないよう、制度は早めに知っておきましょう。

会社によって、休業の制度や、短い時間で働く制度、転勤の範囲は違います。就業規則や社内の案内で、自分の会社に何があるかを確かめておくと安心です。

『まだ先のことだし、今から話すのは気が早いかな』と思うかもしれません。でも、会社が人の配置を考えるには時間がかかります。

「まだ少し先の話なんですが、来年以降の働き方について一度ご相談させてください」

こう切り出しておくだけでも、後任の店長候補を育てる時間や、異動先を考える時間が生まれます。結果として、お店にもスタッフにも負担の少ない形になりやすいんです。

女性店長が長く続けるために、今の職場でできる工夫

「店長がいなくても回る店」が、自分を守る

長く続けるいちばんの近道は、店長が休んでも回る仕組みを少しずつ作ることです。任せられる人が増えるほど、自分の時間と気持ちに余裕ができます。

『任せたいけど、結局自分でやったほうが早い』と感じることもありますよね。最初は時間がかかっても、教えた分だけあとで返ってきます。

長く続けるための仕組みづくりの順番
  1. 自分しかできない仕事を書き出す
  2. その中から、手順を決めれば任せられるものを選ぶ
  3. リーダーや副店長に、一緒にやりながら教える
  4. 開店・閉店・発注など、1つずつ任せていく
  5. 任せた仕事は、月に1回やり方を一緒に見直す

任せる相手を育てる進め方は、副店長の役割とあわせて考えると分かりやすいです。店長になるまでの道のりや、店長に求められる経験は店長になるには?なるまでの道のりと必要な経験にもまとめています。

上司に働き方を相談する時の言い方

働き方の相談は、言いにくいと感じる方が多いですよね。気持ちだけでなく、事実と希望をセットで伝えると、上司も対応を考えやすくなります。

相談したいこと言い方の例
閉店まで残る日が多い「今月は閉店まで残る日が続いています。閉店を任せられるリーダーを育てたいので、研修の時間をいただけますか」
1人で担う作業が多い「搬入と戸締まりを1人でしている日があります。この時間帯に、もう1人入れるシフトにしてもいいですか」
暮らしの変化がある「来年から家族の事情で働き方を変えたいと考えています。使える制度を教えていただけますか」
休みが取れていない「有給休暇がなかなか取れていません。取る日を先に決めて、シフトを組んでもいいですか」

相談は、困ってからではなく、少し先のことを話す時のほうがうまくいきます。「来月の話なんですが」と早めに切り出してみてください。

任せる仕事と、任せ方の例

任せる仕事は、いきなり大きなものでなくて大丈夫です。手順がはっきりしている仕事から渡していきましょう。

任せる仕事任せる相手の例最初の任せ方
開店準備朝の時間帯に慣れたスタッフ手順を紙にまとめ、1週間は一緒に行う
閉店作業リーダーや副店長2人で行い、最後の確認だけ店長がする
発注売場をよく見ているスタッフ1つの棚や1つの部門から始める
新人への説明教えるのが上手なスタッフ説明する内容を一緒に決めておく

任せたあとに「助かりました、ありがとう」と伝えると、次も引き受けてもらいやすくなります。任せることは、スタッフの成長の機会にもなるんです。

スタッフやお客様との関係で困った時は

困った場面は「店長1人で受け止めない」

スタッフとの関係やお客様への対応で困った時、店長が1人で受け止める必要はありません。会社の相談窓口や本部、公的な窓口を使ってかまいません。

『店長なんだから、自分で何とかしなきゃ』と思い込んでいませんか。実は、職場のハラスメントやお客様からの著しい迷惑行為への対策は、事業主が取り組むことと定められています。

職場のハラスメントに困った時

パワーハラスメントの防止のため、事業主には相談窓口をあらかじめ定めて周知することなどが求められています。上司だけでなく、同僚や部下からの言動が当てはまる場合もあります。

社内で相談しても対応してもらえない時は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や、総合労働相談コーナーに相談できます。指導の線引きはパワハラにならない指導とはでも紹介しています。

お客様への対応で困った時

お客様からの意見や苦情は、本来お店の改善につながる大切な声です。ただ、社会通念を超える言動が続く時は、店長が1人で抱えなくていいんです。

よくある失敗

「店長だから」と、困ったお客様への対応をいつも1人で引き受けてしまうケースです。会社のマニュアルで、上司や本部に指示を仰ぐ流れや、1人で対応しない決まりがあるか確かめておきましょう。

厚生労働省のマニュアルでは、事業主の対策として、可能な限り一人で対応させないことや、本社・本部への情報共有などが挙げられています。対策の考え方はカスハラから店とスタッフを守るにはにまとめています。

困った時の相談先を整理しておく

いざという時に慌てないよう、相談先を一度整理しておくと安心です。社内の窓口から順に使い、それでも解決しない時に外の窓口を使う、という順番で考えてみてください。

困っていることまず相談するところ社内で解決しない時
休みが取れない・働く時間が長い上司、本部の人事担当労働基準監督署、労働条件相談ほっとライン
職場での言動がつらい社内のハラスメント相談窓口都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)
お客様からの迷惑行為が続く上司、本部総合労働相談コーナー
働き方そのものを見直したい上司、人事担当ハローワーク、転職の相談先

総合労働相談コーナーは、予約不要・無料で、面談か電話で相談できます。店長の悩みの相談先は店長の悩みの相談先でもまとめています。

職場選びで確かめたい制度と働き方

求人票の「店長」の中身は会社ごとに違う

同じ店長の求人でも、休日の取り方や夜の人員、異動の範囲は会社によって違います。求人票と面接で、自分の不安に関わるところを確かめましょう。

『今の会社で続けるか、別の会社を探すか』と迷った時は、まず条件を比べる物差しを持っておくと安心です。

不安の種類求人票で見るところ面接での聞き方の例
時間休日の日数・休日の決め方、勤務時間「店長の方は、休みをどのように決めていますか」
時間管理職としての扱いの有無「店長は管理監督者として扱われますか。労働時間の管理はどうされていますか」
負担の配分店舗の人数、営業時間「夜の時間帯は、何人で営業していますか」
負担の配分本部やエリアの支え「困った時に相談できる担当の方はいますか」
ライフイベント休業や短い時間で働く制度「家族の事情で働き方を変えた方は、どんな制度を使っていますか」
ライフイベント転勤・異動の範囲「異動はどの範囲でありますか。希望は伝えられますか」
女性店長が職場選びで確かめたい制度と働き方をまとめた図解

正社員の店長求人の見方は店長・店長候補の正社員求人の選び方でもくわしく紹介しています。

業態によって、働き方の形は変わる

同じ店長でも、業態によって働き方の形は変わります。夜まで営業するお店か、日中が中心のお店かで、閉店作業や夜の人員の考え方も違ってきます。

見るところ確かめたい理由
営業時間と定休日店長が店にいる時間の長さに関わる
夜の営業の有無閉店作業や戸締まりの人員に関わる
店舗の広さとスタッフの人数1人で担う作業の多さに関わる
本部やエリアの担当者との距離困った時に相談しやすいかに関わる

『飲食と小売、どちらが自分に合うんだろう』と迷う時は、この4つで比べてみてください。好きな仕事と、続けやすい働き方の両方がそろう職場を探すのが近道です。

職場を変える前に、今の会社でできること

別の会社を考える前に、今の会社で異動や働き方の変更を相談できることもあります。小さめのお店への異動や、店長以外の役割への変更が選べる会社もあります。

それでも働き方が合わない時は、外の相談先に話を聞いてみるのも1つの方法です。飲食業界で働き方を見直したくなった時は、飲食業界に特化した人材紹介の相談先もあります。

RestLab(PR)

飲食業界で次の職場を探すなら、業界特化の人材紹介に相談

RestLab(レストラボ)は、飲食店を運営する会社が手がける飲食店特化の人材紹介サービスです。飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーが、店長候補を含む幅広い職種の求人とのマッチングや、面接日時・条件の調整をサポートします。

無料RestLabの公式サイトを見る

サービスの内容・利用条件は公式サイトでご確認ください。

女性店長についてよくある相談

Yahoo!知恵袋にも、女性店長についての相談が寄せられています。閲覧の多いものから3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:女性の店長やマネージャーが、男性スタッフにだけ優しく見える

女性の店長やマネージャーが、男性のアルバイトに優しく接しているように見える。それはどこも同じなのか、という相談です。

接し方は人によって違い、性別で決まるものではありません。ただ、店長側からすると「公平に見えるか」は気になるところですよね。

店長の立場でできるのは、声かけやお礼の回数を、誰にでも同じくらいにすることです。「ありがとう」を言った相手をふり返ってみると、偏りに気づけることがあります。

相談2:女性の店長を見たことがない。女性は店長になるのが難しい?

これまで女性の店長を見たことがなく、女性が店長になるのは難しいのか、という相談です。

店長になれるかどうかは、会社の昇進の条件で決まります。条件を満たせば、性別に関係なく店長を目指せます。

見かける機会は、業態やお店によって違うのかもしれません。店長になる流れは店長になるにはで紹介しているので、目指したい方は参考にしてみてください。

相談3:「女性店長」「女性シェフ」と、なぜわざわざ女をつけるの?

男性の店長には「男性店長」と言わないのに、女性だけ「女性店長」と呼ばれるのはなぜか、という相談です。

違和感を持つのは自然なことだと思います。職場では、肩書きはただ「店長」で十分です。

お店の中で呼ぶ時も、「〇〇店長」や「店長」とふつうに呼べば大丈夫です。この記事で「女性店長」と書いているのは、女性の店長が感じやすい働き方の不安を考えるためです。

相談から分かる、女性店長が心がけたいこと
  • 接し方は、誰に対しても同じくらいの回数と言葉で
  • 店長になれるかどうかは、性別でなく会社の条件で決まる
  • 肩書きや呼び方より、どう働くかに目を向ける

店長の経験は、次の場所でも力になる

お店をまとめた経験は、別の会社でも強みとして伝えられます。店長の転職の進め方は店長の転職で紹介しています。

飲食業界の中で、店長の経験を活かせる仕事を探したい時は、飲食業界の求人を扱う相談先もあります。クックビズの公式サイトでは、キャリアアドバイザーが面談から入社後まで無料で支援すると案内されています。

クックビズ(PR)

飲食の仕事を探すなら、求人サイトとアドバイザーの両方を使える相談先も

クックビズは、飲食店の求人・転職サイトです。店長・マネージャー(候補)などの職種から求人を探せるほか、キャリアアドバイザーが面談から入社後まで無料でお仕事探しをサポートします。

無料クックビズの公式サイトを見る

サービスの内容は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

女性店長は長く続けられますか?

店長の仕事の中身は性別で変わりません。働く時間・負担の配分・ライフイベントの3つに分けて、今の職場でできる工夫と会社の制度を確かめると、長く続けやすくなります。

店長でも有給休暇は取れますか?

取れます。管理監督者に当たる店長でも、年次有給休暇は一般の労働者と同じように与える必要があると厚生労働省は説明しています。年10日以上ある人は、年5日を取得させる義務の対象です。

夜の閉店作業を1人でするのが不安です。

閉店のシフトに2人入れる、戸締まりを2人で確認するなど、1人で担わない作業を決めてシフトに組み込みましょう。上司には、理由と希望をセットで相談すると伝わりやすいです。

結婚や子育てで働き方を変えたくなったら?

早めに上司に相談し、会社の休業の制度や短い時間で働く制度、異動の範囲を確かめましょう。制度は会社によって違うので、就業規則や社内の案内で確認するのが確実です。

職場を選ぶ時に何を確かめればいいですか?

休日の決め方、夜の時間帯の人員、相談できる本部の担当者、休業などの制度、異動の範囲を確かめましょう。求人票で分からないことは、面接で具体的に聞いて大丈夫です。

まとめ

この記事の要点
  • 女性店長の働き方の不安は「時間」「負担の配分」「ライフイベント」に分けて考える
  • 管理監督者に当たる店長でも、年次有給休暇や深夜の割増賃金の決まりは適用される
  • 1人で担わない作業を決め、店長がいなくても回る仕組みを少しずつ作る
  • 困った場面は1人で受け止めず、社内や公的な相談窓口を使う
  • 職場選びでは、休日・夜の人員・制度・異動の範囲を求人票と面接で確かめる
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

店長の仕事と役割、売上・シフト・人材育成などの店舗運営、店長に関わる労働のルールや資格、業態別の店長の働き方、店長からの転職までを、現場で使える形に整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次