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せっかく採用して育てたアルバイトが、また辞めてしまった。そのたびに求人を出して、一から教え直して、『どうしてうちの店は人が続かないんだろう』と悩んでいませんか。
結論から言うと、アルバイトが辞めない店にするには、辞める理由が「時期」によって変わることを知っておくのが近道です。 入って最初の1か月、仕事に慣れた頃、長く勤めた後で、店長が手当てすることは違うんです。
この記事を読めば、時期ごとに店長ができる手当てと、辞めるサインに早く気づくための見方が分かります。
アルバイトが辞めない店にするために、店長はまず何をする?
まずは、最近辞めたスタッフが「入ってどのくらいで」辞めたかを振り返ってみてください。時期が分かると、店のどこに手当てが足りていないかが見えてきます。
人が辞めると、つい『最近の人は続かないから』『うちの仕事がきついから』とひとまとめに考えてしまいますよね。でも実は、辞める理由はスタッフによって、そして時期によってかなり違うんです。
厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、一般労働者の離職率がいちばん高い産業は宿泊業,飲食サービス業でした。人の出入りが多いのは、店長一人の責任ではなく業界全体の特徴でもあります。
そのうえで、店長の工夫で防げる離職もあります。この記事では、そこに目を向けていきます。
辞めた人を振り返るチェック
- 入ってから辞めるまで、どのくらいの期間だったか
- 辞める前に、シフトの入り方や様子に変化があったか
- 辞める理由として、本人から何と聞いたか
- 仲のよいスタッフや、教える担当は誰だったか
- 辞める少し前に、店で何か変化があったか
全部が分からなくても大丈夫です。分かる範囲で書き出してみると、同じような時期に辞めている、といった傾向に気づくことがあります。
辞める理由は「最初の1か月」「慣れた頃」「長く勤めた後」で変わる
最初の1か月は不安、慣れた頃は不満、長く勤めた後は先の見通しが、辞める理由になりやすいものです。時期に合わせて手当てを変えると、同じ努力でも効き方が変わります。
ここがこの記事の中心です。スタッフが辞める理由を時期で分けて、店長ができる手当てを時間軸の表にしました。

| 時期 | スタッフの心の声 | 辞める理由になりやすいこと | 店長ができる手当て |
|---|---|---|---|
| 最初の1か月 | 『このまま続けられるかな』 | 仕事が覚えられない不安、聞ける人がいない、居場所がない | 教える担当と順番を決める、こまめに声をかける |
| 慣れた頃 | 『自分ばかり大変な気がする』 | 仕事の偏り、シフトの不公平、頑張りが伝わらない | 仕事とシフトの公平さを見直す、頑張りを言葉にする |
| 長く勤めた後 | 『この先もずっと同じなのかな』 | 役割が変わらない、生活の変化と合わない | 新しい役割を任せる、働き方を一緒に考える |
時期の区切りは、店や人によって違います。目安として、自分の店に当てはめて考えてみてください。
最初の1か月:不安を減らすのがいちばんの手当て
入ったばかりのスタッフは、仕事を覚えることだけでなく、店の人間関係にも緊張していますよね。『質問したら迷惑かな』と思って、分からないことを抱えこんでしまう人も多いんです。
この時期に辞める人は、仕事そのものより「不安」で辞めていることが少なくありません。店長ができるのは、不安の材料を1つずつ減らすことです。
- 初日に、店の案内とスタッフの紹介をする
- 教える担当を決めて、「困ったらこの人に聞いて」と伝える
- 最初の1週間は、シフトの終わりに一言声をかける
- 2週目ごろに、困っていることがないか5分だけ話す
- 1か月たったら、できるようになったことを一緒に振り返る
新人の教え方の手順は店長の新人教育・人材育成で詳しく紹介しています。
慣れた頃:不公平感を放っておかない
仕事に慣れてくると、今度は店の中の偏りが目に入ってきます。『あの人はいつも楽な仕事ばかり』『自分だけ急なシフトを頼まれる』と感じ始めるんです。
この時期は、仕事ができるスタッフほど頼られて、負担が集まりやすいもの。頼りにしている人ほど、実は辞めるきっかけを抱えていることもあるんです。
- 「最近〇〇さんに頼りすぎてたね。負担になっていたら教えてね」
- 「急なシフト、いつも引き受けてくれてありがとう。次は別の人にもお願いしてみるね」
- 「〇〇さんが整えてくれた売場、お客様が見やすそうにしてたよ」
頑張りに気づいて伝える方法はスタッフのモチベーションを上げるにはでも紹介しています。
長く勤めた後:先の見通しを一緒に考える
長く勤めているスタッフは、仕事に慣れきっている分、『この先もずっと同じことの繰り返し』と感じることがあります。学校の卒業や家庭の事情など、生活の変化が重なる時期でもありますよね。
この時期は、新しい役割と働き方の相談がポイントです。後輩の教育係や、発注の一部を任せるなど、役割が変わるだけで気持ちが前を向くこともあります。
- 「〇〇さんに、新人さんの教え方を任せてみたいんだけど、どうかな?」
- 「来月から生活が変わるって聞いたけど、入れる時間を一緒に考えようか」
- 「この売場のことは〇〇さんがいちばん詳しいから、意見を聞かせてほしい」
『辞めたいわけじゃないけど、今のままだと続けにくい』という気持ちは、こちらから聞かないと出てこないことも多いんです。
入れる曜日を減らす、時間帯を変えるなど、辞める以外の選び方があると伝えておくだけで、長く働いてもらえることがあります。
辞めるサインに早く気づくには?
辞めると決める前に、多くの人は少しずつ様子が変わります。いつもの様子を知っておくと、変化に気づきやすくなります。
『辞めると言われるまで、まったく気づかなかった』という店長さんも多いはずです。ただ、振り返ってみると、小さなサインが出ていたということもよくあるんです。
| 気づきたいサイン | 考えられる背景 | 店長ができること |
|---|---|---|
| シフトの希望が少しずつ減ってきた | 予定の変化、店に来るのがおっくう | 「最近どう?」と軽く声をかける |
| 休憩中に一人でいることが増えた | 人間関係の変化 | 仕事の場面で話す機会をつくる |
| 質問や意見を言わなくなった | 言っても変わらないと感じている | 意見を聞いて、取り入れたら知らせる |
| 急な欠勤や遅刻が増えた | 生活の変化、気持ちの疲れ | 責める前に、事情を聞く |
| 「別にいいです」が口ぐせになった | あきらめの気持ち | 1対1で話す時間をつくる |
サインに気づいた時は、いきなり「辞めるつもり?」と聞かないのがコツです。相手が身構えてしまうので、「最近忙しそうだけど、大丈夫?」のように、様子を気にかける言い方から始めてみてください。
1対1で話す時間をつくる
忙しい店では、スタッフと落ち着いて話す時間がなかなか取れませんよね。でも、5分でもいいので1対1で話す時間があると、スタッフは本音を話しやすくなります。
- 「最近、困っていることはない?」
- 「シフトの入り方、今のままで大丈夫?」
- 「この店で、もっとこうしたらいいと思うことはある?」
- 「〇〇さんが、これからやってみたい仕事はある?」
話を聞く時は、すぐに答えを出そうとしなくて大丈夫です。まずは最後まで聞くことが、いちばんの手当てになります。話しかけ方のコツは店長とスタッフのコミュニケーションでも紹介しています。
店全体で取り組める、辞めにくい仕組みづくり
声かけや気配りは大切ですが、店長が忙しい日や異動した後も続くとは限りません。誰がやっても回る仕組みにしておくと、辞めにくい店の状態が長く続きます。
シフトの決め方をはっきりさせる
シフトの不公平感は、辞める理由になりやすいものの1つです。厚生労働省のシフト制についての留意事項では、使用者が一方的にシフトを決めることは望ましくないとされています。
同じ資料では、シフト表を作る前にスタッフの意見を聞くことや、確定したシフトを知らせる期限や方法を話し合って決めておくことが例として挙げられています。一度確定したシフトの変更は、双方の合意のうえで行うものとされています。
- 希望を出す締め切りと、シフトを知らせる日が決まっている
- 急な代わりのお願いが、特定の人に集中していない
- 確定したシフトを変える時は、本人の了解を取っている
- 休み希望を出しやすい雰囲気になっている
シフトの組み方は店長のシフトの作り方で詳しく紹介しています。細かなルールは会社の就業規則でも確かめておきましょう。
仕事の手順をそろえる
教える人によって言うことが違うと、スタッフは『どれが正しいの?』と混乱してしまいます。注意されるたびに言うことが変わると、やる気もなくなってしまいますよね。
手順を紙やマニュアルにまとめておくと、教え方がそろい、新人もベテランも迷わなくなります。
面接の段階で、仕事の実際を伝えておく
入ってすぐに辞めてしまう理由の1つに、『思っていた仕事と違った』というずれがあります。面接では店の良いところを話したくなりますが、忙しい時間帯や大変な作業も正直に伝えておくと、入った後のずれが小さくなるんです。
- 「土日のお昼はかなり混むので、最初は慣れるまで大変かもしれません」
- 「最初の2週間ほどは、先輩と一緒のシフトで覚えてもらいます」
- 「シフトの希望は、毎月決まった日までに出してもらっています」
働き始める前に知っておけば、大変な場面に出会っても『聞いていたとおりだ』と受け止められます。面接の進め方は店長のアルバイト採用でも紹介しています。
辞めるスタッフに、最後に聞いておく
辞めることが決まったスタッフに、「店のことで、こうだったらよかったと思うことはある?」と聞いてみるのも1つの方法です。辞めると決めた後だからこそ、話せることもあるんです。
聞いた話は、責める材料にせず、次に入ってくる人のための手当てに活かしましょう。
相談できる人を店長以外にも置く
店長に直接言いにくいこともありますよね。リーダーや先輩スタッフなど、店長以外にも相談できる人がいると、小さな不満が大きくなる前に気づきやすくなります。
辞めそうなスタッフにだけ急に優しくすると、ほかのスタッフが『辞めると言えば大事にしてもらえるのか』と感じてしまうことがあります。声かけや気配りは、日ごろから全員に向けて続けるのが大切です。
スタッフに辞めると言われた時は?
辞めると言われると、つい慌てて引き止めたくなりますよね。まずは理由を聞いて、変えられることがあるのか、本人の意思がもう固まっているのかを見きわめましょう。
辞めると言われた時、店長としてはショックですよね。『人が足りないのに、どうしよう』という気持ちもあると思います。
まずは「話してくれてありがとう」と受け止めてみてください。そのうえで、理由を落ち着いて聞きます。
| 辞めたい理由 | 店長ができること |
|---|---|
| シフトや時間が合わない | 入れる曜日や時間を一緒に見直す |
| 仕事の負担が大きい | 担当する仕事や役割を調整する |
| 人間関係がつらい | 時間帯や担当をずらす、話を聞いて対応する |
| 学業や家庭の事情 | 気持ちよく送り出す |
| 別にやりたい仕事ができた | 応援して、引き継ぎの段取りを決める |
引き止めすぎないことも大切
条件を変えれば続けられるなら、相談してみる価値はあります。でも、本人の気持ちがもう決まっている時は、無理に引き止めないことも大切です。
厚生労働省の説明では、期間の定めのない雇用の場合、少なくとも2週間前までに退職を申し出れば、法律上はいつでも辞めることができるとされています。会社の就業規則に退職の手続きが決まっている場合は、それに従って申し出ることになります。
また、高校生などのアルバイトについての厚生労働省の自主点検表には、退職を申し入れているのに人手不足などを理由に働き続けることを強要していないか、という項目があります。細かな判断は、会社の就業規則や労働基準監督署などに確かめてみてください。
気持ちよく送り出した店は、辞めた後も『いい店だった』と思ってもらえます。それが、次に入ってくる人の安心にもつながるんです。辞めると言われた時の手続きや引き継ぎはスタッフに辞めると言われた時の店長の対応でまとめています。
辞める・辞めないの悩みでよくある相談
ネットの相談サイトには、働く側からの不安もたくさん寄せられています。スタッフの目線を知っておくと、店長の声かけに活かせます。
閲覧数の多い相談のなかから、辞める・辞めないに関わるものを要約して答えます。
相談1:店長に嫌われている気がして、辞めるか迷っている
入ったばかりのアルバイトから、「店長に嫌われている気がするので辞めたほうがいいか」という相談が多く見られます。とくに最初の1か月の不安がよく表れている悩みです。
店長の側は、ただ忙しくて余裕がなかっただけ、ということも多いもの。店長からは、最初の1か月は意識して声をかけ、「分からないことは聞いていいよ」と伝えておくと、こうした不安を減らせます。
相談2:休みの日に急な出勤を何度も頼まれる
「休みにしている日に、急に出られないかと何度も聞かれてつらい」という相談もあります。慣れた頃のスタッフが抱えやすい不満です。
店長の側にも、急な欠勤で人が足りないという事情がありますよね。ただ、お願いが同じ人に集中すると、その人が辞める理由になりかねません。お願いする順番を決めたり、断りやすい聞き方にしたりする工夫が役に立ちます。
相談3:店長からの連絡に返事がなくて不安
「店長に連絡したのに返事がない」と、新人が不安になる相談もあります。店長は既読のまま忙しさにまぎれてしまっただけでも、新人にとっては大きな不安になるんです。
「見たよ、ありがとう」の一言だけでも返しておくと、新人は安心できます。短い返事を習慣にしておきましょう。
人が辞めない店をつくる経験は、店長の大きな強み
スタッフの不安や不満に気づき、仕組みで支えてきた経験は、店が変わっても、働く場所が変わっても活きる力です。
人が辞めにくい店をつくるには、時間がかかります。その分、取り組んできた経験は店長としての大きな財産なんです。

- 最近辞めたスタッフの時期を振り返る
- 入って1か月以内のスタッフに声をかける
- 急なシフトのお願いが偏っていないか見直す
- 長く勤めているスタッフに、新しい役割を相談してみる
店長の仕事の全体像は、店長とは?意味と役割で紹介しています。
人が続く店をつくってきたその力を、飲食業界の別の店や会社で活かしてみたくなった時は、業界に詳しい相談先に話を聞いてみるのも1つの方法です。
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よくある質問
アルバイトが辞めない店にするために、店長がいちばん先にやることは何ですか?
最近辞めたスタッフが、入ってどのくらいで辞めたかを振り返ることです。最初の1か月なのか、慣れた頃なのか、長く勤めた後なのかで、手当てすることが変わります。
入ってすぐに辞めてしまう人が多いです。
最初の1か月の不安が大きい可能性があります。教える担当を決める、困ったら聞ける人を伝える、シフトの終わりに一言声をかけるなど、不安を減らす手当てから始めてみてください。
仕事ができるスタッフほど辞めてしまいます。
頼りにしている人に、仕事や急なシフトが集まっていないか見直してみてください。負担が偏っていると、頑張っている人ほど疲れてしまいます。感謝を言葉で伝えることも大切です。
辞めると言われたら、引き止めてもいいですか?
理由を聞いて、シフトや仕事の調整で続けられそうなら相談してみる価値はあります。ただ、本人の気持ちが決まっている時は、無理に引き止めず、気持ちよく送り出すことも大切です。
人が辞めるのは店長のせいでしょうか?
人の出入りが多いのは業界全体の特徴でもあり、店長一人の責任ではありません。そのうえで、時期ごとの手当てや仕組みづくりで防げる離職もあるので、できるところから取り組んでみてください。
まとめ
- アルバイトが辞める理由は、時期によって変わる
- 最初の1か月は不安、慣れた頃は不公平感、長く勤めた後は先の見通しに手当てする
- 辞めるサインは「いつもと違う」様子に出るので、日ごろの様子を知っておく
- シフトの決め方や手順をそろえ、店長一人に頼らない仕組みをつくる
- 辞めると言われたら、まず理由を聞き、無理に引き止めすぎない





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