店長とスタッフのコミュニケーション|話しかけ方と関係づくりのコツ

店長とスタッフのコミュニケーションを紹介する記事のアイキャッチ。開店前のカウンターで話す2人の手元

当サイトの記事は編集部が公的機関の情報や辞書、公表されている統計などの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に転職支援サービスへの案内(広告)を含みます。

スタッフに話しかけても会話が続かない、なんとなく距離を感じる。『自分が店長だから、話しにくいのかな』と悩んでいる方も多いはずです。

結論から言うと、店長とスタッフのコミュニケーションは話の上手さより「短い声かけの回数」で決まります。声かけを4種類に分けて、毎日少しずつ積み重ねれば大丈夫です。

この記事を読めば、場面ごとの話しかけ方の例文と、無理なく関係をつくるコツが分かります。

目次

店長とスタッフのコミュニケーションで一番大事なこと

先に結論

大事なのは、長く話すことではなく、短い声かけを毎日続けることです。「見てくれている」「話しかけていい」とスタッフが感じられれば、困った時に相談が届くお店になります。

店長は売場や厨房、数字の管理、シフトづくりと、やることが多いですよね。店長の役割の全体像は店長とは?意味と役割で紹介しています。

忙しいからこそ、スタッフと話す時間はどうしても後回しになりがちです。でも実は、小さな声かけが足りないと、そのしわ寄せはあとで大きく返ってくることも。

声かけが足りないと起きやすいこと

例えば、こんな場面に心当たりはありませんか。

  • ミスが起きてから、実は前から困っていたと分かる
  • シフトの希望が直前になって出てくる
  • 新人が分からないことを聞けずに、自己流で作業している
  • 辞めると言われるまで、悩んでいたことに気づかなかった

どれも、ふだんから話しかけていれば早く気づけたことばかりですよね。スタッフが離れてしまう前の変化についてはスタッフが辞めない店の作り方でもくわしく紹介しています。

店長側の事情も、もちろんある

『話しかけたいけど、そんな余裕がない』という店長さんの気持ちも、とてもよく分かります。ピークの時間に1人で何役もこなしていれば、雑談どころではありませんよね。

だからこそ、この記事では「余裕がなくてもできる短い声かけ」を中心に紹介していきます。

声かけは「あいさつ・感謝・確認・相談」の4種類に分ける

4種類を意識すると、話しかける内容に迷わない

声かけを「あいさつ」「感謝」「確認」「相談」の4つに分けておくと、その場に合う言葉がすぐに出てきます。1日のうちに4種類すべてを1回ずつ使えれば十分です。

『何を話せばいいか分からない』と感じるのは、話題を自分で一から探そうとしているからかもしれません。種類を決めてしまえば、あとは場面に合わせて言葉を選ぶだけなんです。

店長からスタッフへの声かけをあいさつ・感謝・確認・相談の4種類に分けた図解

4種類の声かけと、場面ごとの言い方

種類ねらい場面言い方の例
あいさつ来てくれたことを受け止める出勤した時「〇〇さん、おはようございます。今日もよろしくお願いします」
あいさつ1日の終わりをねぎらう退勤する時「お疲れさまでした。今日は夕方長かったですね、助かりました」
感謝やってくれたことに気づく作業のあと「冷蔵庫の中、きれいに並べてくれてありがとう。探しやすくなりました」
感謝急なお願いに応えてくれたシフトの交代「急に入ってもらえて本当に助かりました。ありがとうございます」
確認困っていないかを聞く新しい作業の途中「さっきの発注、やり方で分からない所はなかった?」
確認体の負担を気にかける長い勤務の後半「そろそろ休憩に入れそう?ずっと立ちっぱなしだったよね」
相談意見を聞いて任せる売場や作業の工夫「この棚の並べ方、どうしたら見やすいと思う?」
相談力を借りる新人の受け入れ「来週から新人さんが入るんだけど、最初に教えるならどこからがいいと思う?」

一番使いやすいのは「感謝」です。ポイントは、何に対してのお礼なのかを具体的に言うことなんです。

「ありがとう」だけより、「レジの両替を先にしておいてくれてありがとう」の方が、見てくれていたことがしっかり伝わります。

4種類をどの順で増やしていくか

いきなり全部を意識するのは大変ですよね。次の順番で、少しずつ増やしてみてください。

声かけを増やしていく順番
  1. まずは出勤と退勤のあいさつを、名前を添えて全員にする
  2. 1日1回、誰かの作業に具体的なお礼を言う
  3. 新しい作業をしている人に「困っていない?」と確認する
  4. 慣れてきたスタッフに、小さなことから意見を聞いてみる

あいさつと感謝が続いていると、確認や相談の声かけも自然に受け止めてもらえるようになります。

ほめ方のコツをもっと知りたい方は店長の褒め方もあわせて読んでみてください。

声かけで避けたい言い方と、言いかえの例

同じ内容でも、言い方ひとつで受け取られ方が変わります。忙しい時ほど出やすい言い方を、少しだけ言いかえてみてください。

出やすい言い方言いかえの例
「なんでできてないの?」「どこで止まっちゃった?一緒に見てみよう」
「前にも言ったよね」「ここ、もう一回確認しておこうか」
「適当にやっておいて」「〇時までに、ここまでお願いできる?」
「忙しいから後にして」「ごめん、今手が離せないから、ピークが終わったら聞かせて」

最後の例のように、後回しにする時も「いつ聞くか」を添えておくと、相手は話しかけてよかったと思えます。

場面別の話しかけ方の例文

相手と場面に合わせて言葉を変える

同じ声かけでも、相手や忙しさによって伝わり方が変わります。忙しい時は短く、落ち着いている時は少しだけ話を広げるのがコツです。

ここからは、店長さんがよく迷う場面ごとに、話しかけ方の例を紹介しますね。

ピークで忙しい時

忙しい時に長く話しかけると、相手の手を止めてしまいます。用件は一言で、お礼はあとで改めて伝えるくらいがちょうどいいですよ。

したいこと忙しい時の一言
応援を頼む「〇〇さん、レジに1人お願いできる?」
状況を聞く「洗い場、追いついてる?」
ピーク後のお礼「さっきは一気に来ましたね。回してくれてありがとう」

入ったばかりの新人に

新人は、店長に話しかけるだけでも緊張していることが多いです。店長の方から、質問しやすい空気をつくってあげましょう。

「分からないことは、何回聞いてもらっても大丈夫だからね」
「ありがとうございます。じゃあ、さっきの袋の大きさなんですけど…」

こんなふうに、最初の一言で「聞いていい」と伝えておくと、そのあとの質問が出やすくなります。新人の教え方そのものは店長の新人教育・人材育成にまとめています。

年上のスタッフに

年上のベテランスタッフには、『自分が指示していいのかな』と遠慮してしまうこともありますよね。そんな時は、相手の経験を頼る「相談」の声かけから入ると話しやすくなります。

年上のスタッフへの声かけの例

「〇〇さんの方がこの売場は長いので、教えてほしいんですが、この時期は何から準備していましたか?」
相手の経験を尊重しつつ、決めることは店長が決める。この形だと、お互いに気持ちよく話せます。

年上のスタッフとの関わり方は若い店長が年上のスタッフとうまくやるにはでもくわしく紹介しています。

あまり話さないスタッフに

口数が少ないスタッフに、無理に雑談を広げる必要はありません。仕事のことを短く確認するだけでも、立派なコミュニケーションです。

「今日の品出し、量が多かったけど大丈夫だった?」
「はい、なんとか終わりました」
「よかった。助かりました」

これだけでも、相手は「気にかけてもらえている」と感じられます。

元気がなさそうに見える時

いつもより口数が少ない、表情が硬いと感じる日もありますよね。そんな時は、理由を問いただすより、話してもいい場所を用意するだけにしておくのがおすすめです。

「今日はちょっと疲れてそうだけど、無理しないでね。何かあったら、休憩の時にでも聞かせて」

相手が話さなければ、それ以上は聞かなくて大丈夫です。仕事の量や組み合わせで調整できることがあれば、シフトの方で静かに手を打っておきましょう。

関係づくりで気をつけたい距離感

仕事の話を中心に、私的なことは相手から話してくれた時だけ

仲良くなろうとして、プライベートに踏み込みすぎるのは逆効果です。話題の中心はお店と仕事にして、私的な話は相手が話してくれた範囲で受け止めましょう。

『もっと打ち解けたいから、休みの日のことも聞いた方がいいかな』と思う方もいますよね。ただ、店長とスタッフの間には、どうしても立場の差があります。

店長からの質問には、スタッフは断りにくいものなんです。相手が話したくないことまで聞いてしまうと、かえって距離ができてしまうことも。

厚生労働省が示すパワハラの類型も知っておく

厚生労働省は、職場のパワーハラスメントの代表的な言動として6つの類型を示しています。その中には「人間関係からの切り離し(無視など)」や「個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)」も入っています。

気をつけたいこと置きかえたい関わり方
特定の人にだけあいさつや声かけをしない全員に同じように名前を呼んであいさつする
交際や家族のことをしつこく聞く話題はお店と仕事のことを中心にする
仲のいいスタッフとだけ話す声をかけた人を思い返し、少ない人に意識して話しかける
休みの日に仕事以外の連絡をする連絡は勤務に関わる用件だけにする

一方で、厚生労働省は、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導はパワハラにあたらないとしています。必要なことを伝えるのをためらう必要はありません。

指導との線引きについてはパワハラにならない指導とは?で紹介しています。最終的な判断は、会社の就業規則や社内の窓口に確認してみてください。

よくある失敗

仲のいいスタッフとの内輪の話題で盛り上がり、ほかのスタッフが会話に入れなくなるケースです。悪気がなくても「店長はあの人たちとだけ仲がいい」と受け取られてしまうことがあります。

飲み会やお店の外での付き合いはどうする?

『スタッフとの距離を縮めるなら、食事に誘った方がいいのかな』と迷う方もいますよね。誘うこと自体は悪くありませんが、店長からの誘いはスタッフにとって断りにくいものです。

お店の外の付き合いで気をつけたいこと
  • 参加は自由だと、はっきり伝えておく
  • 一部のスタッフだけを何度も誘わない
  • 断った人に、仕事の場で態度を変えない
  • お店の外で聞いた話を、仕事の評価に持ち込まない

関係づくりの中心は、あくまでお店の中での毎日の声かけです。外の付き合いは、あってもなくてもいいもの、くらいに考えておくと気が楽になりますよ。

話す機会は「仕組み」でつくる

気合いではなく、仕組みに組み込む

忙しい日が続くと、声かけは自然に減っていきます。朝礼や連絡ノート、短い面談のように、話す機会をお店の決まりごとにしておくと続けやすくなります。

『毎日意識しよう』と決めても、忙しい週には忘れてしまいますよね。それは店長さんの努力が足りないからではなく、仕組みがないからなんです。

話す機会をつくる仕組みの例

仕組みやり方向いているお店
朝礼・夕礼今日の予定とお礼を短く伝える開店時にスタッフがそろうお店
連絡ノート共有事項を書き、読んだ人が印をつけるシフトの時間帯がばらばらなお店
1対1の短い面談1人ずつ、困りごとと希望を聞くスタッフが多く、話す機会に差が出るお店
退勤時のひと言帰る前に今日のお礼と気になったことを聞く少人数で回しているお店
朝礼・連絡ノート・1対1の面談・退勤時のひと言など、話す機会をつくる仕組みをまとめた図解

朝礼の進め方や話すネタは店長の朝礼・ミーティングのネタと進め方で紹介しています。

LINEやメッセージでのやり取りのコツ

シフトの確認や急な連絡は、LINEなどのメッセージで送ることも多いですよね。文字だけのやり取りは、対面より冷たく受け取られやすいので、少しだけ言葉を足すのがコツです。

送りたいことそっけなく見えやすい例言葉を足した例
シフトの確認「〇日出れる?」「お疲れさまです。〇日の夕方、もし入れそうなら教えてもらえると助かります」
返事へのお礼「了解」「ありがとうございます。助かります」
連絡が来ていない時「返事まだ?」「先日のシフトの件、予定が分かったら教えてくださいね」

スタッフから連絡をもらった時も、短くていいので返事をしておくと安心してもらえます。休みの日や夜遅くの連絡は、急ぎの用件だけにしておきましょう。

1対1の面談で聞くこと

面談といっても、かしこまった場にする必要はありません。休憩前の少しの時間に、バックヤードで話すくらいで十分です。

1対1で聞いておきたいこと
  • 最近の仕事で、やりにくいと感じていることはないか
  • 覚えたい作業や、挑戦してみたいことはあるか
  • シフトの入り方に困っていることはないか
  • お店でもっとこうしたらいいと思うことはあるか

聞いたことには、できるかどうかも含めて返事をしておきましょう。すぐに変えられないことでも「今は難しいけど、次のシフトを組む時に考えてみるね」と返すだけで、話してよかったと思ってもらえます。

店長がバックヤードでスタッフと短く話す1対1の面談をイメージした写真

注意が必要な時も、ふだんの関係がものを言う

ふだん声をかけている店長からの注意は、スタッフも受け止めやすくなります。逆に、話すのが注意の時だけだと、相手は身構えてしまいますよね。

伝わる注意の仕方は店長の注意の仕方・叱り方で、例文と一緒に紹介しています。

店長とのコミュニケーションについてのよくある相談

Yahoo!知恵袋にも、店長とスタッフのコミュニケーションについての相談が寄せられています。閲覧の多い相談から3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:少人数のお店で、店長とうまく話せない

社員は店長と自分の2人だけで、ほかはアルバイトという販売のお店で、店長とのコミュニケーションがうまくとれていない、という相談です。

少人数のお店ほど、店長と話がかみ合わないと仕事全体に響きますよね。こういう時は、話す時間を決めてしまうのがおすすめです。

例えば、閉店後に「明日の段取りだけ少しすり合わせませんか」と声をかけてみてください。店長の側も、日々の業務に追われて話すきっかけをつかめていないことがあります。

相談2:アルバイト先の店長と話しづらく、仕事がしにくい

コンビニでアルバイトを始めて時間がたつけれど、店長とうまくコミュニケーションがとれず、仕事がしづらい、という相談です。

アルバイトの側から店長に話しかけるのは、勇気がいりますよね。まずは、仕事の確認から始めてみるのがいいと思います。

「この作業、このやり方で合っていますか?」と聞くだけでも、会話のきっかけになります。店長はお店全体のことで頭がいっぱいなことも多く、話しかけにくそうに見えても、聞かれること自体は助かっている場合が多いんです。

相談3:新任の店長で、スタッフとの関係づくりに悩んでいる

新しく店長になり、少人数のスタッフとどうコミュニケーションをとればいいか悩んでいる、という相談です。

新任の店長さんは、『前の店長と比べられているのでは』と気になりますよね。最初のうちは、店のやり方をすぐに変えるより、スタッフの話を聞くことを優先してみてください。

「前からいるみなさんの方がこのお店にくわしいので、困っていることを教えてもらえますか」と、相談の声かけから始めると関係をつくりやすくなります。着任してからの進め方は新任店長が最初の1か月でやることにまとめています。

人と向き合う力は、どこでも強みになる

スタッフ1人ひとりと向き合ってきた経験は、どのお店でも役に立つ力です。身につけた力を別の店や会社で活かしてみたくなった時は、飲食業界の転職支援サービスに話を聞いてみるのも1つの方法ですよ。

RestLab(PR)

飲食業界で次の職場を探すなら、業界特化の人材紹介に相談

RestLab(レストラボ)は、飲食店を運営する会社が手がける飲食店特化の人材紹介サービスです。飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーが、店長候補を含む幅広い職種の求人とのマッチングや、面接日時・条件の調整をサポートします。

無料RestLabの公式サイトを見る

サービスの内容・利用条件は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

店長とスタッフのコミュニケーションは何から始めればいいですか?

まずは出勤と退勤のあいさつを、名前を添えて全員にすることから始めましょう。慣れてきたら、1日1回具体的なお礼を言うことを足していくと続けやすいです。

店長がスタッフと仲良くなりすぎるのはよくないですか?

仲がいいこと自体は悪くありません。ただ、特定の人とだけ親しくしたり、私的なことに踏み込みすぎたりしないよう、全員に同じように声をかけることを意識しましょう。

話しかけても反応が薄いスタッフにはどうすればいいですか?

無理に雑談を広げず、仕事の確認やお礼を短く伝えるだけで十分です。続けていくうちに、相手から話してくれることも増えていきます。

忙しくて声をかける時間がありません。

朝礼や連絡ノート、退勤時のひと言のように、話す機会をお店の決まりごとにしてみてください。仕組みにしておくと、忙しい週でも途切れにくくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 店長とスタッフのコミュニケーションは、短い声かけの積み重ねで決まる
  • 声かけは「あいさつ・感謝・確認・相談」の4種類に分けると迷わない
  • 感謝は「何に対してのお礼か」を具体的に言う
  • 話題は仕事中心にし、私的なことに踏み込みすぎない
  • 朝礼・連絡ノート・1対1の面談など、話す機会を仕組みにする
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

店長の仕事と役割、売上・シフト・人材育成などの店舗運営、店長に関わる労働のルールや資格、業態別の店長の働き方、店長からの転職までを、現場で使える形に整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次