当サイトの記事は編集部が公的機関の情報や辞書、公表されている統計などの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に転職支援サービスへの案内(広告)を含みます。
『店長って、結局どこまでが自分の仕事なんだろう』。店長を任されたばかりの方も、これから任されそうな方も、一度は考えますよね。
結論から言うと、店長とはその店で一番上の立場にいて、店全体に責任を持つ人のことです。ただ、任される範囲は会社や業態、店の規模でかなり変わります。
この記事を読めば、店長の意味と役割、権限と責任の線引きが1枚の表でつかめます。
店長とは?辞書と国の分類から見た意味
店長の意味は「店員の中で一番上の立場にいる、その店の最高責任者」です。国の職業分類では、店長が主に何をしているかで分類が変わります。
まずは言葉の意味から確かめておきましょう。
辞書(コトバンク掲載のデジタル大辞泉)では、店長は「店員の中で立場が最も上の人。その店の最高責任者。」と説明されています。
精選版 日本国語大辞典でも「店で一番上の地位にある人。その店の最高責任者。」とあります。
どちらも「一番上」「最高責任者」がキーワードなんです。店長という言葉には、売場の担当者というより「店全体を預かる人」という意味が込められているわけですね。
店長ってどんな人?とひと言で聞かれたら
アルバイトの方に「店長って何をする人ですか?」と聞かれることもありますよね。そんな時は、こんなふうに答えると伝わりやすいです。
「このお店のことを最後に決めて、最後に責任を持つ人だよ。困ったことがあったら、最後は店長に相談すればいいからね」
難しい言葉を使わなくても、「最後に決める人」「最後に責任を持つ人」が伝われば十分ですよ。
国の職業分類では「主に何をしているか」で分かれる
国の統計で使う日本標準職業分類(総務省)には、「小売店主・店長」「飲食店主・店長」という分類があります。小売店長は主に商品の仕入・販売など、飲食店長は主に食品材料の仕入・接客などの仕事をする人として書かれています。
一方で、主に経営や管理の仕事をしている店長は「管理的職業従事者」に分類されます。同じ「店長」でも、売場に立つ時間が長いか、管理の仕事が長いかで扱いが変わるわけです。
| 分類の考え方 | 主な仕事 | 分類のされ方 |
|---|---|---|
| 小売店の店長 | 商品の仕入・販売が中心 | 小売店主・店長(販売の職業) |
| 飲食店の店長 | 食品材料の仕入・接客が中心 | 飲食店主・店長(接客の職業) |
| 管理が中心の店長 | 店の経営・管理が中心 | 管理的職業従事者 |
ハローワークで使う厚生労働省編職業分類でも、「小売店店長」「飲食店店長」が並んでいます。どちらの分類も、肩書きより仕事の中身を見ているのがポイントですね。
似た言葉との違いは別記事で
店長と似た言葉には、副店長・店主・オーナー・マネージャー・支配人などがあります。意味が近いので混ざりやすいんです。
副店長との違いは副店長とは?店長との違いで、店主・オーナーとの違いは店長と店主・オーナーの違いで詳しく紹介しています。
店長の役割は「4つの方向」で整理すると分かりやすい
店長の役割は、お客様・スタッフ・数字・会社(本部やオーナー)の4方向に分けると見通しがよくなります。どの方向にも「任されていること」があります。
『店長の仕事って多すぎて、何から手をつければいいか分からない…』。そう感じている方も多いはずです。
実は、店長の役割はばらばらに見えて、向いている先は4つにまとまります。この記事では、お客様・スタッフ・数字・会社の4方向で見ていきますね。
| 向いている先 | 任されていること | 具体的な仕事の例 |
|---|---|---|
| お客様 | 気持ちよく買い物・食事をしてもらう | 売場や客席の状態を保つ、クレームの最終対応、衛生と安全を守る |
| スタッフ | 安心して働けて、育つ場をつくる | 採用、シフト作成、新人教育、声かけと面談 |
| 数字 | 店の売上と費用を見て手を打つ | 売上の確認、人件費と在庫の管理、発注、レジの現金管理 |
| 会社(本部・オーナー) | 方針を店で実行し、店の状況を伝える | 本部の指示を店に落とす、日報と報告、相談と提案 |

この表は、店長として何かに迷った時の地図にもなります。「今の仕事はどの方向のためか」が分かると、優先順位をつけやすくなりますよ。
お客様に対して
お客様に対する役割は、店の「当たり前」を守ることです。売場がきれいで、商品やメニューがそろっていて、安全に過ごせる状態を毎日つくります。
国の職業情報サイト(jobtag)のスーパー店長の説明でも、客の苦情への対応は店の最高責任者として大事な仕事とされています。スタッフでは収まらない場面で前に出るのが店長なんです。
スタッフに対して
スタッフに対する役割は、働きやすさと育つ場をつくることです。jobtag では、スーパー店長の仕事として従業員の編成や採用計画、勤務スケジュールの調整が挙げられています。
『シフトを組むだけで一日が終わる』という日もありますよね。ただ、シフトや教育はスタッフが長く働けるかどうかに直結するので、店長の大事な仕事の一つです。
数字に対して
数字に対する役割は、売上と費用を見て、次の手を考えることです。売上が落ちた日に「なぜだろう」と原因を探し、人件費や在庫のムダを減らします。
jobtag のハンバーガーショップ店長の説明には、店長は企業の社員でありながら担当店舗の「経営者」でもある、という一文があります。営業データの分析や食材の発注などのデスクワークにも責任を持つ、と書かれているんです。
会社(本部・オーナー)に対して
会社に対する役割は、方針を店で実行し、店の様子を正しく伝えることです。チェーン店なら本部、個人店ならオーナーが相手になります。
jobtag のスーパー店長の説明でも、地域のニーズや競合店の動きをつかんで本部に報告することが仕事に入っています。上からの指示を伝えるだけでなく、現場の声を上に届ける役目もあるわけですね。
店長の権限と責任はどこまで?
店長の権限と責任の範囲は、法律で一律に決まっているわけではありません。会社の就業規則や職務の決まり、本部との取り決めで変わります。
『どこまで自分で決めていいの?』は、店長になってすぐぶつかる疑問ですよね。結論から言うと、まずは会社のルールで決まっている範囲を確かめるのが先です。
店長に任されやすい権限と、本部や会社が決めることが多い事柄を、目安として並べてみます。実際の線引きは会社ごとに違うので、自分の会社に当てはめながら見てみてください。
| 項目 | 店長が決めることが多い | 本部・会社が決めることが多い |
|---|---|---|
| シフト | 誰をいつ入れるか | 人件費の予算の枠 |
| 採用 | 面接と人選 | 時給や雇用条件の基準 |
| 売場・メニュー | 並べ方や声かけの工夫 | 扱う商品やメニューそのもの |
| 発注 | 日々の発注量 | 取引先や仕入れの条件 |
| クレーム | その場での対応とおわび | 返金や補償の基準 |
「店長だから全部決められる」とは限らない
店長は店の最高責任者ですが、会社に雇われている店長なら、会社の方針の中で動く立場でもあります。店長の権限は「会社から任された範囲」と考えておくと、迷いが減りますよ。
例えばこんな場面です。スタッフから「時給を上げてほしい」と言われても、時給の基準が本部で決まっているなら、店長ができるのは相談を本部に上げるところまでになります。
「話してくれてありがとう。時給は会社で決めている部分があるから、私から本部に相談してみるね。結果が分かったら、〇日までに伝えるよ」
店長の責任で特に大事な3つ
店長の責任は幅広いですが、特に気をつけたいのは「安全」「お金」「人」の3つです。どれも、何かあった時に店全体に影響が出やすいところなんです。
- お客様とスタッフの安全(衛生・防火・防犯)を守る
- レジの現金や売上の記録を正しく管理する
- スタッフの働く時間や休みを会社のルールどおりに扱う
- お客様やスタッフの個人情報を正しく扱う
個人情報保護法では、事業者は個人データを扱う従業者に対して必要かつ適切な監督をすることになっています。店では、店長がこの監督を任されることが多いですね。
店長は「管理職」?
店長は社内で管理職と呼ばれることが多い立場です。ただ、厚生労働省のパンフレットでは、会社が店長を管理職と位置づけていても、権限や待遇の実態によっては労働基準法の「管理監督者」に当たらない、と説明されています。
肩書きや職位ではなく、立場や権限を踏まえて実態から判断する、という考え方なんです。詳しくは店長は管理職?管理監督者との違いで紹介しています。
最終的な判断は、会社の就業規則や労働基準監督署、専門家に確かめてみてください。
1日の中ではこんな仕事をしている
4方向の役割を、実際の1日に当てはめてみましょう。店長の仕事は、売場や厨房に立つ現場の仕事と、数字や人を管理する仕事の両方です。
どちらに時間を使うかは、店の規模や人の数で変わります。店長の仕事内容は、思っているより幅が広いんです。
jobtag のスーパー店長の説明では、販売促進、人員管理、事務管理、情報収集の4つが主な仕事として挙げられています。
ここでは、多くの店で店長が任される仕事を、ざっくりとした時間の流れで並べてみます。
| 時間帯 | 店長がしていることの例 |
|---|---|
| 開店前 | 売場や厨房の確認、前日の数字の確認、スタッフへの共有 |
| 営業中 | 現場の応援、ピーク時の指示出し、お客様対応、発注 |
| 落ち着いた時間 | シフト作成、面接、新人への声かけ、本部との連絡 |
| 閉店後 | レジ締め、売上の記録、日報、翌日の準備 |
例えばスーパーなら部門ごとの売場の確認、飲食店ならランチやディナーのピークに合わせた仕込みの確認が入ります。
1日の細かい流れは業態でかなり違います。仕事の一覧は店長の仕事内容一覧にまとめているので、あわせて見てみてください。
店長に関わる資格や届出もある
店長の仕事には、法律で決められた役目がからむこともあります。代表的なのが、食品を扱う店の食品衛生責任者と、建物の防火を担う防火管理者です。
食品衛生法の施行規則では、営業者は食品衛生責任者を定めることになっています。防火管理者は、飲食店や店舗などがある建物で収容人員が30人以上の場合などに選任が必要です(東京消防庁の説明)。
jobtag のハンバーガーショップ店長の説明では、昇進試験の合格と「食品衛生責任者」の資格取得を経て店長になるのが一般的とされています。どの資格が必要になるかは店の業態や建物で変わるので、店長に役立つ資格一覧で確かめてみてください。
店長に求められる力と、店長になるまで
店長に求められるのは、人をまとめる力・お客様と向き合う力・数字を読む力です。最初から全部そろっている必要はなく、経験を積みながら身につけていく人がほとんどです。
『自分に店長なんて務まるのかな』と不安になる方もいますよね。実は、jobtag のスーパー店長の説明でも、店長になる道は「企業に入社後、経験を積んで昇進する」のが一般的とされています。
同じ説明の中で、求められる力として対人関係を築く力、商品の目利き、従業員をまとめるリーダーシップ、売上などのデータ分析力が挙げられています。
| 求められる力 | 現場ではこんな場面で使う |
|---|---|
| 人をまとめる力 | 急な欠勤が出た日に、残ったメンバーで回す段取りを決める |
| お客様と向き合う力 | スタッフが対応に困っているお客様のところへ行き、話を聞く |
| 数字を読む力 | 先週より売上が落ちた理由を、時間帯や商品から探す |
| 伝える力 | 本部の方針を、スタッフに分かる言葉で伝える |
店長になる流れの例
店長になるまでの流れは会社によって違いますが、よくあるのは次のような順番です。
- アルバイトや社員として店の仕事を一通り覚える
- 時間帯の責任者や副店長として、店をまとめる経験を積む
- 会社の研修や昇進試験を受ける
- 店長として店を任される

道のりや必要な経験は店長になるにはで詳しく紹介しています。どんな店長がスタッフに慕われるのかは、いい店長とはも参考にしてみてください。
店長になったばかりの頃に、全部を自分でやろうとしてしまうことです。任せられる仕事を副店長やベテランのスタッフに少しずつ渡していくと、店長にしかできない仕事に時間を使えるようになります。
よくある相談:アルバイトから見た「店長」
Yahoo!知恵袋には、アルバイトの方から店長との関わり方についての相談がよく寄せられています。閲覧の多いものから3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。
忙しさやモヤモヤから、店長に対してキレたような態度を取ってしまい、気まずくなっているという相談です。
まず、自分から気づけているのはとても大事なことです。店長は店全体を見ているので、一度の態度だけで人を判断することは少ないものなんです。
次に会った時に、短く謝るのが一番の近道ですよ。
「この前は失礼な言い方をしてしまって、すみませんでした」
「わかった、言いにくかったでしょ。ありがとう」
店長側も、忙しい時ほど言葉が足りなくなることがあります。お互いさまと考えて、普段どおり仕事を続けていけば大丈夫です。
店長との関係が、まわりからどう見えているのか気になっている、という相談です。
店長の役割の中には、スタッフ一人ひとりが安心して働けるようにすることが入っています。だから、どのスタッフにも気を配って声をかけるのは、店長として自然なことなんです。
『特別に見てもらえているのかな』と気になる気持ちは自然です。ただ、店長の声かけは仕事上の役割の面も大きいと知っておくと、気持ちが少し楽になりますよ。
アルバイトの面接で、店長の対応が思っていたのと違い、どう受け止めればいいか迷っている、という相談です。
店長は面接の合間にも、売場や厨房の様子を気にしていることが多いんです。対応が短く感じても、あなたへの評価とは限りません。
気になる点があれば、「働き始める前に確認したいことがあるのですが」と聞いてみてください。シフトや仕事内容をはっきりさせておくと、働き始めてからの行き違いも減りますよ。
店長の仕事を続けるか迷った時は
店長の仕事が合うかどうかは、店や会社によっても変わります。今の店で工夫する道も、別の店で店長を目指す道も、どちらも正当な選択肢です。
『店長の仕事は好きだけど、今の働き方のままでいいのかな』。そう思う時もありますよね。
まずは、今の会社の上司や本部に相談して、仕事の分担や働き方を変えられないか確かめてみてください。異動や担当の変更で、ぐっと働きやすくなることもあります。
- 自分に任されている権限と責任の範囲がはっきりしているか
- 休みや働く時間が会社のルールどおりに扱われているか
- 困った時に相談できる上司や本部の窓口があるか
- 店長として身につけたい力を、今の店で伸ばせそうか
それでも、店長として身につけた力を別の店や会社で活かしたくなることもあると思います。飲食業界で働き方を見直したくなった時は、飲食業界に特化した人材紹介サービスに話を聞いてみるのも一つの方法です。
RestLab(PR)
飲食業界で次の職場を探すなら、業界特化の人材紹介に相談
RestLab(レストラボ)は、飲食店を運営する会社が手がける飲食店特化の人材紹介サービスです。飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーが、店長候補を含む幅広い職種の求人とのマッチングや、面接日時・条件の調整をサポートします。
無料RestLabの公式サイトを見るサービスの内容・利用条件は公式サイトでご確認ください。

よくある質問
店長とはどういう意味ですか?
辞書では「店員の中で立場が最も上の人。その店の最高責任者。」と説明されています。店で一番上の立場にいて、店全体に責任を持つ人のことです。
店長の役割は何ですか?
お客様・スタッフ・数字・会社(本部やオーナー)の4方向に分けると分かりやすいです。お客様に気持ちよく過ごしてもらい、スタッフが働きやすい場をつくり、売上と費用を管理し、会社に店の状況を伝えます。
店長にはどこまで権限がありますか?
法律で一律に決まっているわけではなく、会社の就業規則や職務の決まりで変わります。シフトや面接は店長、時給の基準や扱う商品は本部、という分け方がよく見られます。
店長って資格が要りますか?
店長になること自体に決まった資格はありません。ただ、食品を扱う店では食品衛生責任者、一定の規模の建物では防火管理者など、店の業態や建物によって必要な役目があります。
店長は管理職ですか?
社内で管理職と呼ばれることは多いです。ただ、労働基準法の管理監督者に当たるかどうかは、肩書きではなく権限や待遇の実態で判断されます。
まとめ
- 店長とは、その店で一番上の立場にいる最高責任者のこと
- 国の職業分類では、店長が主に何をしているかで分類が変わる
- 店長の役割は、お客様・スタッフ・数字・会社の4方向で整理できる
- 店長の権限と責任の範囲は、会社のルールや本部との取り決めで変わる
- 管理監督者に当たるかは肩書きではなく実態で判断される





コメント