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同じ質問に毎日答えていて、『そろそろマニュアルを作らないと』と思っている店長さんも多いはずです。でも、いざ白紙を前にすると何から書けばいいか迷いますよね。
結論から言うと、店舗マニュアルの作り方は「よく聞かれることから1枚ずつ書き、4つの棚に分けて置いていく」のが一番続きます。最初から全部そろえなくて大丈夫です。
この記事を読めば、店長がまとめておきたい項目と、そのまま使えるテンプレートの形が分かります。
店舗マニュアルは何のために作るの?
マニュアルは、店長がいない時間でも同じ品質でお店が回るようにするための道具です。新人教育の時間を減らし、スタッフが迷った時に自分で確かめられる場所を作るのが目的です。
店長の仕事は、売場や厨房のことからスタッフの育成まで幅広いですよね。全体像は店長とは?意味と役割でも紹介しています。
その中で、同じ説明を何度もしている部分があれば、そこがマニュアルにすべき所なんです。
マニュアルがあると楽になる場面
例えば、こんな場面を思い浮かべてみてください。
- 夕方のシフトに入った新人が、閉店作業の順番を毎回聞きに来る
- 人によってレジの袋詰めの順番がばらばら
- 急な欠勤で、ふだん担当しない人が開店準備をすることになった
- 店長が休みの日に、お客様からの問い合わせで手が止まる
どれも「書いてあれば、その場で確かめられる」ことばかりですよね。
「マニュアル通り」にしすぎない工夫も要る
『マニュアルを作ると、スタッフが考えなくなるのでは?』と心配する声もあります。実は、そう感じるのは「全部をマニュアルで決めよう」とした時なんです。
| マニュアルで決めること | スタッフに任せること |
|---|---|
| 衛生・安全・お金に関わる手順 | お客様への声かけの言葉選び |
| 開店・閉店の作業の順番 | 混んでいる時の作業の優先順位 |
| 困った時に誰に連絡するか | 売場の小さな工夫やおすすめの伝え方 |
決めるのは「外すと困ること」だけにして、残りは「こうするとうまくいきやすい」という例にとどめておくと、スタッフの工夫が残ります。
店長がまとめておきたい項目は4つの棚に分ける
項目は『毎日の作業』『お客様対応』『もしもの時』『ルール』の4つの棚に分けると、書き漏れに気づきやすくなります。新人に渡す時も「今日はこの棚を読んでおいて」と言えるので便利です。
店長マニュアルというと分厚い冊子を想像しがちですよね。でも、中身を棚ごとに分けてしまえば、1枚ずつ増やしていくだけで形になります。

4つの棚に入れる項目の例
| 棚 | 入れる項目の例 | 読んでほしい時期 |
|---|---|---|
| 毎日の作業 | 開店準備、閉店作業、レジ締め、品出し、清掃、発注の手順 | 初出勤の前後 |
| お客様対応 | あいさつ、案内、会計、電話の受け方、クレームの一次対応 | 初めて接客に出る前 |
| もしもの時 | 急な欠勤、けが、停電、機械の故障、強いお叱りを受けた時、万引きに気づいた時 | 最初の1週間のうち |
| ルール | 身だしなみ、休憩、シフトの出し方、スマホの扱い、個人情報の扱い | 雇い入れの時 |
業態によって中身は変わります。飲食店なら『毎日の作業』に仕込みや衛生のチェック、小売店なら売場の前出しや値札の確認が入ってきます。
飲食店は衛生の記録とつなげておく
飲食店では、食品衛生法の改正で、原則としてすべての食品等事業者に「HACCPに沿った衛生管理」が求められています。令和2年6月1日の施行のあと1年の経過措置があり、令和3年6月1日から本格的に始まりました。
飲食店のような小規模な営業者等は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が対象で、業界団体の手引書を入手し、衛生管理計画を作り、記録をつけることが求められています。毎日の点検の手順をマニュアルの棚に入れておくと、記録と行き来しやすくなりますよ。
衛生のチェックの具体的な進め方は店長の衛生管理で紹介しています。
店舗マニュアルの作り方は5つの手順で進める
いきなり全部を書かず、よく聞かれる質問を集めるところから始めます。1枚書いたら実際の作業で試して、直してから棚に入れる流れです。
『時間がないから、まとまった休みにまとめて作ろう』と考える方も多いですよね。ただ、それだと結局手がつかないまま、ということも。毎日少しずつ進める方が続きます。
- 1週間、スタッフから聞かれたことをメモに書きためる
- 聞かれた回数が多い順に、作る項目を並べる
- 1項目を1枚にまとめて、写真か図を添える
- その作業を一番よく知るスタッフに読んでもらい、直す
- 4つの棚のどこかに入れて、作った日を書いておく

1枚に書くことはこの5つだけ
1枚のマニュアルは、次の5つの欄があれば十分です。
| 欄 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 作業名 | 何のマニュアルか | 閉店時のレジ締め |
| いつ・誰が | 作業のタイミングと担当 | 閉店後、締め担当の社員かリーダー |
| 手順 | 番号つきで1行ずつ | 1. レジを点検モードにする |
| 気をつけること | 間違いやすい所 | 金額が合わない時は数え直す前に店長に連絡 |
| 困った時は | 連絡先と順番 | 店長、副店長の順に電話 |
手順は1行に1つの動作だけにしてみてください。「〜して、〜して」とつなげると、読む人が途中で迷ってしまいます。
写真と言葉はどう使い分ける?
棚の位置や盛り付けのように「見れば分かる」ものは写真、判断が要るものは言葉で書くと伝わります。
写真には、お客様の顔や個人の名前が写らないようにしておきましょう。手元だけ、売場だけを撮ると、使い回しもしやすくなります。
誰が書く?どこに置く?続くマニュアルの運用
店長が1人で全部書く必要はありません。作業に一番くわしいスタッフに下書きを頼み、店長が最後に確かめる形の方が、中身も現場に合います。
『店長が作らないと、責任がとれないのでは』と思いますよね。でも実は、毎日その作業をしている人の方が、つまずきやすい所をよく知っているんです。
例えば、こんな頼み方なら相手も引き受けやすくなります。
「〇〇さん、閉店作業の順番、新人さん向けに箇条書きにしてもらえる?短くて大丈夫だよ」
「分かりました。今週中に書いてみます」
置き場所と更新のルールを決めておく
- 紙で置くか、お店の共有端末で見るかを決める
- バックヤードのどこに置くかを全員に伝える
- 変えた時は日付と変えた所を書き足す
- 古い版はすぐに外して、新しい版だけを置く
- 月に1回、棚ごとに見直す日を決める
マニュアルは作った時が一番新しく、そこから少しずつ現場とずれていきます。見直しの日を決めておくだけで、ずれに早く気づけますよ。
マニュアルは持ち出し方も決めておく
マニュアルには、お店の手順や連絡先が書かれています。辞めるスタッフにマニュアルの返却をお願いする場面もあるので、雇い入れの時に「お店の外には持ち出さない」と伝えておくとスムーズです。
連絡網や個人の電話番号を、誰でも見られるマニュアルに書いてしまうケースです。従業員の情報も個人情報にあたるので、連絡先は別にして、見られる人を絞っておきましょう。
マニュアルを新人教育で生かすには
マニュアルは「渡して終わり」にしないことが大事です。読んでもらう、店長がやって見せる、本人にやってもらう、の順で使うと身につきやすくなります。
『マニュアルを渡したのに、読んでいないみたい』という悩みもよく聞きますよね。新人からすると、どこから読めばいいか分からないことも多いんです。
渡す時のひと言で読まれ方が変わる
| 場面 | 渡す時の言い方の例 |
|---|---|
| 初出勤の前 | 「次の出勤までに、このルールの棚だけ読んでおいてもらえると助かります」 |
| 作業を教える前 | 「今から閉店作業をやって見せるね。この紙と同じ順番だから、見ながら確認してみて」 |
| 慣れてきた頃 | 「この手順で分かりにくかった所があったら、書き込んでおいてね」 |
最後の一言は特におすすめです。新人の書き込みは、次の新人にとって一番分かりやすい直し方のヒントになります。
教え方の順番については店長の新人教育・人材育成でくわしく紹介しています。
お客様対応の棚は練習とセットで
お客様対応は、読んだだけではなかなか言葉が出てきません。クレームの一次対応のように緊張する場面ほど、言い方の例を声に出して練習しておくと安心です。
呼ばれた時の流れや言い方の例は店長のクレーム対応も参考にしてみてください。
強いお叱りが続く時は、1人で対応させずに店長や責任者を呼ぶ、と書いておきましょう。厚生労働省は、カスハラへの対処として、管理監督者に指示を仰ぐことや、できる限り1人で対応させないことなどを周知するよう示しています。
店長とマニュアルのよくある相談
Yahoo!知恵袋にも、店長とマニュアルにまつわる相談が寄せられています。閲覧の多い相談から3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。
マニュアルどおりに動いていたら、店長から「マニュアル人間だ」と言われて戸惑っている、というアルバイトの方の相談です。
マニュアルを守るのは、とても大事なことです。ただ、店長は「マニュアルに書いていない場面で、もう一歩考えてほしい」と伝えたかったのかもしれません。
店長の側も、どこまでが決まりで、どこからが任せたい所なのかを言葉にしておくと、すれ違いが減ります。先ほどの「決めること」と「任せること」の表を、マニュアルの最初に入れておくのもいい方法ですよ。
「読んでください」とマニュアルが送られてきたけれど、返信すべきか迷っている、という相談です。
返信は短くて大丈夫です。「ありがとうございます。次の出勤までに読んでおきます」と返せば、店長も届いたことが分かって安心します。
店長の側から送る時は「読んだら一言だけ返してね」と添えておくと、相手も迷わずに済みます。
退職したあとに、店長からマニュアルブックと書類の返却をお願いされた、という相談です。
マニュアルはお店の持ち物なので、返却をお願いされたら応じておきましょう。店長の側は、持ち出しのルールを雇い入れの時に伝えておくと、こうしたやり取りの手間を減らせます。
作ったマニュアルを、次の場所でも生かしたくなったら
マニュアルを作り上げた経験は、お店の仕組みを整える力そのものです。その力を別の店や会社で活かしてみたくなった時は、飲食業界の転職支援サービスに話を聞いてみるのも1つの方法ですよ。
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よくある質問
店舗マニュアルは何から作ればいいですか?
スタッフからよく聞かれることから作るのがおすすめです。1週間ほど質問をメモに書きため、回数の多い順に1項目ずつ1枚にまとめていきましょう。
店長マニュアルは店長が1人で書くべきですか?
1人で全部書かなくて大丈夫です。作業にくわしいスタッフに下書きを頼み、店長が最後に確かめる形の方が、現場に合った内容になります。
マニュアルは紙とデータのどちらがいいですか?
お店の環境に合わせて選べば大丈夫です。どちらにしても、置き場所を全員に伝え、古い版を残さないことが大切です。
マニュアルを作ると、スタッフが自分で考えなくなりませんか?
決めるのを「外すと困ること」だけにすれば、工夫の余地は残ります。決まりと任せる所を分けて書いておくと、スタッフも動きやすくなります。
まとめ
- 店舗マニュアルは、店長がいなくても同じ品質でお店を回すための道具
- 項目は『毎日の作業』『お客様対応』『もしもの時』『ルール』の4つの棚に分ける
- よく聞かれることから1枚ずつ作り、スタッフに読んでもらって直す
- 置き場所と更新の日を決め、古い版は残さない
- 新人には棚を指定して渡し、やって見せてから任せる





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