新任店長が最初の1か月でやること|着任前から100日の進め方

新任店長が最初の1か月でやることを紹介する記事のアイキャッチ。バックヤードの事務机と引き継ぎノート

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来月から新しいお店の店長に決まった。うれしい反面、『最初に何をすればいいのか分からない』と不安になっている方も多いはずです。

結論から言うと、新任店長の最初の1か月は「変える」より「知る」に使えば大丈夫です。お店の数字とルール、スタッフ一人ひとりを知ってから動くほうが、結局は早く店がまとまります。

この記事を読めば、着任前から3か月目までにやることと、あえて「まだやらないこと」、店長就任の挨拶の例文が分かります。

目次

新任店長がまず知っておきたいこと

先に結論

最初の1か月は、お店のいまを知る期間です。やり方を変えるのは、数字とスタッフの話を一通り聞いてからにしましょう。

新しく店長になると、『早く結果を出さなきゃ』と気持ちが焦りますよね。その気持ちはとても自然です。

ただ、着任してすぐにルールを変えると、スタッフは戸惑います。「前のやり方の何がだめだったの?」と受け取られてしまうこともあるんです。

店長の仕事は、売場や人、お金、本部とのやり取りまで幅広いです。仕事の全体像は店長の仕事内容一覧で確認できます。

着任直後にやりがちなことと、まずやりたいこと

着任直後にまずやりたいこと
  • スタッフの名前と働く時間帯を覚える
  • 前任者から引き継いだ数字とルールを読む
  • 1日の流れを、すべての時間帯で見て回る
  • 困っていることを聞いて、メモに残す
着任直後は控えたいこと
  • 前の店のやり方を、そのまま持ち込む
  • シフトや役割分担を、いきなり組み替える
  • 前任者のやり方を、スタッフの前で否定する
  • 結論を急いで、話を最後まで聞かずに決める

例えば、こんな会話になりがちです。

「前の店では、こうやっていたんだけどな」
「……ここでは、ずっとこのやり方なんです」

悪気がなくても、スタッフには「今までを否定された」と聞こえることがあります。前の店の話は、少し落ち着いてからにしておきましょう。

着任前・1週目・1か月目・3か月目にやること

時間軸で「やること」と「まだやらないこと」を分ける

新任店長の100日は、大きく4つの時期に分けられます。時期ごとに「やらないこと」も決めておくと、焦って手を広げずに済みます。

『全部いっぺんにやらなきゃ』と思うと、手が止まってしまいますよね。時期ごとに区切ると、今やることがはっきりします。

時期やることまだやらないこと
着任前前任者から引き継ぎを受ける。数字・スタッフ・お客様・設備の資料を読む変えたいことのリストを作り込む
1週目挨拶をする。全員と短く話す。すべての時間帯を見て回るシフトや役割分担の組み替え
1か月目数字を見て、困りごとを整理する。小さな改善を1つ試す大きなルール変更、人の配置換え
3か月目お店の目標を決めて共有する。任せる仕事を決める一度に複数の大きな変更
新任店長の着任前・1週目・1か月目・3か月目にやることを時間軸で並べた図解

着任前:引き継ぎで聞いておくこと

着任前の引き継ぎは、店長の仕事でいちばん情報が集まる時間です。前任者に聞けるうちに、できるだけ多く聞いておきましょう。

引き継ぎで聞いておきたいこと
  • 売上・人件費・在庫など、毎日と毎月見ている数字
  • スタッフ一人ひとりの勤務の希望と、得意な仕事
  • よく来てくださるお客様と、過去にあったお問い合わせ
  • 設備や機械の不調、業者さんの連絡先
  • 本部への報告の締め切りと、提出物の形
  • 店長の名前で選任している資格や届出があるか

引き継ぎの時間が短い時は、「これだけは聞いておきたい」を3つに絞って先に聞いてみてください。

引き継ぎがほとんどない時は

前任の店長がすでに別のお店へ移っていて、引き継ぎの時間が取れないこともありますよね。そんな時は、お店に長くいるスタッフが一番の先生になります。

『いきなり頼ってもいいのかな』と迷うかもしれません。でも、頼られてうれしいと感じるスタッフも多いものです。

「前の店長の時は、発注は誰が担当していましたか」
「〇〇さんが、曜日ごとに分けてやってくれていました」

こうして1つずつ聞いていけば、引き継ぎ資料がなくてもお店の流れは見えてきます。分からないことは、電話で前任者に確認できるか、本部に相談しておくと安心です。

1週目:全員と話し、全部の時間帯を見る

1週目は、スタッフ全員と少しずつ話すことを目標にします。長い面談でなくても、休憩前の数分で十分です。

朝・昼・夕方・閉店と、すべての時間帯に一度は入ってみましょう。時間帯ごとに、困りごとがまったく違うことに気づくはずですよ。

着任初日の動き方の例
  1. 開店前に、前任者やリーダーと一緒にお店を一回りする
  2. 朝礼で、短く就任の挨拶をする
  3. 出勤してきたスタッフに、名前を呼んで声をかける
  4. ピークの時間は、指示を出すより一緒に動いて流れを見る
  5. 閉店後に、気づいたことを箇条書きでメモに残す

初日のメモは、1か月後に読み返すととても役に立ちます。慣れてしまうと見えなくなることが、初日にはたくさん見えているからです。

声のかけ方は、こんな短いもので十分です。

「〇〇さん、今日はよろしくお願いします。分からないことがあったら聞かせてくださいね」
「レジ締め、いつもどんな順番でやっていますか。今日は横で見させてください」

1か月目:数字を見て、小さく1つ試す

1か月たつと、数字の動きと、スタッフの困りごとが見えてきます。ここで初めて、小さな改善を1つだけ試します。

例えば「レジ横の備品の置き場所を決める」くらいの大きさがちょうどいいです。うまくいったら、「〇〇さんの案でやってみたら、探す手間が減りました」と全員に伝えましょう。

3か月目:目標を決めて、任せる

3か月目には、お店の目標を決めてスタッフと共有します。目標の立て方は、売上のような数字の目標と、行動の目標を分けると考えやすいです。

同時に、少しずつ仕事を任せていきます。全部を店長が抱えたままだと、長く続けるのがつらくなってしまいますからね。

店長就任・着任の挨拶の仕方と例文

挨拶は「名前・意気込み・お願い」の3つで短く

着任の挨拶は、長く話す必要はありません。名前と、どんなお店にしたいかを一言、それに「教えてください」というお願いを添えれば十分です。

『最初の挨拶で何を話せばいいの?』と悩む方は多いですよね。店長の挨拶は、立派な話より、聞く姿勢が伝わることのほうが大事なんです。

店長就任の挨拶を名前・意気込み・お願いの3つで組み立てる図解

スタッフへの店長就任の挨拶

朝礼やミーティングで話す時の例文です。1分ほどで話せる長さにしています。

朝礼での就任の挨拶の例

本日から店長を務めます〇〇です。前の店では主に売場を担当していました。

このお店のことは、まだ分からないことばかりです。しばらくは、みなさんに教えてもらいながら覚えていきます。

困っていることや、こうしたらいいと思うことがあれば、いつでも声をかけてください。よろしくお願いします。

朝礼の話し方のコツは店長の朝礼・ミーティングのネタと進め方でも紹介しています。

場面別の挨拶の言い方

場面相手言い方の例
1対1で話す時スタッフ「〇〇さん、今日から店長になった△△です。〇〇さんはこのお店、長いんですか?」
年上のスタッフにベテランのパートさん「分からないことだらけなので、いろいろ教えてください。頼りにしています」
前任の店長に前任者「引き継ぎ、ありがとうございました。迷った時は相談させてください」
本部や上司にエリアの担当者「本日着任しました。まずはお店の現状を確認して、来週ご報告します」
取引先に業者さん「このたび店長になりました△△です。今後ともよろしくお願いいたします」

お客様への就任の挨拶

常連のお客様が多いお店では、店頭の掲示や手紙で店長の交代を知らせることもあります。会社に決まった形があれば、それに合わせましょう。

お客様向けの掲示・手紙の例

いつも当店をご利用いただき、ありがとうございます。このたび〇月より、店長を務めることになりました△△です。

これまでと変わらず、気持ちよくお過ごしいただけるお店づくりに努めてまいります。お気づきのことがあれば、お気軽にお声がけください。

LINEやメッセージでの挨拶

スタッフ全員がそろう機会が少ないお店では、連絡用のグループで先に挨拶しておくのもいい方法です。

グループでの着任の挨拶の例

本日から店長になりました△△です。シフトで一緒になった時に、改めてご挨拶させてください。困っていることがあれば、ここでも直接でも気軽に声をかけてくださいね。

着任してすぐ確かめたいお店のルールと届出

名前が関わる届出と、働き方のルールは早めに確認

店長が交代すると、店長の名前で選任している届出の見直しが必要になる場合があります。働き方のルールも、着任してすぐ確かめておきましょう。

『数字やスタッフのことで手一杯で、届出までは気が回らない』という方もいますよね。ここは本部の担当者に一緒に確認してもらうと安心です。

店長の名前が関わる資格・届出

お店によっては、店長が次のような役割を担っていることがあります。前任者が担っていた役割を、誰が引き継ぐのかを確かめておきましょう。

確かめておきたい資格・届出
  • 食品衛生責任者:食品を扱う営業では、営業者が定めることになっている
  • 防火管理者:飲食店や店舗など、収容人員30人以上の建物では選任が必要
  • 酒類販売管理者:酒類を小売りする販売場ごとに選任し、選任・解任から2週間以内に税務署へ届け出る
  • 自分が資格を持っていない場合、講習を受ける予定を立てる

酒類販売管理者は、過去3年以内に研修を受けた人から選ぶ決まりです。くわしい取り方は店長に役立つ資格一覧で紹介しています。

お店の数字は「いつもの動き」を先に知る

着任してすぐの数字は、良い悪いを判断するより、いつもの動きを知るために見ます。曜日や時間帯ごとの売上、人件費、在庫の増え減りを、まずは眺めるだけで大丈夫です。

『前の店より数字が低い気がする』と感じても、立地もお客様も違うので比べなくていいんです。前の年の同じ月や、先月と比べてみると、お店の流れがつかみやすくなります。

数字の見方は店長の売上管理や店長の人件費管理でくわしく紹介しています。

働き方のルールも確かめる

スタッフの働き方のルールも、早めに把握しておきたいところです。法定労働時間は1日8時間・1週40時間で、それを超えて働いてもらうには36協定の届出が必要です。

着任直後のよくある失敗

前のお店と同じ感覚で残業をお願いしてしまうケースです。お店ごとの36協定の内容や、シフトの決め方のルールは会社によって違うので、就業規則と本部の担当者に確かめておきましょう。

店長自身の働き方が気になる方は、店長は管理職?管理監督者との違いもあわせて読んでみてください。最終的な判断は、会社の就業規則や労働基準監督署などに確認するのが確実です。

スタッフとの関係づくりは「聞く」から始める

最初の面談は「教えてもらう」つもりで

着任してしばらくは、スタッフ一人ひとりと短く話す時間をとりましょう。店長から話すより、相手の話を聞く時間を長くするのがコツです。

『いきなり面談なんて、スタッフも構えるかな』と心配になりますよね。かしこまった場を作らなくても、休憩前の数分で大丈夫です。

新任店長がバックヤードでスタッフと短く話す場面のイメージ写真

最初の面談で聞くことの例

聞くこと聞き方の例分かること
働き方の希望「入れる曜日や時間帯で、希望はありますか」シフトの組み方
得意な仕事「このお店で、一番得意な作業は何ですか」任せられる仕事
困っていること「やりにくいと感じていることはありますか」最初に手をつけること
お店のいいところ「このお店の、残したいところはどこですか」変えないほうがいいこと
店長への希望「店長に、こうしてほしいことはありますか」関わり方のヒント

「残したいところ」を聞いておくと、変えてはいけないものが分かります。新任店長の失敗を防ぐ、大事な質問なんです。

前任者のやり方との付き合い方

前任者のやり方に違和感があっても、すぐに否定しないことが大切です。そのやり方には、お店の事情があったのかもしれません。

変えたい時は、まずスタッフに理由を聞いてみてください。

「このやり方には、何か理由があるんですか」
「前に、ここで在庫が合わなくなったことがあって……」

理由を聞けば、変えるべきかどうかの判断がしやすくなりますよ。スタッフとの話し方のコツは店長とスタッフのコミュニケーションでも紹介しています。

年上のスタッフや経験の長いスタッフには

経験の長いスタッフには、お店のことを教えてもらう立場で接すると関係がつくりやすいです。年上のスタッフとの接し方は若い店長が年上のスタッフとうまくやるにはにまとめています。

新人教育の進め方を見直したい時は、店長の新人教育・人材育成も参考にしてみてください。

新任店長によくある相談

Yahoo!知恵袋にも、店長の就任についての相談が寄せられています。閲覧の多いものから3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:店長に就任した家族の代わりに、お客様への報告の手紙を考えたい

家族が店長に就任し、お客様に報告の手紙を出すことになった。引き継ぎで忙しく、内容を考える時間がない、という相談です。

お客様への手紙は、「お礼・就任の報告・これからの意気込み・結びの挨拶」の4つがそろえば十分です。上の「お客様向けの掲示・手紙の例」を土台に、お店らしい一言を足してみてください。

会社によっては、決まった文面や出し方があります。出す前に、本部や上司に一度見てもらうと安心ですよ。

相談2:店長になったが、部下の指導がうまくいかず辞めたい

店長職に就いたものの、部下への指導がうまくできず、会社や周りに迷惑をかけているようでつらい、という相談です。

就任したばかりの頃に指導がうまくいかないのは、よくあることです。まずは、すべてを1人で背負わなくていいと知っておいてください。

上司や先輩の店長に「どう教えていましたか」と聞くだけでも、気持ちが軽くなることがあります。つらさが続く時の向き合い方は店長がつらい・きつい時にで紹介しています。

相談3:よく行くお店の店員さんが店長に就任する。お祝いはどうする?

お客として通っているお店で、担当してくれていた店員さんが店長に昇格する。お祝いをしたいけれど、どうすればいいか、という相談です。

お客様から声をかけてもらえるのは、新任店長にとってとてもうれしいことです。大きな贈り物より、「店長就任おめでとうございます」という一言やカードが気持ちよく受け取ってもらえます。

お店によっては、お客様からの贈り物の受け取りに決まりがあることも。迷った時は、言葉で伝えるのが一番ですよ。

相談から分かる、新任店長が心がけたいこと
  • 挨拶や報告は、短くても気持ちが伝わる形でする
  • 指導がうまくいかない時は、1人で抱えずに相談する
  • お客様からの声かけには、感謝を言葉で返す

店長になった経験は、この先の力にもなる

新しいお店をまとめた経験は、どこへ行っても強みになります。いつか、この経験を別の店や会社で活かしたくなる時も来るかもしれません。

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よくある質問

新任店長は、最初の1か月で何をすればいいですか?

お店の数字とルールを確かめ、スタッフ全員と話し、すべての時間帯を見て回ることから始めましょう。やり方を大きく変えるのは、1か月たって状況が分かってからで大丈夫です。

店長就任の挨拶は、何を話せばいいですか?

名前、どんなお店にしたいかを一言、「教えてください」というお願いの3つで十分です。1分ほどで話せる長さにまとめると、聞く側も受け取りやすくなります。

着任してすぐにルールを変えてもいいですか?

急ぎの安全や衛生に関わることを除いて、最初はスタッフに理由を聞いてから判断するのがおすすめです。今のやり方には、お店の事情があることも多いからです。

店長が替わったら、届出の手続きは必要ですか?

店長が食品衛生責任者や防火管理者、酒類販売管理者を担っている場合は、見直しが必要になることがあります。酒類販売管理者は選任・解任から2週間以内に税務署へ届け出るので、本部の担当者に早めに確かめましょう。

年上のスタッフにはどう接すればいいですか?

お店のことを教えてもらう立場で、敬語で話すのが基本です。経験を頼りにしていると伝えると、関係がつくりやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 新任店長の最初の1か月は「変える」より「知る」に使う
  • 着任前・1週目・1か月目・3か月目で、やることと「まだやらないこと」を分ける
  • 就任の挨拶は「名前・意気込み・お願い」の3つで短く
  • 店長の名前が関わる資格・届出と、働き方のルールは着任後すぐ確かめる
  • スタッフとの関係は、面談で「聞く」ことから始める
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店長ドットコム 編集部

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