バーの店長の仕事|お酒の知識と夜の店づくり

バーの店長の仕事を紹介する記事のアイキャッチ。開店前のバーのカウンターとグラス

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バーの店長を任されることになって、『お酒にくわしくないと務まらないのでは?』と不安になっていませんか。カウンター越しの会話も、お店の雰囲気づくりも、全部が店長の腕にかかっているように感じますよね。

結論から言うと、バーの店長の仕事は「お酒と仕入れ」「カウンターの会話」「店の管理」の3つに分けて考えると、何から身につければいいかが見えてきます。

この記事を読むと、バーの店長が夜のお店をどう作り、スタッフと自分の働き方をどう守ればいいかが分かります。

目次

バーの店長はどんな仕事をしている?

先に結論

バーの店長は、お酒の味とお店の空気を守りながら、売上やスタッフ、衛生まで受け持つお店の責任者です。カウンターに立つ時間が長いぶん、お客様との会話がお店の印象を大きく左右します。

辞書では、店長は「その店の最高責任者」と説明されています。精選版 日本国語大辞典では、マネージャーを「ホテル・バー・レストランなどの支配人」と説明していて、バーを任される人の呼び方は店長、マネージャー、支配人とお店によってさまざまです。

国の職業分類では、飲食店の店長の例に「飲食店マスター」という呼び方も挙がっています。バーで「マスター」と呼ばれる人も、お店をまとめる立場という意味では店長と同じなんです。

個人のバーと、会社が運営するバーの違い

バーには、店長がお店の持ち主でもある個人店と、会社が運営していて店長が雇われている形があります。どちらかで、店長が決められる範囲が変わってきますよね。

見るところ個人のバーに多いこと会社が運営するバーに多いこと
お酒の品ぞろえ店長の好みや考えで選べる会社の決めた品ぞろえを中心に、少し店長の色を足す
仕入れ取引先を自分で決めることもある決められた取引先から発注する
数字の責任利益まで自分で受け止める売上や経費の目標を会社と決めて追う

店長と店主・オーナーの違いは店長と店主・オーナーの違いでくわしく紹介しています。

お酒と仕入れ・カウンターの会話・店の管理の3つで見る

3つのうち、どれか1つに偏らないことが大事

バーの店長の仕事は「お酒と仕入れ」「カウンターの会話」「店の管理」の3つに分けられます。お酒が好きな人ほど1つ目に力が入りがちですが、残りの2つもお店が続くための土台なんです。

『お酒の知識さえあれば、店長はなんとかなる?』と思う方もいるかもしれませんね。ただ、実際に店長の時間を使うのは、会話と管理のほうだったりします。

バーの店長の仕事をお酒と仕入れ・カウンターの会話・店の管理の3つに分けて示した図解

お酒と仕入れ

お酒の在庫は、種類が多いぶん、少しずつ減っていくものが把握しにくいですよね。気づいたら看板の1杯が作れない、ということも起こりがちです。

お酒と仕入れの毎日のチェック
  • よく出るお酒の残りが、次の発注まで足りるかを確かめる
  • 開けたボトルの状態と、使う順番を確かめる
  • 果物や氷、炭酸など、毎日使う材料をそろえる
  • グラスや道具が、すぐ使える状態かを見る
  • 新しく入れたお酒の特徴を、スタッフに伝える

お酒の知識は、働きながら少しずつ増やしていけば大丈夫です。スタッフと一緒に新しいお酒を味見して、説明の言葉をそろえておくと、誰が立っても同じように案内できますよ。

カウンターの会話

バーのカウンターは、お客様と店長の距離がとても近い場所です。話したい方もいれば、静かに飲みたい方もいるので、相手に合わせた声のかけ方が求められます。

カウンターでの声かけの例文

「今日はどんな気分のお酒にしましょうか」
「甘さは控えめと、しっかりめ、どちらがお好みですか」
「お水もお持ちしますね。ゆっくりお過ごしください」

例えばこんな場面です。1人で来たお客様が、グラスを見つめて静かに飲んでいる。こういう時は、無理に話しかけず、グラスが空きそうなタイミングで「次はどうしましょう」とだけ声をかけるのも気配りの1つです。

店の管理

夜のお店でも、売上の確認、スタッフのシフト、衛生、レジ締めといった管理の仕事は昼のお店と変わりません。営業が終わってからの事務が後回しになりやすいのが、夜のお店ならではの悩みです。

開店前のバーのカウンターでグラスを磨く手元をイメージした写真

締めの作業は、手順を決めて毎日同じ順番でやると、遅い時間でもミスが減ります。

閉店後の締めの順番の例
  1. 最後のお客様をお見送りしてから、看板と入口の明かりを落とす
  2. グラスと道具を洗い、次の日に使える状態に戻す
  3. お酒と材料の残りを見て、発注が要る物をメモする
  4. レジを締めて、売上とお金の数が合っているかを確かめる
  5. 火の元と冷蔵庫の温度を見てから、戸締まりをする

『夜遅くて疲れているから、明日でいいかな』と思う日もありますよね。ただ、順番を紙に書いて貼っておくと、迷わず手が動くので、かえって早く帰れるんです。

バーも飲食店営業の1つなので、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象です。氷や果物、グラスの扱いも、衛生管理計画に沿って毎日の記録をつけておくと安心ですよ。

居酒屋の店長とバーの店長はどう違う?

同じ夜のお店でも、大事にするところが違う

居酒屋とバーは、どちらもお酒を楽しむお店です。ただ、お客様の人数や過ごし方が違うので、店長が力を入れるところも変わってきます。

『居酒屋で働いた経験は、バーでも活きる?』と気になる方も多いはずです。結論から言うと、夜の営業の回し方やスタッフのまとめ方は、そのまま活きる場面がたくさんあります。

比べるところ居酒屋の店長バーの店長
お客様の人数団体や宴会もあり、席数が多い1人や少人数が中心で、席数が少なめ
店長の立ち位置ホールと厨房の全体を見て動くカウンターに立ち、お客様と向き合う時間が長い
料理とお酒料理とお酒の両方を回すお酒が中心で、1杯ずつの仕上がりを大事にする
スタッフアルバイトの人数が多い少人数で、店長が直接教えることが多い
大事な力段取りとスピード会話の距離感と、お店の空気づくり

居酒屋の店長の仕事は居酒屋の店長の仕事で、飲食店全体に共通する仕事は飲食店の店長の仕事内容で紹介しています。

居酒屋からバーへ移る時に、新しく身につけたいこと

バーで店長を任される前の準備
  1. よく出るお酒の種類と、作り方の基本を覚える
  2. カウンター越しの声かけを、先輩の様子を見て学ぶ
  3. 少人数のお店でのシフトの組み方を知る
  4. 締め作業とレジの手順を、1人でもできるようにする

夜のお店で守りたい時間のルールと店長の働き方

夜の営業ほど、時間のルールを先に決めておく

バーは夜遅くまで営業することが多いので、スタッフの勤務時間と休憩、店長自身の働き方に気を配りたいところです。

例えば、閉店後にグラスを片付けながら、スタッフと「今日も遅くなっちゃったね」と話す場面。こういう日が続くと、スタッフにも店長にも疲れがたまってしまいますよね。

夜のお店のシフトで確かめること
  • 18歳未満のスタッフを、22時から翌朝5時の深夜に入れていない
  • 22時から翌朝5時の深夜の勤務に、割増賃金がつく形になっている
  • 6時間を超える勤務には45分以上、8時間を超える勤務には1時間以上の休憩がある
  • 閉店後の片付けや締めの時間も、勤務時間に入れている

厚生労働省のパンフレットでは、管理監督者であっても、深夜業(22時から翌日5時まで)の割増賃金は支払う必要があると説明されています。店長自身も、深夜の働き方のルールの外にいるわけではないんです。

最終的な判断は、会社の就業規則や労働基準監督署、専門家に確認しましょう。スタッフの時間のルールはアルバイトの労働時間と休憩のルールでくわしく紹介しています。

よくある失敗

お客様が残っているからと、閉店時間を毎日のように延ばしてしまうこと。スタッフの帰りが遅くなり、翌日の準備にも響きます。ラストオーダーの時間を決めて、お客様にもやわらかく伝えておきましょう。

働き方を見直したくなった時は

夜のお店で、お酒の知識と会話の力を磨いてきた経験は、ほかの飲食店でも活きるものです。『昼の営業のお店も経験してみたい』と思う時もありますよね。

今の会社で働く時間帯や異動を相談するのも、1つの方法です。そのうえで外の話も聞いてみたい時は、飲食店特化の人材紹介サービスであるRestLabのような相談先もあります。飲食業界にくわしいキャリアアドバイザーがマッチングを行い、面接日時の調整や条件の交渉も代わりに行うと案内されています。

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バーの店長によくある相談

Yahoo!知恵袋には、バーの店長についての相談も寄せられています。お客様側からの相談が多いのがバーらしいところです。閲覧の多いものから3つを選び、店長の目線でお答えしますね。

相談1:バーの店長が、お客さんとSNSのメッセージを続けるのは普通?

バーの店長とSNSでやり取りが続いていて、どういう気持ちなのか知りたい、というお客様側の相談です。

バーの店長にとって、お客様とのやり取りは、またお店に来てもらうための大事なつながりでもあります。お店のお知らせを兼ねて、SNSでお客様と連絡を取る店長もいますよね。

ただ、店長の側から見ると、お客様との距離感はとても気をつかうところです。お店として連絡を取るなら、どこまでのやり取りにするかを自分の中で決めておくと、お客様にも誤解を与えにくくなります。

相談2:バーの店長から、いつも名刺をもらうのはなぜ?

いろいろなバーで、店長から毎回のように名刺をもらうけれど、どういう意味があるのか、という相談です。

名刺は、お店と自分の名前を覚えてもらうための、店長のあいさつのようなものです。バーは1人で来るお客様も多いので、「また来てくださいね」という気持ちを形にして渡しているんです。

店長の立場なら、名刺を渡す時に「次はお好みのお酒をご用意しておきますね」とひと言添えると、印象に残りやすくなりますよ。

相談3:行きつけのバーの店長の誕生日に、喜ばれる物は?

いつもお世話になっているバーの店長に、お祝いを渡したいという相談です。

お客様からのお祝いは、店長にとってうれしいものです。ただ、お店の決まりで、お客様からの贈り物を受け取れないこともあります。

迷った時は、お店で1杯注文して「おめでとうございます」と伝えるのも、店長にとってはうれしいお祝いの形です。店長の側から見ても、お店に来てもらえることが一番の励みなんです。

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バーで身につけた、お客様との距離のとり方や、少人数でお店を回す力は、レストランやカフェなど、ほかの飲食店でも活かせます。

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よくある質問

バーの店長には資格が要りますか?

店長になるための資格はありません。ただ、飲食店では食品衛生責任者を定めることになっていて、店長がその役を担うことがよくあります。講習を受けて取得できます。

お酒にくわしくなくても、バーの店長になれますか?

最初から全部を知っている必要はありません。よく出るお酒から覚えていき、働きながら少しずつ知識を増やしていけば大丈夫です。会話やお店の管理の力も、同じくらい大切です。

バーの店長とマスターは、何が違いますか?

呼び方の違いです。国の職業分類でも、飲食店の店長の例に「飲食店マスター」が挙がっています。お店の持ち主かどうかは、呼び方ではなくお店の形で変わります。

バーの店長も衛生管理の記録をつけるのですか?

はい。飲食店営業は、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象です。業界団体の手引書をもとに衛生管理計画を作り、毎日の記録をつけていきます。

まとめ

この記事の要点
  • バーの店長は、お酒の味とお店の空気を守りながら、売上やスタッフ、衛生まで受け持つ責任者
  • 仕事は「お酒と仕入れ」「カウンターの会話」「店の管理」の3つに分けて考える
  • 居酒屋との違いは、お客様の人数と、カウンターでお客様と向き合う時間の長さ
  • 22時から翌朝5時の深夜の働き方は、店長もスタッフもルールを確かめておく
  • お客様との距離感は、店長の側で決めておくと誤解を生みにくい
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

店長の仕事と役割、売上・シフト・人材育成などの店舗運営、店長に関わる労働のルールや資格、業態別の店長の働き方、店長からの転職までを、現場で使える形に整理している情報サイトです。 公式サイト

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