店の防犯と万引き対策|店長が日ごろからできること

店長が日ごろからできる万引き対策を紹介する記事のアイキャッチ。見通しのよい売場と防犯ミラー

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棚の商品が合わないたびに、『また万引きかな』とモヤモヤしていませんか。店長として何とかしたくても、ずっと売場に張りついているわけにもいかないですよね。

結論から言うと、店長の万引き対策は「見通し」「声かけ」「仕組み」「もしもの時」の4つに分けて、できる所から整えていくのが近道です。どこまでやるかは業態や会社のルールで変わるので、店の状況に合わせて選べば大丈夫ですよ。

この記事を読めば、明日から店内で確かめられるチェックリストと、スタッフと一緒に使える声かけの言い方が分かります。

目次

店長の万引き対策は「させない店」づくりから

先に結論

万引きは、見つけて捕まえるより「この店ではやりにくい」と思わせる方が、店もスタッフも負担が少なく済みます。まずは声かけと売場の見通しから手をつけてみてください。

『捕まえないと減らないのでは』と思う方もいるはずです。ただ、警視庁は「万引きをしない させない 見逃さない」という呼びかけをしていて、未然に防ぐことに力を入れています。

実は、警視庁の調査の分析では、万引きをあきらめるきっかけとして「店員の声掛け」を挙げた人が、少年・成人・高齢者のどの世代でも多くいました。警視庁は、声かけは未然防止にとても有効だとしています。

詳しくは警視庁「挨拶・声掛け」から始める万引き未然防止対策にまとめられています。

店長ひとりで抱えなくていい

万引き対策というと、店長が売場を見回る姿を思い浮かべますよね。でも、店長がいない時間の方がずっと長いはずです。

だからこそ、誰がシフトに入っていても同じように動ける形にしておくことが大事なんです。店長の役目は、見張ることより「みんなが動ける決まりを作ること」だと考えてみてください。

店長が自分でやることスタッフと分け合うこと
売場の配置や死角の見直し入店時のあいさつと声かけ
高額商品の置き方の決定時間帯ごとの売場の見回り
もしもの時の手順づくり気づいたことの共有
本部や警察との連絡窓口決めた手順どおりの初動

防犯を4つに分けた店内チェックリスト

4つに分けると抜けが見える

防犯の工夫は「見通し」「声かけ」「仕組み」「もしもの時」に分けると、自分の店で足りない所が分かりやすくなります。全部を一度にやらなくても大丈夫です。

警察庁が作った「ドラッグストアにおける防犯対策指針」では、人の動き・設備・商品の置き方・被害が起きた時の対応に分けて対策が並べられています。業態が違っても、この分け方はそのまま参考になりますよ。

この記事では、店長が毎日の中で見直しやすいように、4つの箱に入れ直してみました。

防犯を見通し・声かけ・仕組み・もしもの時の4つに分けた店内チェックリストの図解
見通し(売場が見えているか)
  • 棚の高さや積み上げで、レジから見えない通路がないか確かめる
  • 防犯ミラーで死角が映っているか、角度を確かめる
  • 照明が切れて暗くなっている場所がないか見て回る
  • 入口と出口が、スタッフの立ち位置から見えるか確かめる
声かけ(お客様に目を向けているか)
  • 入店したお客様に、顔を見てあいさつしているか
  • 品出し中も、近くのお客様に「いらっしゃいませ」と声をかけているか
  • 長く同じ場所にいるお客様に「お探しの物はありますか」と聞けているか
仕組み(人がいなくても守れるか)
  • 防犯カメラ作動中の掲示を、入口やカメラの近くに出しているか
  • 高額な商品の置き方や空箱陳列など、会社の決まりに沿っているか
  • 在庫の数を定期的に合わせ、減り方の変化に気づけるか
もしもの時(起きた時に迷わないか)
  • 誰に連絡するか、連絡先がスタッフに分かる場所にあるか
  • 防犯カメラの映像の出し方を、複数のスタッフが知っているか
  • 通報装置や非常ベルの場所と使い方を、全員が知っているか

手薄になりやすい時間帯を書き出す

『うちの店、いつ狙われやすいんだろう』と気になる方も多いはずです。人が少ない時間や、品出しやレジに手を取られる時間は、売場から目が離れやすくなります。

例えば、開店直後の品出し、夕方の混み合う時間、閉店前の片づけの時間です。こうした時間帯だけでも、レジから見える位置で作業する、ひとりは売場に残るといった決まりを作っておくと安心ですよ。

レジまわりの守り方はレジ締めと現金管理、決めた手順のまとめ方は店舗マニュアルの作り方で紹介しています。

声かけは「見ていますよ」のサインになる

先に結論

声かけは、疑っている合図ではなく「この店はお客様をちゃんと見ています」というサインです。ふつうの接客の言葉で十分なんです。

『声をかけたら、疑っていると思われそう』と心配になりますよね。そう感じるのは自然です。

ただ、ふだんどおりのあいさつや案内の言葉なら、お客様に失礼にはなりません。むしろ、多くのお客様にとっては気持ちのいい接客になりますよ。

そのまま使える声かけの例文

場面声かけの例
入店した時「いらっしゃいませ、こんにちは」
品出し中に近くを通った時「いらっしゃいませ、失礼します」
同じ棚の前に長くいる時「何かお探しですか。よろしければご案内します」
手に取った商品を見ている時「サイズ違いもございますので、お声がけください」
帰る時「ありがとうございました、またお待ちしています」

例えば、こんなやり取りになります。

「何かお探しですか」
「いえ、見ているだけです」
「どうぞごゆっくり。何かあればお声がけください」

これだけで、相手には「スタッフが近くにいる」と伝わります。

スタッフへの伝え方

声かけをお願いする時は、万引きの話から入らない方が続きやすいです。接客の基本として伝えると、スタッフも気負わずに済みますよ。

朝礼で伝える時の例

「今日から、入ってきたお客様には顔を見て『いらっしゃいませ』を言うようにしましょう。品出し中も、近くのお客様にひと声かけてください。お客様に気づいてもらえる店にしたいです」

朝礼の話し方は店長の朝礼・ミーティングのネタと進め方も参考にしてみてください。

防犯カメラは店長が見てる?映像の扱い方

先に結論

防犯カメラの映像は、何かあった時に見返すための記録です。誰が見られるか、どこにしまうかを決めておくと、スタッフもお客様も安心できます。

アルバイトの方から『店長って防犯カメラを見てるんですか』と聞かれることもありますよね。実は、店長がずっと画面の前にいるとは限りません。

よくあるのは、レジの金額が合わない時や商品がなくなった時に、あとから映像を見返して確かめる使い方です。見る人と見る場面を決めておくと、スタッフが「見張られている」と感じにくくなります。

防犯カメラにも個人情報のルールがある

個人情報保護委員会の「カメラに関するQ&A」では、特定の人を見分けられる映像を撮る時は個人情報を扱うことになる、と説明されています。利用目的をできるだけはっきりさせて、その範囲で使う考え方です。

お客様が撮影に気づきにくい場合は、カメラが作動中だと入口やカメラの場所に掲示する措置が求められています。外から見て分かる場合でも、掲示が望ましいとされていますよ。

よくある失敗

映像を私用のスマホで撮って、スタッフ同士で見せ合ってしまう。映った人の情報を外に出すことになりかねません。映像を誰に見せるかは、会社の決まりに沿って店長が判断しましょう。

顔を見分ける機能のついたカメラは、別に利用目的の通知や公表が必要とされています。導入を考える時は、本部に確かめてから進めてみてください。

決めておくこと決め方の例
映像を見られる人店長と副店長、本部の担当者
見返す場面レジ違算、商品の紛失、お客様とのトラブル
映像の持ち出し警察や本部に頼まれた時だけ、決めた手順で出す
掲示入口とカメラの近くに作動中の案内を出す

万引きを見つけた時、店長はどう動く?

先に結論

もしもの時は、店長がその場で感情的に対応するより、決めた手順どおりに動く方が安全です。会社のルールに沿って、警察への連絡を早めに考えましょう。

警察庁の指針では、被害が起きた時は確実に被害を申告し、警察へ早めに通報することが挙げられています。防犯カメラの操作に慣れておくことも、同じ項目に入っているんです。

声をかける時は、ひとりで対応しないようにしておくと安心ですよ。お客様を呼び止めるかどうかや、その後の流れは会社ごとに決まりがあるので、着任したら最初に確かめておきましょう。

もしもの時の動き方の例
  1. ひとりで動かず、近くのスタッフか責任者に知らせる
  2. 会社の決まりに沿って、声をかけるかどうかを判断する
  3. 落ち着いた声で、ていねいな言葉づかいで話す
  4. 会社の手順に沿って、警察や本部に連絡する
  5. 起きたことを時間順に記録し、防犯カメラの映像を残す

スタッフの安全を一番に考える

もしもの時に一番守りたいのは、スタッフの安全です。追いかけたり、ひとりで呼び止めたりしないよう、ふだんから伝えておきましょう。

コンビニのように夜に少人数で回す店では、深夜帯は複数で勤務するよう警察署が呼びかけている例もあります。夜の店の回し方はコンビニの店長の仕事でも触れています。

もしもの時に店長とスタッフが取る動きを順番に示した図解

店長と万引きのよくある相談

ここでは、万引きと店長にまつわる相談でよく見かけるものを、3つ取り上げて答えます。

相談1:万引きを繰り返す人がいて、防ぎきれない

同じ人が何度も来て困っている、という店長の悩みです。気持ちが休まらないですよね。

まずは、その人が来た時の動きをスタッフ全員で決めておきましょう。入店時のあいさつ、近くで品出しをする、レジから見える場所に商品を移すなど、ふだんの接客の範囲でできる工夫から始めます。被害があった時は、会社の手順に沿って警察に相談してみてください。

相談2:店長は万引きした人に強く怒ってもいいの?

『あれだけ被害があったら、怒りたくもなる』という気持ちは自然です。

ただ、その場で声を荒げると、話がこじれたり、店の側が責められたりすることも。怒りをぶつけるより、落ち着いた言葉で、会社と警察の手順に任せる方が店とスタッフを守れます。

相談3:防犯カメラの映像はどれくらい残るの?

映像が残る長さは、カメラの機種や設定、録画の容量によって違います。

気になる時は、店長や本部に聞いてみるのが確実です。店長の側も、もしもの時に必要な映像を早めに残す手順を決めておくと安心ですよ。

防犯の工夫は、どの店でも活かせる力

売場の見通しや声かけの決まりを整える力は、業態が変わっても通用します。店長としての経験を、飲食業界の別の店で活かしてみたくなった時は、飲食業界に特化した人材紹介のRestLabに話を聞いてみるのも1つの方法です。

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よくある質問

万引き対策で、店長がまずやることは何ですか?

入店時のあいさつと、売場の見通しの確認から始めるのがおすすめです。どちらもお金をかけずにすぐ取り組めます。慣れてきたら、防犯カメラの掲示や、もしもの時の手順を整えていきましょう。

店長は防犯カメラをいつも見てるのですか?

店長がいつも画面を見ているとは限りません。レジの金額が合わない時や商品がなくなった時に、あとから見返す使い方が中心です。誰が見るかは会社や店の決まりによります。

声かけをすると、お客様に失礼になりませんか?

「いらっしゃいませ」や「何かお探しですか」といったふつうの接客の言葉なら、失礼にはなりません。疑う言い方を避け、案内のつもりで声をかけてみてください。

万引きの対応方法を、スタッフにどう伝えればいいですか?

手順を1枚の紙にまとめて、バックヤードの見える場所に置いておくと伝わりやすいです。店のルールのまとめ方は店舗マニュアルの記事も参考になります。

まとめ

この記事の要点
  • 店長の万引き対策は「させない店」づくりから考える
  • 防犯は見通し・声かけ・仕組み・もしもの時の4つに分けて見直す
  • 声かけはふつうの接客の言葉で、見ていますよのサインになる
  • 防犯カメラは見る人と見る場面を決め、作動中の掲示を出す
  • もしもの時はひとりで動かず、会社の手順に沿って警察に連絡する
店長ドットコム

店長ドットコム 編集部

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